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自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ

8月15日

海抜1955m

行程

見ノ越-剣山-一ノ森


山登りに備えて、靴やら防寒具やらそれなりの量の荷物を持ってきたが、それらはかばんの底で眠っていた。
ようやく彼らの出番だ。昨日は風も強かったため、テントにこれまで眠らせていたフライシートも被せた。 

これがよかった。夜、何かの音に起こされる。風の音ではなく雨がふっていると寝ぼけた頭で判断したが、テントが朝まで雨に負けることはなかった。神津島でキャンプをしたとき、風には強いが雨には弱いという特徴が判明したが、今度は雨にも負けなかった。

コスト的には民宿にとまってしまったほうが荷物もへるし楽である。 しかしテントにとまるのは自分の秘密基地ができるようで満足感が大きい。

雨があがり準備完了。頂上を目指す。
登山者というより観光客といったいでたちの人が多い。となりを見ればリフトがのんきに動いている。

手が届きそうな低さを雲が流れる。その隙間からときおり覗く空は深く、青い。 高山植物や苔類はしずくを含んでいる。そこに一瞬太陽光がさしてくる。
そんな光景を写真をとりつつ登っていると、1時間半ほどであっさり頂上につく。 とりあえず、西日本第2位の高峰を人力のみで登りきった。おめでとう。  

ちょっと物足りないので一ノ森への尾根道を進む。観光者は剣山までの人が多く、ここからは静寂の山歩きである。笹に囲まれた道を30分ほど登り下りして、一ノ森。頂上からは剣山と、その向こうのジロウキュウが立派だ。  

頂上直下にはヒュッテがある。ラーメンを食し、今日の行動を終了する。
まだ1時だが、遅れつつあるホームページの更新を1900mの高嶺で考えるのも贅沢だろう。
少し雲が多いが、今日の夕焼け、明日の朝焼け、今夜の星ぞらは見えるだろうか。


晩ご飯をいただいた。あまごとおこげのご飯がとてもおいしかった。
山で泊まるのが好きだ。山登りというより、泊まるのが好きなのだと思う。 最高なのは日の出日の入りに星ぞらが付くことだが、それなしでも雰囲気がよい。 山の上で流れる時間がここちよい。テントに泊まるのも充実感があるが、小屋に泊まるのも気が安らぐ。

同宿者は3人組と単独行の中年に客だか従業員だかわからないおじさん。
ここのご主人はかつて徒歩で日本を縦断した人で、70歳を過ぎた現在でも旅を続けるという濃い人のようだが、今日は留守だという。いれば話があったのになぁと残念がられてしまった。僕も残念だ。(どうも今まで泊まった山小屋は主人が留守のときが多い)

雲の隙間からときおり澄んだ空があらわれるが、夕暮れの時間はガスってしまった。明日の日ノ出はどうだろうか。

(2002年8月15日 記)

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本日の走行距離 0km(徒歩3時間)
使用金額 7000円
(うちわけ ビール 500円×2 宿泊 6000円)


本日の写真


登山口



苔むす

昨日登った道を見下ろす


湧き上がる雲


雲の切れる瞬間
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