■Back ■Next ■Home

2016/8/11(木)

山の日は島へ。
伊豆諸島は式根島、最大6泊、延べ参加者9人の夏の大計画。初日からの参加者は、我が家4人を含めて6人。

本日は移動日。乳幼児連れでは往路も高速船。竹芝回りの午後船で出航。予約では満席だったと思うが、ちょいちょい空席もあった。やっぱり実施段階はそんなもんだ。
出航時の曇り空も、南へ向かうほど晴れてくる。利島のあたりからは青い海と青い空。やる気も上昇。

宿泊場所の確保には苦労したが、結局テント泊はほとんど無くなりそう。民宿のハシゴは必要で、本日は三好屋とかねやまに分宿、明日は三好屋、三泊目以降は肥田文さんのお世話になる。二泊目は6人で1室なので、狭ければ野営するつもりだったが、なんだかんだであてがわれたのは8畳間。大人4人に乳幼児2人なら問題なさそうだ。


初日はとりあえず温泉へ。結局雅湯が一番便利。

式根島の民宿経営者は高齢化が進んでいるようで、食事の提供を止めたところが多いらしい。 当初より確保していた三好屋は現在素泊まりのみ。式根島は食堂の数も少なく、ほぼすべての宿が満室となっている現在は、外食できるかも不安だ。
直前に1部屋確保できたかねやまさんで、全員分の食事もお願いできた。 自炊する準備はしておいたが、到着後すぐに炊事の準備するのも面倒だったので、大変ありがたい。

かねやまさんは、ずいぶん清潔な宿で、民宿の良さを損なわずに一般的なデメリットを消してる感じ。幼児用のシーツだとか、キンカンの貸し出しなんかも助かる。


部屋で焼酎。だいぶ面倒見てくれた。

2015/8/12(二日目)

朝の釣り。まだカヤック組み立ててないので、野伏港で桟橋釣り。
周囲は全然釣れる気配がなかったのであまり期待しなかったが、インチクにソーダガツオが掛かった。到着早々、坊主脱出。

カヤックを組んで、朝食後は海水浴だ。
伊豆諸島でも最も絵になる海水浴場、泊港へ行く。外洋にはわずかに口を開けた、池みたいな扇型の浜なので波はほとんど立たない。子供も泳ぎやすい。
昨年は波を怖がっていた娘も、今年は必死に浮き輪を握りしめながら、プカプカ浮かんでいる。 箱メガネ渡して、浮き輪引っ張っていくと、一生懸命ベラなんか見つけて喜んでいた。

海水浴場でのカヤックは、歓迎はされないがとりあえず追い出されなかった。
湾外へ出れば、隣の入り江はプレジャーボートの溜まり場となっている吹きの江(我々はプレジャーボート湾と呼んでいる)、その隣は大浦に中の浦の入り江と、大変カヤックに適した地形。交代で漕いだ。

この青い海と緑の島を漕ぎ進むのは、もうそれだけでワクワクしてくる。 なんだろうなこの感覚。美しさと恐ろしさを秘めた世界に、自分の意志で進んでいく。 とりあえず今は、海も空も鮮やかすぎるほど色鮮やかだ。


初めて式根島に来た際にくさや食べに来たような気がするが、もう十年以上前。
ちょっと記憶は曖昧だ。

三好屋さんは食事が着かないが、島唯一の飲み屋が近い。
今日はそこへ行こうと開店5分前に並ぶが、案の定、大行列ができていた。十分予想していた事態なんだし、部屋でゴロゴロしてるくらいならもっと早く並べよと、全員で己をツッコむ。 が、なんとか最後の一席を確保。

季節営業の飲み屋で、メニューはそれほど多くない。めぼしいものをすべて注文。 出てきたメニューは離島に来たなぁという好ましさがあり、久しぶりに飲み屋に来た妻も大満足。
次に式根島来るときは、キャンプ場にでも泊まりたいが、その際にでも再訪したくなる。

2015/8/13(三日目)

朝の釣りは泊港から大浦海岸への回航を兼ねて、カヤックで沖釣り。
鏡のようなベタ凪の海に魚が跳ねる潮目を見つけると、水面下に巨大な魚影が。 最初サメかと思ったが、黄色い尻尾だ。大型ブリが悠然と泳いでいる。

インチク+サビキを巻き続けていると、強い引き。すわブリかと思ったが、でかいサバが二つサビキに掛かっていた。取り込みの際に1尾バラす。
でかいブリは、なんか釣り堀のスレた大鯉みたいに老獪な感じで、やすやすと針がかりしなさそうな雰囲気があった。

その後、底のほうでアジくらいのサイズの正体不明の赤い魚確保。これもサビキに掛かった。
釣れる雰囲気がプンプンしているが、民宿引っ越しのために1時間弱で上がる。


朝食は弁当。素泊り組の主食は、島内の各総菜屋で作る弁当になる。

本日帰宅するキヨミ嬢とは慌ただしくお別れをして、民宿の引っ越し準備。
狭い島内の民宿同士は、商売敵というよりは親しいご近所さんなんだと思う。こちらでの連絡と同時に、なんか先方でも地域コミュニティ内で連絡を取り合っていたりする。島内すべてが同一企業のネットワークみたいな感じだ。

一つ問題勃発。
本日から合流予定の釣具会社の後輩が急遽不参加となった。新しく台風が発生し、帰りの船が欠航となるかもしれないと脅されたらしい。 釣り要員的に大打撃だが仕方がない。
新しく就航した下田からのカーフェリーで来ることになっていた、彼の自家用車も来なくなる。 大浦海岸方面へ子供連れて行ったり、逆に石白浜方面へカヤックを運ぶことも期待していたのだが。

肥田文へ引っ越し後、娘と共に海水浴へ。島の反対側へ移動してきたので、目の前の石白浜へ行く。海水浴デートというか、三歳児の浮き輪専用エンジンというか。
ほかのメンバーは昼寝をしていた。今回のような長期旅行では、オフの日も必要だと思う。
朝方のカヤックの回航は、あまり意義がなかったことになるが、釣りができたから構わない。


夕方は子供の昼寝番。妻たちは温泉や飛び込みしてきたようだ。

なんだか昨日あたりから娘がにわかに天ぷら好きに。 子供の好物が増えるのは嬉しいことだ。
息子は冒険したい年頃なので、食卓の下を徘徊する。椅子席が良いか、テーブル席が良いか、難しいところ。


花火も夏のイベント。子供ができてこういうのが楽しくなった。

2015/8/14(四日目)

民宿の移動と共に、カヤックも南側へ回航。早朝、大浦海岸→石白浜海岸へ漕ぐ。 野伏港前の激流地帯は、潮止まりの時間なのか下り側の潮流の時間なのか、それほど苦労せずに到達。 対岸の新島まで渡るのも、とりあえず今なら割と容易にできる気がする。 移動中の弓角トローリングは不発。

ジダンのカヤックも組み立て、今日は二艇で出航。石白浜から地鉈温泉方面を目指す。
コンディション的には、風はそれほどでもないものの、うねりがある。
沖合を漕ぐ分には特に問題はないが、磯場では青い海が白く泡立ち、ちょっと怖い。 10m程度まで近づけば波に引き込まれて5mくらいの落差でもみくちゃにされそうだ。 だから岩場の間隔は30mくらいは空いていないと通りたくない。

石白浜から地鉈温泉へのルートは、前回のカヤック旅行時の記憶では容易だったように思ったが、今回は緊張する箇所が結構あった。 地鉈温泉の前の磯場も、うねりに閉ざされ突破できないように見えたが、少し西側に進むと、通行可能な水路を発見。


無事上陸。ライジャケに携帯入れてるの忘れたまま泳いでしまったが。


この温泉に入ると、式根島に来たなぁという感じがする。

宿に戻って昼食は自炊。結構食材持ってきているので、消費もせねば。
割と高めのソーセージを、ライスペーパーに巻く。野菜もほしかったので、そのへんに生えているアシタバの、若い芽を探して軽く湯がくと大変おいしかった。

昨日までの漁獲、サバや名前のわからない魚も塩焼きに。サバは大変脂がのっていておいしいやつだった。


夕方、今度は妻と共に石白浜→地鉈温泉コースへ。


湯温は熱め。かなり波に近いところでないと快適に入れない。
うねりは強く、ワイルドな入浴をしばし味わう。

ところで、海水浴シーズンの海水浴場でのカヤックは、当然ではあるがあまり歓迎されない。
カヤックを持ち込むと、各浜にいる爽やかなライフガードのお兄さんが事情聴取にくる。 子連れということもあるかもしれないが、怒られるほどではなく、注意を受けて黙認というくらい。このあたりの対応は人によっても違いそうだが、何人目かのお兄さんには、海水浴場からではなく、北側なら大浦キャンプ場、南側なら雅湯隣の漁港からの出入りをお勧めされた。
漁港のスロープ使うのは何となく遠慮していたが、そちらで良ければ特に問題はない。

ということで、帰りは雅湯隣の漁港へ。
式根島港の周囲も、結構岩場がある。こちらの大桟橋に東海汽船のフェリーが接岸するのを見たことがないが、この周囲の岩場が嫌われ、現在はほぼ釣り専用桟橋のような感じになっている、と聞いたことがある。

したがって今日のようにウネリが強い日は、入港経路を迷う。往路で見かけた小型プレジャーボートは、結構狭い水路を通過していたが、そこを通って良いものかどうか。 しかしそこさえ通り過ぎれば、港は目の前だ。

あまり気乗りせぬが、とりあえず行ってみようということになった。 最も狭いところは幅10m程度、長さも10m強なのだろうか。確かにここを通過できれば最短経路で、見たところ全然無理、というわけでもない。

波と共に進入する。流れも味方につけた上、波乗りの前傾姿勢なのでスピードは増す。流れに身を任せれば、岩場に激突ということも無かろう。
それで最狭部を突破できれば問題ないだろうが、それには至らない。やがて波に追い越され、岩場にとり残される。 そこで一生懸命パドルを漕いでも、今度は流れが逆向きに変わり、危険地帯でストップ。船体を回される。

確信した。
何年か前の式根島カヤック旅行で、仲間が沈したのはまさにこの場所な。

船体が横を向いた際に次の波を受けたら、ひっくり返されるのが当然だ。進む→止まる→横を向く→次の波 というサイクルが自動的に起こりやすい地形になっている。
当時は、大変おだやかな海況だった。大して危機感かんじなかった状態で、突発的に発生した。が、今日はもっとうねりがあり、岩場との間でミキサーのような状態を作っている。ひとたび沈したら、大怪我しそうだし、セルフレスキューも難しそうだ。何しろ沈するわけにはいかない。

カヤックは、長手方向から受ければ、どんなに波が高くてもそうそうひっくり返されるものではない。前に進めなくてもいいから、次の波が来る前に、とにかく船体をまっすぐにしなければ。

このようなことが、時間にすればたぶん2〜3秒、波と波の合間の刹那に発生。 大きな危機感を感じながら、無我夢中で船を回していると、何とか危険エリア×危険時間をクリア。操作性の良い一人乗り状態にしておいて良かった。


が、このコースを妻に要求するのは酷だ。何かあっても救助できない。
波音に消され、声は届かないが、身振り手振りで危険だと言うことは通じたようだ。

上から見ればたぶん難なく安全な航路は見つかりそうだが、視点の低いカヤックから、岩場やうねりを避けられるコースを探すのは、それなりに手間取る。遠近二つの岩場が重なると、その間が安全に通過できるか、近づいてみないと分からない。
なんやかんや、結構大回りして通過できそうなところを見つけ、無事入港。桟橋に近づいていった方が安全なようだった。

ずいぶんと漕いだ一日になったな。式根島一周するつもりは無かったが、一周分くらいの距離は漕いだかもしれない。
グーグルマップで見ると、確かに安全なルートは一目瞭然だ。桟橋ぞいに進めば良かったのだな。

2015/8/15(月)

日課のように早朝カヤック釣り。
1時間半ほど式根島港前の水深30〜50mのところでルアー巻き続けるも、毎日1尾ずつ釣れるエソだかハゼだかの駄魚以外は、アタリ一回をバラしたのみ。ルアー二個ロストして、絡んだ仕掛けほどいているうちに船酔い。雨も降って退散。虹が見れた。

さて、明日から明後日にかけて台風が直撃しそうだ。
もともとの予定では、明後日帰宅するつもりだったが、おそらく欠航するだろう。明日の便に変更しておいたが、状況を考えると今日帰っちゃった方が良いかもしれない。


朝食後、急遽荷物をまとめて帰路に就くことにする。 下田回りなら、お盆休みの当日予約でも乗船可能。

予定より二日間早くなり、キャンセルも3人。当初ほど大規模な旅行にならなかったが、4泊5日間。まぁ一通り楽しめた。何よりも、久しぶりに友達と一緒の旅行計画を実施し、子連れでもそれがスムーズに機能したことが嬉しい。


帰路は穏やかな航海。

数えてみると、式根島訪問も7回目だ。そのうち2回は、今日のごはんを書き始めるちょっと前。日記にあるのは5回分。
1〜2年に1回くらいは行っていたが、6年ぶりになるのか。
・2010年7月 カヤック2回目
・2008年7月 カヤック1回目
・2006年11月 ピクニックとか
・2005年12月 年越さず
・2004年12月 キャンプ場に泊まった気がする


我が家は下田周りで帰っても、まあそこまでアクセスは悪くない。ビール飲みながら伊豆急乗るのも、それなりに旅情。
小田原の駅ビルで、さらに魚介類食べて帰途につく。

2016/8/17(水)

結局、台風は思ったより早く通過した。もしかしたら、式根島旅行は予定通りの日程でも普通に帰れたのかもしれない。 でもまぁ、4泊5日、十分遊べたし、台風の中で缶詰になるよりも、家で休養しながら台風通過を待った方が、次の計画にもつながるだろう。

今日は府中の郷土の森へ行った。
子供が水遊びできる噴水が目当てだったが、どこにあるのか分からず。皆が浮き輪片手に目指す先にあった総合プールへ行くことに。 流れるプールある割にめちゃくちゃ大きいというほどではなく、家族連れ中心の客層。

息子はまだオムツ取れていないが、入場自体はOK、はじっこで水遊びさせる程度でもそれほど問題にならないようだ。水遊び用オムツは駄目と書いてあったので、黙認というか、見過ごされてるだけなのかもしれないが。
なんだか結局、大変ちょうどいいプールだったように思う。


ついでにおばあちゃんちに行って、曾孫と遊ばせた。

2016/8/18(木)

海は楽しんだから、次は山へ行きたいというのが妻の主張。
・真夏なのである程度の標高が欲しい
・子供でも歩けそうな勾配の緩さ
・遠すぎると面倒くさい

という条件から選んだのは入笠山。
関東から日帰りでも行ける山だが、幼児連れなので前泊してゆっくり登る計画。 遠くの町の居酒屋行きたいという妻の要望が隠れた理由だという噂もある。

昼過ぎに荷物をまとめて出発。
運転しながら妻が宿を探し、上諏訪のビジネスホテルはほぼ満員、茅野駅前で手頃な部屋が見つかった。

上諏訪降りて渋滞に巻き込まれながら、18時過ぎにチェックイン。


駅ロータリーそばの居酒屋に入店。
満足度の高かった原因として、
・座敷の個室:赤子が元気にハイハイしながら、料理を守ることもできる。ドアつきの部屋で、皆満足
・日本酒:我々夫婦は日本酒の舌が肥えているほうだと思う。下手な居酒屋だとガッカリすることも多いが、地元銘柄を中心に頼み、合格率が高かった。
・料理:単価高めで量少な目だが、味は悪くなかった。野沢菜を天ぷらにすると美味しいことを知った。

2016/8/19(金)

そんなに早起きはしなかったが、東京から日の出とともに出発するよりは多少早いくらいの時間にロープウェイ乗る。
やはり気象庁よりもヤマテンの予報のほうが勝ったみたいで、絶好とは言わないまでも悪くない程度の登山日和。

ロープウェイを降りると、ボランティアのおじさんがコースの解説をしてくれる。
一般的な登山の魅力として、「手つかずの大自然」というようなものをイメージするだろうが、この山はそれとは対極なようでいて、まったく期待を裏切らないような魅力があるんじゃないかと思う。


まずは湿地へ降りる木道からコースは始まる。


高山植物の種類も多いようだ。


短いコースだが、山小屋も何軒かある。子連れでも大丈夫そうだから今度は泊まりに来るか。

元々の自然と、公園的な管理がほどよく混ざり合うような、それでいて標高2000mの大展望もあるのだから、「気軽に登山の魅力を色々と楽しみたい」というニーズにはバッチリだ。
展望の山としても、対岸の八ヶ岳をはじめ、北アルプスも南アルプスも見える、諏訪湖も見下ろせる、山岳展望の一等地に立地するし。


頂上直下は山登りらしい登り。大した標高差では無いが、三歳児にはきついかも。


頂上に着くと娘は寝ている。
デジャブ感というか、定番というか。


昼寝したら元気になった。


アイス食って下山。昼食は登山口直下の温泉にて。

中央道では事故渋滞に巻き込まれながら、まぁ大きな時間ロスは無く帰宅。また今度行こう。


■Back ■Next ■Home