West Macdonell ranges-2

ご存じのように北天には北極星がある。北極星のあたりを中心として、星は回転する。
その回転を打ち消し、星の写真を点像に写したいときは赤道儀を使うのだが、その中心軸合わせには北極星を使う。この作業を極軸合わせといい、これに誤差が有ると星が点像にならない。

南半球からは、北極星は見えない。北側の回転中心には北極星があって便利なのだが、南側の回転中心には明るい星が無い。このため極軸合わせがやりにくい。南十字星とエリダヌス座αの位置関係からやればいいみたいだが、やっぱり明るい星が無いと精度が出せない。
おおざっぱに合わせるなら、極軸を真南に向け、仰角をその場所の緯度にすれば良い。広角レンズで撮るならそれくらいで平気かなとも思っていた。
ところがここにも問題がある。真南は方位磁石見れば分かるは

ずだが、方位磁石は正確に真北、真南を指す訳ではない。磁石の北極、南極と回転中心の北極、南極は多少場所が違う。日本では、磁北と真北は約7度ずれている。オーストラリアでは5,6度、日本とは逆方向にずれてるみたいだ。
僕の時計に付いている電子式の方位磁石は、このずれを補正しているのか、あるいはどっかが磁化したのか、どうも正確な方位が出ていないようだ。


そんなわけで、星野写真は今イチな出来。ちょっと流れた。

このエレリークリークにはwater holeがあって、泳げる。
Water hole っていうのは、文字どおり水がたっぷり入った穴。日本語にすると池とか湖とかになるんだろうけど、こういう地形って日本に無いからな。ちょっとニュアンス違うかもしれない。

このあたりでは川はどこも干上がっていて、自然界に水の形として存在しているのは希だ。大雨の後にだけ各地が洪水になるらしい。この乾燥した土地に泳げるほどの水が有るのは驚きだが、断崖の割れ目かなんかに溜まっているらしく、深いところは水深10m以上あるらしい。

で、泳いでみた。アメンボとかカモなんかと一緒に。
かなり冷たい。水道水だってほとんど人肌なのに、毎日気温も40度くらいまで上がっているのに、この冷たさはなんでだろう。
潜ってみると、確かに深い。透明度は良くないから分からないが、岸からすぐのところでも3mくらいあっただろうか。
いや、気持ち良かったね。

近くにはwalking trackもある。荒野のまっただなかって感じ。
このあたりはララピンタ・トレイルっていう10日くらいかかる銃走路があるが、各パーキングエリアからその一部をつまみぐいできる散歩道が多くある。

昼ごろ移動。
西に100kmくらい、Omirston Gorge というところ。ここも泳げるWater holeがある。近くにノーザンテリトリー州の最高峰、Mt.sonerという両神山みたいな山がある。標高も同じくらいで、けっこう目を引く。

ガソリン入れに行ったり、昼寝したり、撮影の下見に行ったり。



食材の補給をしていないので、基本的に昨日と似たようなメニュー。
ユースで拾った誰かのお下がりクーラーとスーパーで手に入れた無料の氷3.5kgは優秀で、砂漠の2日間を耐えて僕に冷たいビールを供給してくれる。

野菜を切って焼く。思いついた順に、塩つけてつまみ、酒を飲む。
おいしくないはずが無い。

(2007/11/22)