3/8 海・山・森・小屋

一晩泊まるということは、その場所で朝を迎えるということだ。
一晩泊まるということは、大きな時間的余裕をもてるということだ。
この世界遺産のフィヨルドの入り江で朝を迎え、そこで悠々とした時を過ごせるのは大変贅沢なことだと思う。勢いに任せて申し込んだが、オーバーナイトクルーズにきて良かった。


早朝、デッキへ出て星を見ていると、昨日のイスラエル人のお兄ちゃんも出てきた。彼も写真をとるのが好きなようで、キャノンの一眼レフを抱えている。星の写真の取り方を教えたところ、大変喜んでいた。良いことをしたと思う。

朝の冷たい空気の中、もう一周クルーズをする。太陽の角度が刻々と変わる時間にこの景色を見られるというのは素晴らしいと思う。


キーアの撮影会

今日の後半は山登り。我々二人は途中のディバイドでバスを降り、まずはキーサミットを目指す。グレイトウォーク(百名山みたいのものか)の中でも人気のコース、ルートバーントラックの入り口にある絶好の展望台だ。1時間程度の歩きで着いてしまうが、大変気持ちがいい。この場所で日没と星、朝日をみたらすごいことになりそうだ。

キーサミットから

ホーデンハットでルートバーンと道を分け、我々はグリーンストーントラックを行く。ここからは静かな樹林帯のコースだ。苔とシダ類の支配する世界で、土の露出しているところはほとんどない。日本ではこういう雰囲気のところは歩いたことがない。

グリーンストーントラック

途中、何度も小川の渡渉があり、靴が濡れる。今度は見晴らしのいい湿原に出て靴が濡れる。グリーンストーントラックの案内を読むと「ルートバーンの帰り道」とか「マスがたくさんいる」とか、あまり肯定的なものは見なかったが、この地域の道が初めての我々には十分魅力的だ。

途中、一度だけ人にすれ違い、本日の宿、マッケラーハットに到着。小川と小さな草原の中に・る、気持ちの良いところだ。今日の宿泊者は10名程度、ワーデン(小屋番)の兄ちゃんもいる。
ようやく念願のハット滞在がかなったわけだが、噂に違わず清潔で居心地の良いところだ。

まだ日は高い。体は程よく疲労し、特にやることもない。足を清流で冷やし、ただぼーっと時を過ごす。気持ちいいなぁ。

(3/9 2003 記)