出発まで前回の三浦半島旅行で自信をつけて、いよいよ空の続く限り、地の果てるまで行ってやろうということになる。 こういう長期旅行をする場合、一番問題になるのは何よりも時間を作ることだと思うが、この時の僕はバイトもなく、こなさなければならない雑事も随分少なかった。 夏休みが始まるのは7月20日ごろからで、最初の週はゼミがあった。 ここからちょっと暗い話が始まる。 とりはかわいい。放し飼い状態になっていたとりは、呼ぶと飛んでくるし呼ばなくても飛んでくる。 当時、我が家は母が一夏入院、父は資格取得のため勉強、姉は新入社員で研修という状況だった。つまり僕はとりと蜜月の生活を送ることになる。 7月の終わりごろだった。小学校からの親友のライブに誘われ、期限ぎりぎりに迫ったレポートをあわてて作成し、慌ただしく出発する。 お昼ごろ眼を覚ます。そして気付く。どこを探してもとりがいない! 旅のテーマが「どこまでも行くぞ日本海」から「日本海センチメンタルジャーニー」になってしまった、というお話でした。 2001年6月〜12月 記 |