8/19 20 ローマ散策

起床後、ローマへ向かう。ご存じのとおり、スリのメッカである。
ローマ中央駅前のネット喫茶(乱立している)で、ようやくにしてマルセイユから峠ごえの分の日記を更新する。前回の更新はフランス側の山麓にあるキャンプ場で行ったが、それ以降は山の中だったし、トリノでは強盗にはばまれ更新できなかった。

昼食後、宿を押さえる。テルミニ駅(中央駅)近くにある、特にこれといって特徴のないシングルの部屋。希望としてはロンリープラネットに載っている相部屋の宿にしたかったのだが、残念ながらそこは満員だった。これまでこの辛口のガイドブックの情報を頼りに何度か宿を探したが、ほぼ本に載っている通りだったと思う。良く書かれているところはたとえ断れたとしても、すごく丁寧に対応してくれたし、そこそこだというところはまぁ確かにそこそこだった。悪く書かれているところは行っていないので分からない。
一人旅で一人部屋、退屈ではあるが気軽ではある。

ローマの夏は暑い。これはコートダジュールのような暑さではなく、山を登っているようなときでもなく、東京の暑さに似ている。夜になっても涼しくならない。風が心地好くない。
ローマはアスファルトではなく石畳で覆われている、ところどころに噴水はあるという違いはあるが、車の廃棄ガスでほこりっぽい。何だか都会に着くと文句ばかり言っているな。

それほど美術館巡りなどに興味はないが、一人でホテルでゴロゴロしていたってつまらない。散歩にでも行こう。
古代史なんかはちょっと興味があるが、建物見るより本を読んだほうが面白い。なんとなくローマの雰囲気が感じられれば良い。どこかの広場の木陰で、ジェラード食いながら日記書いていれば気持ち良いだろう。

フランス、イタリアどこの町でもそうだったが、ヨーロッパは公園や広場など、休憩できるところが多いのがありがたい。
ちょと地図を見るため、スナックをつまむ、疲れたときなど、探さなくても一息つけるところに困らない。
水道もけっこう多い。しかもこれがかなり冷たく、顔を洗うと気持ちが良い。平和は無料ではなかったが、水は無料だった。

困るのはトイレ。何故だか、公衆トイレが少ない。あっても有料だったりするが、それでもないよりいい。
これは今回の旅を通じて、大変困った問題であった。ガイドブックには、多くの人はバーなどを使うとあるが、自転車漕いでると何故か結構頻繁に行きたくなり、そんな小便するためにいちいち行ってられないし、どうすれば良いのだろう。
昼食食べるときも、おいしそうなところよりもとにかくトイレ!ということが何度あったことか。トリノで自転車盗られたときも、そんな状態だった。

ローマの四条大橋
特に目的を持たずに散歩しても、どこかしら大きな神殿とオベリスクのある広場に出る。京都で歴史的な寺にぶつかるようなものか。これだけ大きなところなのだから、ローマでも一番有名なところなのではと思っても、地図に小さくのっているだけだったりする。夜なんか神殿がライトアップされ、闇の写真家安田悠としては見逃しがたいが、今更何をいってもしかたがない。
ローマでは非常に多くの人種が観光しており、日本人も多い。そんな有名なところだから、僕が書き加えることなんて特にないだろう。

何故だかしらないが、演劇に目覚めた夢を見る。歌劇に飛び入り参加して、あるいは素人なのに大抜擢されて、それなりに重要な役を与えられる。本番前の重要なリハーサルなのだがそこから参加しているらしくて、僕のアドリブから少しずつ脚本が書き加えられる。ネズミ6だか7だかという役柄で、確かネズミたちが自由を求めて旅に出るぞ、とかいう筋だった気がする。
終幕直前のナレーターを入れるところで目がさめた。
比較的はっきりと覚えている夢だったが、本当にいったい何なんだ。
まぁそんなことを話題にするくらい平和に終わった一日だったのかもしれない。



続く20日も、終日散歩&土産購入。起床後衝撃のトリノ敗退編を更新し、地下鉄のってバチカン方面へ向かった。
まぁ一人で観光地行ってキャーキャー言うわけでもなく、土産屋のぞいて、歩いて、ジェラード食う。

土産を買うのって難しい。幸いにしてそれほどたくさん土産を買わなくてはいけない義理があるわけではないが、一応買って置こうという人は何人かいる。
田舎の町で特産物はこれしかありません、でもこれはどこにも負けませんというものがあるならば話は簡単だが、ここはローマ、かつては世界の富を集めていたところだし、今でも牧畜を営んでいるわけでもない。でも世界中からいろいろなものが集まってくるというのは、東京だってそうなんだよな。
ブランド品の店ならたくさんあるようだが、ぼくにはその良し悪しはわからないし、第一東京でだって同じものが買えるだろう。
本来ならばこれまで通ってきた場所での特産品を買っていけば良かったのだろうが、もともと途中で荷物を重くするつもりはなかったし、荷物全部盗られちまったしなぁ。
観光客相手のお土産屋で、ローマと名前が入っているだけの役に立たないもの買っても邪魔になるだろうし、もうちょっとセンスの良いものを無理をすると、今度はヨーロッパ旅行からかけ離れてくる。
というわけで、食べ物に落ち着いてくることが多い。しかし酒呑みならワインとチーズで簡単だが、飲まない人となると面倒くさくなって、チョコあたりが最も無難、ということになるらしい。ジェラードあげられれば喜んでもらえるだろうが、溶けちまうしなぁ。

今回の僕が買った中では、趣向を凝らした蝋燭(パルテノン神殿のそばにある、キャンドルハウスというお店)なんかなかなか趣味が良いのではないかと思うが、どうだろう。他、イタリア語版ブラックジャック、イタリアとは関係ない写真集、ナスの漬物、調味料などを買った。
それらをかうだけで丸一日かかった。
普段の僕に似ず、今回の被害総額が莫大なことも忘れてちょっと買い過ぎだと思う。旅の記念なんて、もう十分すぎるほどあるのに。(顔にできたあざとか、これから買わなければならないものとか)

明日は日本へ向けて発つ。

(2004 8/19 20)