頂上を目指す
行程徳島-貞光-見ノ越
夏といえば海。というわけでこれまで海に沿って走ってきた。 午前中は貞光までの約50kmを吉野川に沿って走る。順調。 そこから国道438号に入る。渓谷ぞいの峡道だ。
小さな食堂で昼食をとる。店というより遠い親戚の家に通されたようで、人のよさそうな店主に、うちはうどんしかできんわという意のことを告げられた。いつもは近所の住民しかこないのだろう。 旅をしていると人に親切にされることが多いが、こちらから親切にされにいく場合がある。 詳しい家族関係は難しかったが、自分の家族を持った子供たちが、お盆で田舎に帰ってきて十数名の大宴会だ。 ごちそうさまでした。雨があがり、出発。相変わらず貞光川にそった道だ。 C2H5OH + 3 O2 = 2 CO2 + 3 H2O + Q [J] さきほどいただいたビールがすぐさま分解されてATPとなり、僕のからだの運動エネルギーとなる。そのエネルギーは一部は汗として流れていくものの、確実に位置エネルギーをあげることに使われる。 仕事=力×距離 本格的な登りが始まる。ここまでの60kmで標高は500mほどあげたが、残りの20kmで900mをあげなくてはならない。まだ2時半であるが、今日中に頂上まで到着することはできるだろうか。 途中、対抗車のおじさんが「あめいらんかー」と声をかけてくれた。 このつらい登りのうちの標高100m分はこのときもらったミルクキャラメルによるものだ。 いちいち車を止めてまで親切にしてくれる人は少ない。一人がこのような行動をとってくれると、無言で僕のことを追い抜いていくほかの車も、行動にはあらわさなくても僕のことを応援してくれてるのではないかと想像できるようになる。
急登は続く。登り坂では距離を基準にするよりも標高差を基準に考えるのが正しく、わずか数km進むのに30分、1時間かかる。覚悟して登っているので精神的な辛さは少ないが、肉体としては大変きつい。旅の期間、いくらか体重は落ち、さらに今これほど汗をかいて軽くなっているはずなのに、体がズンと重い。 こりゃもう今日中に頂上までは無理だと覚悟したころ、ようやく急登はおわり尾根道に出る。雲は低く流れ展望はきかないが、時折太陽は顔を覗かせる。 「苦労すればするほど頂上に出たときの喜びは大きい」というのは無駄な努力をしたものの使う方便か否か。疲れた頭で考えていると、湖畔に立つこぎれいなホテルの前に出た。
とろける。 入浴後、少し下って剣山への登山口。数軒の民宿がある。そのうちの一軒で食事後、駐車場の裏にテントをはらせてもらう。 (2002年8月15日 記) |
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本日の走行距離 | 88.31km |
使用金額 | 3045円 (うちわけ 食費 2545円 入浴 500円) |
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夫婦池 |
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