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あかだけ

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2006年 12月23日−12月24日

あれ?おかしいぞ。何でここにいるんだろ。
ちょっと記憶が飛んでいる。

赤岳天望荘の35号室。割り当てられた部屋で、ちゃんと布団にくるまって寝ている。時は2006年のクリスマスイブ、早朝4時。空が色づく2時間前。

昨夜は消灯前までに、ずいぶん酒飲んだ。お開きとなってトイレへ向かい、もう一度夜空の様子を見にいこうと思いつつ近くの空き部屋で果てた。それが記憶の最後の部分。なので、ちゃんと自分の部屋で眠っていることは整合性に欠ける。
いつの間に部屋へ戻ったのだろう。記憶を無くしたことはかつて一度あるが、今回はその時よりは無くした領域は少ない。が、自分のことがアテにならないというのは、随分と情けない。自分自身を信じられなくなったら、何を信じていけばよいのだろう。

まぁいいや。
カメラもレンズも防寒具も、必要なものすべてがちゃんと手元にあるし、時間も望みどおりに目が覚めた。不思議だが結果オーライ。記憶なくすほど酒呑んだということは、ガイドさんや居合わせた友人や登山者につまらぬ迷惑かけた可能性もある。ちょっと恐いが、都合よく覚えていないので考えないことにする。消灯までは普通に酔っていただけなので、平気だということにしよう。さぁ写真を撮りに、朝焼けを見にいこう。

赤岳の明け方 赤岳からの朝日

という訳で雪の赤岳登山。
歴とした雪山登山。ピッケルを使用しなければならないような登山は始めてになる。 ピッケルが必要というのは、危険な岩場の通過を伴うからだろう。とはいえ、ピッケルの使い方なんて知らない。使い方知らない道具など持っていても意味がない。
ガイド登山に参加して、そのあたりの説明を受けながら登ることにする。

僕はこれまで、一人で勝手に山登りしてきた。計画の立て方も道具の選び方も、登るべき山の選び方も、その都度自分で調べて、判断してきた。こういう姿勢のほうが面白いが、効率は悪い。

登山など、野外に出たときに求められる最大のものは判断力だと思う。こういう事態にどう対処するか。
判断力は、経験によって培われるだろうが、経験がない場合は他人の判断力を利用すればよい。

経験と判断力がなくても、それを持つリーダーについていけば行動範囲は広がる。
友人を山や海に連れていったときに、そんなことを実感した。僕はここまで来るのに時間がかかったが、彼らは同じ土台を持たなくても、同じ景色を見ることはできる。

ということは、僕だって他の経験者についていけば、もっと行動範囲を広げられることはできるはずだ。地域の登山クラブに入会するという方法もあるだろう。が、とりあえずガイド登山のほうが、てっとり早く日程を選べる。


行者小屋のあたりから稜線を見上げる

ガイドを頼んだのは、「風の谷」を主催する山田哲哉さん。山田さんは気さくで人あたりが良いというか、軽口ばかり言っている陽気なおっさん。経歴を見ると50代だということが分かるが、見かけでは年齢不詳。
「風の谷」を選んだのは、雑誌の広告を見ていてテント山行に力を入れているという記述に惹かれたのだが、今回は小屋泊まり。日程とめぐり合わせで決めた、というほうが正確か。

参加者は15人。僕を含む3人が「風の谷」のツアー初参加で、他の人はリピーターのようだ。今回は「雪山入門コース」という設定なので、登山の経験は似たりよったりだろう。 ガイドが3人つくので、5人に対して1人、6人パーティーとなる。

茅野駅で集合し、美濃戸までは車。行者小屋を経由し、地蔵尾根を登って赤岳展望荘泊。二日目に頂上を踏み、文三郎尾根を下って行者小屋からは同じ道。


登頂

登山自体は、そう大変なものでもなかった。まず、天候が大変に良い。お日さまはやさしくふり注いでいるし、雪も丁度サックリサックリ歩きやすい程度に積もっている。
突風が八ヶ岳では名物となっているが、この日はそれほど強くはなかった。初日の稜線に出たころはさすがに随分と吹いていたが(到着後、酔っぱらって夕日を見にいったときに地図を吹き飛ばされたりしtらが)、二日目にいたっては無風状態。 またしても最高の天気を呼び込んでしまったが、今回に限っていえばもうちょっと厳しい状況を欲していた。せっかくお金払ってガイド登山を頼んだのだから、「このような場面にはこう対処すれば良いのか」というような知識を得たかった。しかし得られたのは「すばらしいコンディションなので楽しんで歩けば良い」というくらい。まぁ天気のことなのでしかたがないし、素晴らしいコンディションの中を楽しく歩くのも好きだ。
今回は2食付きの小屋泊りで、荷物をかなり軽くした。さらに、6人パーティーで歩いているのでペースは遅い。あれもう着いたんだ、という程度に行動終了した。

初めてやったこと

・ピッケルの使用

ピッケルこそ登山家の魂、という人もいるらしい。が、僕はどちらかというとあまり道具をおおげさにしたくないし、普通に尾根道歩くだけなら特にこれまで必要性を感じなかった。 今回は垂直な氷壁登るわけでもないので、それほど派手に使用したわけではないが、確かにストックよりも安全性は確保できる、と言われればそんな気もする。まぁ慣れなければしょうがないけど。

・ロープの使用

森林限界のあたりから上では、パーティー6人がロープで数珠つなぎになって歩いた。積極的にロープをつたって登るわけではなく、何かあったときにかつらくを防ぐための安全策のようだ。
ロープにつながった全員が同時に移動するので、コンティニュアス歩行、通称コンテというらしい。より危険な箇所を通過するときには、一人ずつ移動し他の者は確保しながら尺取虫のように進む。それに対して連続移動ということでコンティニュアス。

はっきり言って歩きにくかった。というか気を使った。前の人と同じペースで歩かないと、ロープがたるんだり引っ張られたりする。周囲の景色に見とれたり、写真を撮ったりしている場合ではなくなる。
何があっても確実に歩けるような技術を身につければロープ無くても平気そうだから、そっちをさっさと身につけるべきなのかな。


赤岳頂上からの展望。申し分ない。

ガイド登山をどう利用するか。
ガイド登山を利用すれば、分からないこと、こうすれば良いのだという方法を教えてもらえるし、安全性が格段に高まる。持っていない道具を借りて、試すことができる。登山仲間もできる。
お金を払う価値はある。(ツアー会社が主催するような、採算重視で安全性度外視の、人数比が目茶目茶なやつは論外)

でも僕はやっぱり、ついて歩くよりも自分で判断して自分でリスク負って、止まりたいところで止まって歩きたいところを歩いたほうが面白いように思う。高い金払って他人に連れられるよりも、最終的には自分で勝手に行動していきたい。
その過程でガイドを頼むのは効率的だろうが、どの技術、知識を自分で習得して、どれを他人から教わったほうが良いのか。そのへんの判断の見極めはどうすれば良いのだろうね。
まぁ、ガイドさんたちも山好きで良心的なようで、営利目的以外でも相談に乗ってくれる感じはした。自分の考えしっかりと持って、あとは相談していけば良い、というのが結論だろうな。


星の写真集出しました。
このときのの写真使ってます。

リンク

山岳ガイド「風の谷」

赤岳天望荘

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