ルトロイヤ−サンマクシム

道は引き続き赤い山脈レステエル山塊の中、西伊豆のようなアップダウンの続く海岸線だ。
きついことはきついが、こういう道がこいでいて一番楽しい。右手に赤い山、ところどころに赤い家、左手は青い海と岩場、小さな砂浜が点在する。下りに入れば海に突っ込むかのようだ。


赤い山脈

実際に海に突っ込んでみる。
磯に下りてシュノーケリング。アジみたいな魚や、イワシらしき群が泳いでいる。海からあがると、岩場の影にトップレスのお姉ちゃんが昼寝をしていたりしてびっくりする。
海ぞいばかり走っているせいか、みな水着を着て生活している。老いも若きも、女も男も、じいさまもがきんちょも、美しいのもそうでないのもとにかく水着だ。水着でないときも、それに近いようなシャツを着ている。頑丈そうなおばあちゃんがビキニ姿でジョギングしているのはよく見られる光景だ。そんなところだから若くてグラマスなお姉ちゃんにも恥じらいが感じられないのかもしれない。
もちろん僕も海パンはいて自転車こいでる。暑くなったらいつでも海に飛び込むためにそうしているのだが、恥じらいがあるかどうかは分からない。


メニューを眺めるおっさん。
いつもこういう格好をしていれば洗濯物もたまらない。さすがフランス人、合理的かつ文化的だ。

今現在足りないものとして、キャンプ用コンロのガスカートリッジがある。これがないとフランス料理よりおいしい僕の料理を作れないし、毎回つまらない食事に対しても高い金を払わなければならない。キャンプするにも不便だ。
飛行機では運べないので現地調達しなければならない。
インフォメーションセンターで教えてもらったサンラファエルの郊外型スーパーで買い求めることができ、一安心。ところがいざ使ってみようとすると、取り付け口が合わず、使えない。あぁ、これではオリ−ブオイルやら香草やらの買い物を楽しむことができないし、魚市場で鮮魚買って、ご飯炊いて刺し身にする気にもなれない。

昨日の反省を生かして地図を買った。また町に来るたびインフォメーションセンターにより、地図をもらう。キャンプ場で泊まるにしても、これでどこにあるかが分かる。自分の疲労度に応じて、今日はここまで行けそうだとかこのへんで止めにしようと判断することができ、走ることに集中できる。



ローマ時代の円形競技場。何気なく走っているといきなりこういうものが現れる。
現在ではコンサートや闘牛などの催しに使うらしい

今日のフランス語


La Carte, s'il vous plait./ L'addition, s'il vous plait. (ラ カルテ/ラディシオン シルブプレ)
メニューお願いします/会計お願いします

会話辞典を見ながら、フランス語で何か質問をしてみる。お、やったぞ、通じたようだ。こちらが話しかけて向こうが答えた。しかしこれで会話が成立したと喜んではいけない。どんなに親切に答えてくれても、僕にはなんて答えているかが分からない。 (だから最初から英語で聞いてしまう。通じないこともあるが)
その点、このような依頼系の文なら、こちらがお願いすると向こうは何らかの行動をとってくれる。お、僕のフランス語も役に立った。
メニューはmenuではなく、carte。menuは定食(コース料理)のこと。メニューを持ってきてくれれば、英語と似ているのでなんとなく分かる。中国語のメニューを見ている感じに近いか。あるいは、でたらめに指させば予想外の何かが出てくるかもしれない。

(2004 8/9)