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@山小屋に泊まる
明日のマッターホルン登頂に備え、アタック小屋となるヘンルリヒュッテに泊まる。天候、ルート状態、ガイドの予約状況によって可能となる。ウェイティングリストのかなり上位にいるようなので、昨日の積雪が少なければ明日はマッターホルンの頂上が踏めるんじゃないかと思う。
ガイドレスでは難しそうだが、ガイドについて行くことはそれほど不安を感じない。ガイド料はとても高額だが、新婚旅行でマッターホルン登頂ができれば、確かに良い記念になるかもしれない。
Aキャンプ場にもう一泊
あと1日ならば待てる。水曜日のマッターホルン登頂を目指せるのであれば、もう1泊キャンプ場(あるいはハイキングして近場の山小屋)に泊まり、明日ヘンルリ小屋まで登ることになるだろう。
天候状は有利なようだが、キャンセル待ちの状況は不利らしい。
Bインスブルグあたりに泊まる
これが当初の予定。ツェルマットを去りドロミテを目指す。1日のドライブでは厳しいから、途中で1泊することになる。せっかくレンタカーがあるのだし、オーストリア、リヒテンシュタインあたりで、別の国の料理を食べるのも悪くない。
Cガイドレス4000m峰を目指す
マッターホルンとなると独力で挑戦する気はないが、もう少し簡単そうな4000m峰に自分たちの力だけで登れれば、同等以上の達成感を得られる気がする。
隣の谷から登るビスホルン、イタリア、アオスタ州まで戻って登るグランパラディーゾに目をつけている。
とにかく、ガイドの状況次第である。
ということで朝一でガイド協会へ行くと、
・積雪が多いため、明日のガイド登山中止は決定→@案は不可能
・水曜日のルート状況は回復傾向だが、我々はまだキャンセル待ち。
とのこと。
しかしなぁ。あと二人だ。明後日の登山、直前だ。
何人のガイドが登るかというと、そんなに多くはないだろうし、申し込んでいる人だって気軽に待ってる訳でもないだろう。
毎日ガイド協会に日参するだけで日程を消化するのが最悪だ。
高額なガイド料を払ったあげく、状況悪いから途中で引き返す、大ケガをする、なんてことになったらもっとつまらない。
ドロミテまで足を延ばせば、ヨーロッパアルプスの主要部をほとんど回るツアーとなる。
もともとそういう計画で準備したのだし、ドロミテエリアは、実はけっこう楽しみにしている。マッターホルン登るのであれば、出発前からガイド手配して、十分な時間をかければ登れただろうが、今回はそうはしなかった。希望するなら運次第で登れる、という程度の計画だったと思うので、このあたりが引き際かな、とも思う。
あきらめるには、ある程度の儀式が必要かもしれない。
一度ゆっくり話し合って、お昼前にもう一度ガイド協会に相談しにいった。
やはりキャンセルは出ておらず、状況は変わらない。今回は、マッターホルンは我々を選ばなかったのだろう。
次回挑戦するならば、練習登山は必須ではないようだし、結婚5年記念でも10年記念でも、次の機会に登ればいいんじゃないか、ということになって、マッターホルンのポスター1枚買ってツェルマットを後にした。
二人でドライブしていると、たいてい妻は寝る。いちおう起きようと努力しているらしいが、眠気が勝るようだ。
しかし。スイスの山間ドライブはあまりにも景色が美しく、彼女に眠気を感じさせない。
次々とかっこいい山が現われ、次々とかわいらしい集落が現われる。
どこかの州の旗だと思う
なんか本当に山の形が格好良く、それが車道から良く見えるんだよな。ドライブしているのに、白馬あたりの稜線を縦走しているような気になってくる。
しかし。
さすがに運転がしんどくなってくる。
特にオーストリア国内に入ってすぐに、やたらと長いトンネルがあり、車線が狭い上に大型車に挟まれ、例によって速度は100km/h弱だ。緊張感を強いられる運転が続き、大変に疲れる。
休憩しようにも、もう既に19時を回っている。目標のインスブルグまでは100km以上あり、あまりに到着が遅いと、レストランどころか宿を探すのが難しくなる。そうそう休憩もしていられん。
もっと近いところまでとしたいが、ナビゲータ係は町が全然無いと言う。(そんなこともない気もするのだが)やっぱりリヒテンシュタイン泊まっておけば良かったかなぁ。
トンネルが終わり、ようやく高速を降りられた。
脳内物質の何かが切れ、ものすごい疲労感を感じる。インスブルグの手前50kmくらい。もう、どこでもいいから休ませてくれ。
最初に見つかった町が、Stamsというところ。
町を2周してキャンプ場しか見つからなかったが、町の入り口に戻るとインフォメーションがあり、ホテル、ゲストハウスが合わせて10軒程度あることが分かった。
近い方から当たってみよう。
ゲストハウス(ドイツ語表記だったのでガストハウスだが)とは、日本で言う民宿とまったく同じものみたいだ。「Zimmer」が部屋、という意味なのは頼りない第2外国語の記憶からよみがえったが、その標識を頼りに民家を訪ねると、中学生くらいの男の子が出て来た。僕のドイツ語は大変頼りなく、
「Zimmer?」
「Ja,Zimmer」
くらいの返答しかできないが、先方は簡単な英語も通じていないようだ。英語が分かる人呼んできます、的なことをいってしばらくすると、やたらと親切そうなおばあちゃんが出てきた。
この方もやはりそれほど英語は通じなかったが、とにかくこの方が宿のマダムで、我々はベッドを確保できたようだ。何はともあれ、一安心。
(2011/8/8)
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