3/16 クライストチャーチへ

昨夜の夜空は雲が多くて写真撮影にはてこずったが、月光に照らされた薄雲がきれいだった。
その雲が増えていき、朝は曇り。日の出も見ずにお休み。

午前中はゆっくりと日記を書いて、昼食後下山。すべての荷物を背負い、さらにこの急坂で骨が折れる。下に着くと、同宿した3人の医者が待っていてくれて駅まで車で(車内はサンドフライで満ちあふれていた)送ってもらった。

当初は歩いて行こうかと思っていたオティラの駅。
駅員もいない。乗客もいない。付近には昨日ビールを呑んだ汚いホテルがあるだけだ。
ここのホームで待つこと2時間。予定時刻の15分後になっても電車がこない。一昨日はほぼ定刻どおり走っていたし、本日でサマータイムが終わり、何かそれで間違えてしまったのではないかと心配になる。
が、まぁちゃんと来た。この駅から乗る人は僕一人で、降りる人もいない。つまり、僕だけのためにこの列車は停車したことになる。

先日はスピード感がないなどと書いてしまったが、それは大きな過ちだった。
この列車の真髄は、過激な展望車両にあった!
列車の最後尾に吹きぬけの車両がくっついていて、これがもうすごい。
手すりはついているのだが、しっかり捕まっていないと振り落とされそうになる。手を伸ばせば線路脇の木々に届くし、身を乗り出せば「世界の車窓から」の大展望だ。
列車は峠を越えて加速されていく。
山岳、渓谷、平原、牧場とニュージーランドの風景の中を走っていく。トンネルに入ればススにつつまれ、それはそれで楽しい。世界6大展望列車みたいな賞をとったというが、大いにうなずける。

そういえばこの列車の料金払ってないぞ。

(3/17,2003 記)