行程別府-杵築
今日は午前中は移動しなかった。 朝風呂に入りホームページを更新する。本を読んだり洗濯をして、無駄に贅沢に時間を使う。 さて、洗濯ものも乾いた。日も高くなり、これからどうしようか。 不自由を実感することは簡単だが、自由を実感することは難しい。 九州の風景は、どこかおおらかだ。海があって田んぼがあって国道が走っているのは日本のほかの部分と変わりはないが、山の形が面白い。火山が多いのか、大きくなだらかな斜面をもっている。 標高はそれほど高くないはずだが、特徴的なものが多い。 杵築の町は、古い城下町を保存することに力を入れている。 町並みを保存するということは、昔からあるものに手を加えずそのままにすることではないらしい。 昔風の外観の中で現代の生活をする。昔あったものを残しながら、新しいものを作っていく。そうでなければ、ただ朽ち果てるだけだ。
資料館のある丘は、気持ちのいい風が吹き、城下が見下ろせる。殿様になった気分で心地いい。
自転車旅行をする人は考えているよりも多いようだ。
いま現在日本一周を目指している人も随分いるはずだし、ホームページを更新している人も僕以外にも何人かいるようだ。 このおじさんも言っていたが、長旅では野宿の場所探しが大きなポイントになる。 毎日場所を探すのには苦労するが、どこででも見つけられる自信がつけば、もう本当にどこへでも行ける。行けるところまで行き、疲れたらそこで休めばいい。 野宿ができるということは、自由への切符を手に入れることだ。 経済的でもある。基本的に無料であるから当然である。 民宿に泊まろうと高級ホテルに泊まろうと、結局は夜寝て朝出発するだけである。 そこに安くても二食付きで5000円。野宿なら食費のみで2000円である。 同じ金を使うなら、おいしいものを食べたほうがいい。 一人旅で個室をとるのも無駄だし(一人の客はいやがるところも多い)、安宿の大広間も公共の場である。 体が慣れていい寝床を見つけられれば、それと同等以上に落ち着ける。 疲れていればどちらにしろすぐに眠ってしまうのだ。 日が暮れたころ、東側の海岸にあるキャンプ場まで走り、テントをはった。 どうも昨日までの営業だったということで、おばさん達が片付けをしている。 自販機や一部の水道は使えないが、お金はいらないから勝手にはってくれということだ。 僕としてはラッキーだ。 松林の中にテントをはり、ご飯を作って一人で食べる。 居酒屋で土地のものを食べるのもよいが、波の音を聞きながら自炊するのも素晴らしい。 一人旅を支えるものは、ナルシズムである。
星ぞらの下、酒を飲んでいる自分に酔うのである。寂しくていやだという気持ちはなく、一人で居ることが必要なのだ。 (2002年8月28日 記) |
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本日の走行距離 | 50.34km |
使用金額 | 2611円 (うちわけ 食費 2411円 洗濯 200円) |