まだ先週の縦走の疲れは抜けきらないが、矢継ぎ早に夏の二大計画、二段目。
恒例となりつつある、式根島カヤックツアーの3回目だ。今年は4艇集まった。
我々の来島を待ち構えるように梅雨が明け、鮮やかに夏が到来。 太平洋高気圧もばーんと張り出し、黒潮もまっすぐと伊豆諸島を貫き、もうこの上ない好条件が揃っている。 青い空と透明な海と、緑の式根、濁った温泉、透明な焼酎と赤いお魚、そのほか諸々が我々を待っているはずだ。
渋谷の駅そばかっ込んで、年間で最も込み合った東海汽船へ。 我々はさすが東海汽船のヘビーユーザーなので、色々と手際が良い。 かなりいい場所を予約した上に(なんか卑怯な手を使ったらしい)、かなり良い宴会スペースも確保。申し訳ないくらい確保してしまった。
やっぱり今回も、偶然知り合いに出会う。神津島へ向かう、今年のGW母島組3人と合流して宴会。
船の中はどこもかしこも宴会だらけだが、キングオブ酔っ払いはなんだか我々の界隈、怪獣と化した酔っ払い娘を相手にしていたら、夜が白んでしまった。
せっかくの好条件なのに、明日は大丈夫なのか。
停滞していた梅雨はどこへやら。最大の期待に応える、最良の条件。夏が始まった。
前回、前々回に続き、今回も宿泊は民宿潮風さん。広い軒下のある離れを占拠させてもらった。
暑いので、カヤックを組み立てるのも一仕事。泳ぎたくなる。
ちょうど砂浜で、サザエのつかみ取り大会をやっていたので、シュノーケルを持って捜索しに行く。海水浴場にサザエを撒き散らすという、なかなか豪快なイベントだ。
が、みごとに全員ボウズ。まぁ、スタートで出遅れてるからな。我々のようなおっさんよりも、小さい子供がたくさん採ったほうが正しいとは思う。全員ボウズというのは悔しいが。一匹くらい脱走できたサザエも居るんじゃないだろうか。
近くの売店で、惣菜やら野菜やら。豆腐とトマトがうまかった。島寿司もうまかった。
食後は、当然のように昼寝をするが、さすがにそれではもったいない。海に出よう!
石白川の砂浜を出て、右に行くか左に行くか。協議の結果、右に出て温泉を目指そう、ということになった。
4艘の船はすごく順調に水を捉え、ぐんぐんとスピードを上げる。すげー気持ちいい。海は青いし、背後の新島の絶壁は真っ白だし、もう何も言うことはない。
とりあえず、地鉈温泉の入り江に突っ込んでみる。上陸難しいと思っていたが、入り江だし波は静かだし、やって出来ないこともなさそうだ。 岩間に船を入れると、案外無理なく上陸できた。この温泉は歩いてくると結構面倒くさいからな。海からのアクセスは、少し優越感に浸れる。
温泉もいいが、暑いのでどちらかというと泳ぎたい。ここの温泉は海と直結しているから(というか、海も温泉の一部だから)、海水浴も入浴もシームレスに楽しめる。
潜ってみると、海底から泡が立ち昇っている。海の下も温泉なんだな。一風呂浴びて、もう少し先まで見に行こうということになった。
隣の入り江回ったら、人口だか天然だか判断が難しい、格納庫のような洞窟を発見。
そしてお待ちかねの晩ごはん。式根島の民宿の魚料理はどこもレベル高いが、この潮風さんも、お父さんが漁師らしくお刺身は豪華だ。大体いつも、鯛などの磯物系のお魚がどーんと出てくる。 腹いっぱい食べよう。
今日は島一周を目指そう。黒潮本流がきているので流されると恐いが、昨日の調子じゃ大丈夫だろう。
お弁当を買い出しして、9時頃出発。
左回りで島一周を目指す。まずは新島との海峡、港の前のところが難所。 前々回もそうだったが、このあたりは水深が浅くなっている関係で、潮流が激しい。潮の干満によって北向きになったり南向きになったりするので、その時間割を知っていれば楽ができる。いちおう調べてきていて、早く出発すれば有利なようだったが、まぁ誤差もあるし、そもそも皆ゆっくりするので、流れに逆らって漕ぐのも仕方がない。
カヤックの速さは、フルスピードで漕ぐと時速6kmくらいだろうか。潮の速さはその6割くらい。頑張れば潮より速く進めるが、しばらく休むと戻される。がんばって進むことを強要される区間だ。
北東の岬の角を回れば、ようやく一安心。ここから、式根島で一番絵になる海岸、泊海水浴場へ入れるが、前回のツアーでは監視員さんに注意されたので遠慮する。(それほど混雑してないと思ったのだが)
その隣、吹きの江という入り江は、プレジャーボートやヨットが何艇か泊っていて、なかなか感じの良いところだ。今回はこちらに侵入。小さな砂浜に上陸。
吹きの江を離れ、さらにもう一漕ぎ。この辺は景色がどんどん変わっておもしろい。一般の海水浴場は避け、神引の浦でお昼休憩。
こちらは湾が広く、地形も変化に富んでいる。深いところも浅いところもあって、良いシュノーケリングポイントだ。 今日は海況がメチャメチャ良いからか、こちらの湾にもプレジャーボートが結構泊ってる。
同行者たちが、モリガールとか何とか言いながら、売店で銛を買ったので使ってみた。魚突きって前々からやりたいと思っていたのだ。
でもいざ魚を前にすると、けこう覚悟がいる。ふだん魚を殺すのなんて釣りでさんざんやっているのに、生きているものに対して凶器を突き立てるのってなんだかすごく抵抗がある。食べるために殺すことに対しては、倫理的にすごく正しいと思うし、なんかそういう偽善的な姿勢って嫌いなんだがなぁ。
全然突けないならそんなこと考えなくて良いかもしれないが、突けてしまったのだ。ちびっちゃいハコフグが。ちびっちゃいのでほとんど食べるところもなく、さらに罪悪感が募るが、しばらく泳いでいるうちに銛先から外れて逃げていき、なんとなくほっとした。あの傷を負っていればそのうち死んじゃうだろうから、やっぱり偽善的感情だが。
じゃあ、食べるところがたくさんある魚なら、喜びの方が大きいだろう。(それはそれで恐れも感じるが)
今度はでかい魚を狙うことにする。当然チャンスは減るが、全然届かない感じでもなかった。何度か魚体には触れたが、突き刺さらずに逃げてしまった。(タカノハダイかな?今調ると、突きやすい魚だがそんなに美味しくないらしい)
銛突きは、慣れれば結構安定して獲物が得られるらしいが、そんな感じもする。またやってみようと思う。罪悪感は罪悪感で持っていて良いとも思うが、突いた魚を食べてみればまた感じ方変わるかもしれない。
神引から石白川へ戻るには、距離的にはたぶん右回りも左回りも同じくらいだ。
左回りを続けると島一番の激流地帯、途中上陸する逃げ場がないような箇所を通ることになる。が、来た道を引き返し、右回りで戻るのは、新島との海峡で今度は北への流れとなって、また逆流することになる気がする。
せっかくだから左回りを続け、一周を目指す。
南西の岬に出るまでは特に何の問題もなく進んだが、目の前に大海原が開けてくると、潮がぶつかり合っているのか大きくうねりが入り、波頭が白くくずれている。モトカタと呼ばれるあたり。緊張の強いられる海だ。
波の向こうには、出発地点と同じように神津島が見える。ということは、ゴールはそう遠くないはずだ。難所であるが、カヤックは正面からの波にはすごく強いし、突破はできるはずだ。
かなり海流も強く、船が流されていく。うねりの大きな沖に出るのが恐かったので、岩の陸側を通ろうと思ったのに、どんどん流されて沖側まで持っていかれた。流されていくのは進行方向だったので船の姿勢さえ気をつけておけば良いのだが、僚艇が横波を受けるのを見て冷や汗をかいた。
恐い時間はほんの一瞬で、全員無事に難所を抜けた。あとは安全地帯を15分もこげば1周達成だ。
洞窟を発見。式根島って洞窟がありそうであんまり見つからなかったのだけど、ここはなかなかだ。
付近は海底温泉があるらしいのだが(湯船があるというよりは海中に湯が沸いてる程度だと思うが)、発見はできず。
温泉行く途中、佐々木艇が沈したらしい。
岩と岩の間を通る時のうねりにやられたそうだ。
まぁ、割と安全なところだし、たまにそういう経験しておいた方が良い。
今日の温泉は雅湯。漁港から乗りつける。
対岸の防波堤は、かなり高いジャンプ台になっていて、入浴客にとっての良いショーとなっていた。僕も一発飛び込んで来た。
今日は、ルアーを引っ張りながら漕いでみた。残念ながらアタリはなかったが、すごく釣れそうな気がする。根回り、岬回りなど、喫水線の低いカヤックじゃないと近づけないポイントに近寄れる。スピードもちょうど小魚が泳ぐくらいだと思うし、エンジンがないので魚に警戒されなさそうだし、なんかトローリングの理論にあっている気がするぞ。
黒潮が来ている割に夏の回遊魚たちが少ないようなのだが、魚影が濃ければ釣れたんじゃないかな。まぁ、ほとんど手間かからないし、魚を期待しながら漕げるんだからまたやってみようと思う。
素晴らしい冒険、素晴らしい温泉を楽しんだ後は、素晴らしい夕飯とビール。お待ちかねの時間だ。
期待していたとおりキンメダイ。
あとは眠くなるまで、あるいは途中眠りながら、たらたらと酔っ払う。
今注目すべき二大巨頭は、ゲル状の食べ物とシート状の食べ物だ、という意見に感銘を受けた。
さて最終日はカヤックしまったし、どうしようか。
今回は高速船が取れたので、夕方まで遊べる。
案外皆泳ぐ気がないようだが、考えてみればいざ海水浴行こうと考えれば、海は近くにあるし渋滞はないしお金はないし、良い条件がそろっている。とはいえ確かにガンガン泳ぐってほどの気分でもないので、防波堤から飛び込むくらいが丁度いいのではないかと思う。
魚も釣ろうとしたが、見向きもされず。たまにキタマクラが間違って引っかかるくらい。 コマセに反応するやつらは居たので釣れそうなものだが。
あまりにも釣れないので海の中に入ってみた。 ウメイロの群れなんかが見えたので、釣れそうな感じもするんだけど、サビキが見切られてたみたい。
民宿そばのレストランで昼食。
あまり時間がなかったが、早食いの得意な人のメニューが後に来て、丁度良かった。
ネギ鳥ラーメンは秀逸だと思う。
いつもとは逆に、今日は下田船が先に出るのでこちらが見送り。 またどっか行きましょう。
我々の高速船の時間までは、まだ2時間ほど遊べる。式根島の小ささはありがたく、ちょっと歩けばまた美しいところへいけるから便利だ。
アイス食いながら泊海水浴場へ。東京の真ん中からわずか3時間程度でこんな美しい海岸へ来れるのは、ちょっと驚いていいことなんじゃないか。
最後の飲み会は、毎度おなじみの大門の天狗で安く上げようという方針。
今回は本当に最高の天気で、文句の付け所がない。
式根島カヤックツアーは本当に面白いな。小さい島だが変化に富み、距離は短くても難所もあり、ほじくりきれてない面白みがまだまだたくさん残っていそうだ。
来年もやりましょう。
恋人が来て楽しそうに料理していた。
なかなか気合の入ったメニューで、最近流行りのラム肉+ヨーグルトソースをチャーハンにかけたもの。
おいしかった。
暑いな。
麦茶に氷をいれたのが嬉しい。冷たければ、ビールじゃなくても良いのではないかと思う。
目が痒い。たまらないほど痒い。
あまりに痒いので、仕事中にもかかわらずネットで「目が痒い」と検索したら、「いろいろ可能性はあるにしろ、ほとんどはアレルギーです」と断言しているから、まぁ多分アレルギー、いわゆる花粉症だ。
この時期なので悪名高き杉花粉ではない。ハウスダストっていう可能性もあるにはあるが、どうもイネ科の植物が一番の容疑者だ。 イネ科の杉ほど始末が悪い訳ではないところは、飛散距離が短いところ。何百mか離れれば、ほとんど飛んでこなくなるらしい。「イネ科の植物の多い、川の土手へジョギングに行くのは控えましょう」などとアドバイスが書いてあった。
ではそれを実践しよう。とは思うものの、結構難しいものがある。
僕の生活圏は、ほぼすべて川沿い。土手から道一本隔てた家に住み、土手の上を十数km自転車こいで、土手の脇にある会社へ通う。
冷暖房完備の会社内はともかく、この時期クーラーのない家の中はほぼ土手の上と同じ風が吹いているし、土手を避けて生活するのは不可能だ。
とりあえずは、目薬は効くようなのでそれを頼るのと、通勤時はメガネかけるというくらいの対策で行こうと思う。