3/5 ワナカ ロブロイ氷河

同室した3人の日本人の中に、僕と大変良く似た境遇の阪大の大学院生がいる。彼がどこからかロブロイ氷河はいいらしいということを聞いてきて、では僕もいっしょに行こうと、この居心地の良いホステルにもう一泊することにした。

ロブロイ氷河の起点まではバスで約1時間。この間の車窓からの風景は、相変わらず美しい。特に観光地に行く必要もなく、どの方向に30分車を走らせても、そこには油絵のような、あるいは車の宣伝に使われるような光景が広がっている。(実際使われることもあるらしい)
車窓の風景から目を引くものの一つに、ヒツジがある。ニュージーランドの人口より多いというあれである。ニュージーランドのヒツジは大まかにいって2種類に大別できる。
一つは食べているヒツジ。もう一つは寝ているヒツジ。
時折犬に追われているものや、道路をふさいでいるものもいるが、ほとんどの場合、足もとに広がる食料をむさぼっているか、その食料の上でねそべっているかだ。オオカミがいるわけでもないし、それで幸せに生きていけるのだろう。こんなものを見ながら生きているニュージーランド人だから、あんなにやさしくて気楽なのかもしれない。


例外的に行進している羊

ロブロイ氷河までは主に樹林帯の中を歩く。シダや苔類に囲まれた深い森である。空はすっきりとせず、ときおり雨がぱらついてくるがこの雰囲気にはマッチしている。深く息を吸い込むと、たしかに味というか香りがする。



2時間ほどで氷河展望地。いかつい岩壁の間から雪どけ水がほとばしっている。
この展望地にキーアという鳥がうろついている。大型のオウムという風情で、聞くところによるとテントを破って食料を盗んだり、ヒツジを殺してしまうこともあるらしい。不良のようにのそのそと歩き、目つきが悪い。緑色の羽の・には派手なラメ入りの羽を隠しているところや、ちょっとは愛敬があるところも不良のようだ。この国にも大胆不適な奴はいるようだ。

不良の目つき

夕飯。パスタを茹でて缶詰で味付け。この缶詰がスパゲッティ用のミートソースではなく、スパゲッティとミートソースだったため、マカロニのスパゲッティかけというシュールなものになってしまった。
マカロニのスパゲッティ風味

(3/7,2003 記)

写真集 No,3

Wanaka
3/1-3/5