北アルプス 燕岳 つばくろだけ |
2005年 6月9日−6月10日 6月の山は行ったことがない。どんな様子だか見に行こう。 一人で行く場合は、決定が気軽だ。いきなり「明日行くぞ」とすることもできるし、出発直前の天気予報を見て、「やっぱりやーめた」ということだってできる。自由度が高い。 その反面、迷いが残りやすい。会社を休む連絡を入れた後だって、「本当に今日で良かったのだろうか」というような葛藤が残る。 中央線が甲府を過ぎ松本に近づくに連れ、その葛藤が確信へと変わっていく。空がどんどん晴れていく。八ヶ岳も甲斐駒もバッチリ見える。 穂高駅からバス。 中房温泉から登山道は始まる。 合戦小屋から上は雪が残っていた。道も歩きにくくなるが、アイゼンやスパッツをつけるほどでもない。 先程から荷上げ用のヘリがごうおんを立てている。こちらが雪に足をとられながら10歩も進む間に、合戦小屋から燕山荘の間を往復してしまう。やっぱり早いよなぁ。 燕山荘15時半着。受付を済ませ、燕岳を往復してきた。 今日の宿泊客は僕一人。夕食のときもマンツーマンで給仕を受けてしまった。 山の天気は変わりやすいというが、本当に目まぐるしく景色が変わる。 おもてのベンチで本を読んでいる間、1頁めくれば雲間から陽光がこぼれ、1頁めくれば槍が岳が隠され、カメラを構えればガスに囲まれ周囲が見えなくなり、かと思うと荘厳な夕焼けが現れる。 下界からならば雲が10m動いても景色に大きな変化はない。が、ここでは10m隣に雲がある。少しでも動けば世界がまるで変わってくる。 天気に関してはそこまで期待しておらず、槍が岳がちょっとでも見えればOK、夕日か朝日がなんとなくでも見えれば上出来くらいに思っていた。それが満天の星空にめぐり会えるとは!
雲界の上に槍が岳を初めとする北アルプスの峰々が顔を出し、星ぞらの前景として縁取っている。
風がまったくない。 しかし、その中でも一番ドラマチックな時間帯、朝焼け前の黎明のころを寝すごしてしまった。 一番撮っておきたいのはその1時間なのだが、晴れているうちに撮りたいものを撮っておこうというのもあって、どうも夜更かしをしてしまう。 前回の蓼科に続き2連敗。完全に徹夜するのも大変なのだから、もうちょっとペース配分を考えなくてはないかんな。 朝飯食べて下山。天気は下り坂らしいが、朝のこの時間はそんなことを感じさせない。夜の間は谷間に溜まっていた雲も消えていて、高い山は雲界の上にどこまでも見える。これなら絶対崩れる前に降りられる。 中房温泉は林道の終点、北アルプスの山の懐にこじんまりと広がる湯治場の一軒宿である。 構内にいくつも源泉が沸いているようだが、登山者の立ちより入浴はその中の一部が開放されている。(今年から開放したらしい) 見晴らしの良い半露天風呂で、ぬるぬるした泉質。何だか色々な効果がありそうだが、お湯がとても熱くて長湯できなかった。熱い源泉ならばありがたい、というわけでもない。 湯上がり後はやっぱり客一人のバスに乗って穂高駅まで行き、そこから呑み会の約束のある新橋へ。 5月の小笠原では海水浴ができたが、6月の北アルプスは雪が残っていた。 リンク付近の山:▲穂高岳地図上のアイコンをクリックすると、該当ページに移動します :登山記 :今日のごはん :自転車旅行記 |