母島へ

本日は母島へ移動。船の時間までは、防波堤で釣りをする。
町の中心にある、青灯台のところでいつも誰かしら釣りをしている。釣れる魚は、カンパチ、シマアジ、アオムロなどの回遊魚、マダイ、その他オジサン(魚の名前)など小魚。アイッパラというのはソーダガツオのことなのだろうか。確かにいろいろな魚がいるし、大物もいる。が目茶区茶釣れるわけでもない。15分に1回くらい、5人ほどいるかご釣り師の誰かが釣りあげるくらいのペース。これも不思議なもので、変わりばんこに釣れるわけではなく、同じ人が釣れつづける。場所も餌もタナもそれほど変わらないとは思うのだが、何か魚にしかわからない違いがあるようだ。

さより

僕の番も一度は回ってきて、シマアジではなくサヨリが釣れた。結構タナは深いはずだが、そんなこともあるのだな。サヨリにしては良い型だが、それほどは引かない。とりあえず昼飯のおかずは確保された。
サヨリを刺し身にしてご飯を炊き、昼食。

13:30、母島丸出港。海はベタ凪だ。途中、クジラがジャンプしているのを見ることができた。

定刻どおり母島着。人工物は港の周りにちょっとあるだけの、のんびりしたところだ。
母島でもユースホステルに泊まる。この日の客層の年齢は父島のユースよりも高めで、落ち着いた感じだ。(一人中1の女の子一人旅というのもいたが) 島全体としても、父島は少しサークル的な雰囲気であったが、こちらは素朴なところで、僕としては母島の方が好みかもしれない。


夕日

夕食後、なんとカメの産卵を見ることができた。目の前の砂浜にカメの研究をしているところがあって、今夜は2頭産みにきている。
カメは大きい。時折フーッと荒い息を吐き、大変そうだ。産卵に集中しているため、かなり近づいても、フラッシュたいても、触っても大丈夫だということだ。
卵は産んだそばから研究員のお兄さんが広いあげる。数をかぞえ、あとでうめ直す。このお兄さんが色々と解説してくれるのだが、別に観光客向けの解説というわけではなく、例えば「カメなんて研究するものじゃないですよ、見て楽しむものだ」などといらんことまで言ってくれて、面白い。研究中、カメにつかまって泳いでいるときは楽しいなどといっていたが、確かにそれは楽しそうだ。
卵にも触らせてもらった。殻が柔らかく、触るとへっこんでしまう。砂のついたピンポン玉というかんじで、重いような、軽いような、ちょっと安っぽいんだか尊いんだかわからないが、実物を手にしてはへぇーなどと、とりあえず納得の声をあげるより他ない。
カメの研究やってるところなどそう多くはないだろうと思っていたが、どうも東大生らしい。何だかカメの解説をしてくれた方々の浮世離れした雰囲気も、産卵に負けず劣らず面白かった。

(2004 5/2)


自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ