ローマをうろうろ

ローマには、どちらかというと飛行機に乗るためにやってきた。
都会では途端にやる気がなくなるが、1日くらいは観光もしようか。

妻にリクエストを聞くと、「ひととおり全部行きたい」的な要求になる。さすがは女、目の前の選択肢はすべてをとりたがる。まぁそういう生き物なのだろう。

しかしなぁ、全部と云ってもなぁ。ローマだからなぁ。
とぎれとぎれにつながるホテルのネット環境の下、一夜漬け的にローマの観光名所を探る。
さすが永遠の都、観光資源には枚挙に暇が無いが、大別すると3つに分かれるだろうか。

1.古代ローマ帝国(或いは共和国)時代の地中海世界の首都としての観光ポイント
2.カトリックの総本山としての観光ポイント
3.現代・近代ローマの観光ポイント

それぞれの例として、1はコロッセオだとか○○帝のフォーラムだとか。2はバチカン周辺、3はオードリーヘップバーンがアイス食ってた坂だとか、そういう感じだ。

妻はバチカンの博物館を讃える旅行記が気に入ったのか、バチカンに行きたいらしい。
塩野七生さんのローマの歴史を読んだ僕にとっては、キリスト教は文明の衰退とともに広がった邪教である。
帝政ローマの時代をしのびつつ、散歩しながらジェラードでも食ってれば良いかなと思うが、まぁバチカン行きたいというのならば強いて反対もしない。



まず向かったのはパンテオン。宿から徒歩数分だ。

圧倒される。
多神教時代の建築物だから、紀元前後の建築物だろう。約2000年前、日本では卑弥呼もまだ生まれていないころの建物だ。
そんな時代から、こんな荘厳な建築物作る技術があったとは。
21世紀の日本の建築物は、効率化という名の下に、もっとせせこましいもの作るよな。
当然だが、新島の無料温泉施設よりもすごい。

現在祀られてるのはどうやらキリスト教の天使のように見えるが、よその神様を祀った神殿を横取りしてしまうあたりにも邪教っぷりが出ているんじゃないかとおもう。



ローマの鴨川的存在、テヴェレ川を渡ってベネチアへ。表参道からサンピエトロ大聖堂を目指す。



サンピエトロ寺院はものすごい行列ができていたが、進みは速い。待ったのは30分足らずだったんじゃないかな。




現役の総本山の大聖堂なので、だいぶスッキリとしている印象。
宗教画や代々の聖人・教皇がたくさん祀られている。
たくさん飾られている彫刻のダイナミックさは凄いなと思うが、やっぱり人がたくさん来る聖堂はそんなに好きじゃないな。



この聖堂も屋上まで登れる。登るにつれドームの球面に合わせて階段も曲がってくる。不思議な建物だ。
高いところから景色を見回せば、だいぶ機嫌も良くなってくる。


機嫌が悪くなるのは、キリスト教のせいでもなく人ごみのせいでもなく、妻のせいでも夫のせいでもなく、空腹が原因である。
とりあえずいったんホテルに帰って軽食を取り、今後の作戦会議。
ホテルはパンテオンの近くだが、ローマの観光地の中心にあたるようだ。どこ行くにしても歩いていけて便利だ。

食後はコロッセオ方面に行きたいが、それよりも土産を買うのが先決である。
調べてみると「カストローニ」という食材屋さんにいろいろ売っているようだが、それは先ほど行ってきた方向だ。
が、仕方が無い。効率悪いが、再度バチカン方面へ。
行ってみると、7年前にも訪れた店だったことが判明する。



コロッセオ方面へ行けたのは暗くなってから。ライトアップされた遺跡群の中を散歩した程度。
まぁローマにはそのうち裁縫する機会があるかもしれないし、今回はじっくり見れなくてもいいや。



晩ごはん



妻がトリップアドバイザーで調べたレストランへ行ってみたが、バカンスシーズンはお休みしていた。
うろうろしたあげく、ホテルの数件となりの魚介類レストランも美味しそうな雰囲気だったので行ってみた。

これがアタリ。深夜になっても活気のある、なんだか体育会系の雰囲気で、新鮮な魚介類が飛び交ってる。
やはり我々は海の民、シーフードが好きだ。

見かけよりもあっさりとした味付け、サッパリ目のハウスワインも料理にあう。
イタリア最後のディナーも大満足だった。


●今日の行程:
ローマ滞在

(2011/8/18)