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自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ

9月1日

行程

福岡-志賀島-玄海町-湯川山


9/1 上の赤 全体図


九州上陸のころからある程度見当をつけていたのだが、9月に入ってすぐのフェリーにのって帰るつもりだ。船の出る門司まではすでに一日行程だが、本日は休航だ。 今日はどこかへ行き、明日の船に乗ろう。子供たちの夏休みも今日で終わり、8月2日に出発して、9月2日の船に乗るということで丁度いい。

9時になってホテルを出ると、外は白い雲と青い空。台風は完全に通りすぎた。 海の中道を通って志賀の島を目指す。


サイクリング日和である。コースかレースがあるのか、反対車線にはロードレーサーが次々と通っている。
志賀島は、江の島のように地続きの島だ。海の中道という素敵な名前の道でつながっているが、その道は渋滞していた。 島は一つの山でできている。周囲は磯やきれいな砂浜で囲まれた、素朴なところだ。海の向こうには福岡の市街が見えたり、遠くの山が見えたり、気持ちがいい。 海は荒れぎみ。砂浜にはサーファーが多少いる。
歴史の教科書の最初のページに載っている例の金印や元冠の史跡があったが、寄らなかった。とりあえず島を一周すれば気がすむ。

今日は事実上この旅での最後の夜だといえる。その最後の野営は、山の上から海岸を見下ろす場所でとることにした。 山の名前は湯川山。標高471m。福岡市と北九州市の間ほどにあり、頂上まで車道が伸びている。展望もいいようだ。

なるべくなら日の暮れる前につきたい。が、昼食をとってホームページの更新をしているうちに少し遅くなってしまった。
上で夕日を見ることはあきらめて、麓の漁港で日暮れ。ここの漁港も釣りができて小さな飲み屋もあって、野宿するのにもよさそうだった。


日が沈んでしまってはしかたがない。急ぐ必要はなくなる。ゆっくりと小さな道を登っていく。
まっくらな道である。民家もなく、車も通らない。緊張はするが、大型車のトンネルほどは恐くない。車道なので滑落や道迷いの心配も少ない。カーブや標高から自分のいる位置を確認し、安全であることを確認しながら前へ進む。


この山です

本格的な登りへ入る分岐に鎖がかかっている。一般車はここまでのようだ。 ここまできて引き返す法はない。ヘッドランプの電池を取り替え、登っていく。 道は細く、落ち葉がたまり走りにくい。目の前の照らされた空間をつき進むのみである。

予定どおり8時半ごろに到着。山頂につくと、なぜこんなに苦労をして登る必要があるか、その理由がはっきりする。
眼下に光の町が広がる。海は漆黒の空間で、漁船か島かわからないが、まだらな光が点在している。空には夏の星座から秋の星へと変わりつつある。 山頂周辺には電波塔がいくつか立っている。ところどころ展望が開けているが、360度というわけには行かない。
登っている途中から、ドーンという音が聞こえ出した。そういえば福岡で花火があるとか聞いた。台風によって延期され、今日になったようだ。星ぞらと夜景に加え、花火を上から見下ろせてすごいことになるかもしれないと期待しながら登ってきたのだが、最後の一つは丁度木々に邪魔されて音のみとなった。


夜景と星ぞらだけでも十分きれいだ

夏の盛りに出発した今回の旅だが、もう9月。蝉の声よりも鈴虫の声のほうが目立つようになった。
山の上で昇るカシオペアを見ながら酒を飲む。最後の夜にふさわしいと思う。

(2002年9月2日 記)

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本日の走行距離 93.79km
使用金額 2464円
(うちわけ 食費 2464円)


本日の写真


台風一過

志賀島より博多

海ノ中道

湯川山


玄海灘に日が沈む

船は動き島は不動


明け方にはオリオン
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