出発

いつもより少し早めに起き、いつもと同じように朝食を食べる。いつもとそれほど変わらない格好で、いつもと同じように自転車で寮を出る。荷物の量も、いつもよりちょっと多い程度だ。(大部分は宅配便で送った。)
これから向かうのが、多摩川の川べりにあるオフィスではなく、地球の反対側だということはちょっと現実感がない。それどころか、今日から始まるのが普通の週末ではなく、夏休みだということさえ頭でしかわからない。(僕の会社の夏休みは多分あなたのところよりは長いぞ!ざまぁみろ。)体で認識できるのは、このままバスに乗っていけばとりあえず成田までは着き、手続きをしなければなぁ、という程度だ。

今回の旅の大きな不安材料の一つに、自転車をどうやって運ぶか、というのがあったが、とりあえず成田までは何の問題もなさそうだ。寮から十数分こいで横浜駅のYCAT(シティエアターミナル)へ。そこで前輪はずして、輪行袋に入れる。そのままバスに預けてしまえば良い。成田まで乗り替えなしで連れていってくれるので楽だ。
おぉ、アクアラインに入っていくぞ。

もう一つの大きな問題として、初日の宿がある。今回はIBN(International Booking Network)というのを利用して、にー巣のユースホステルを予約した。数日前まで満室だったようで、その場合は空港そばのキャンプ場を探そうかと思っていた。しかしキャンセル料が発生する直前に空室が出るというのは洋の東西を問わないようだ。
しかしこれで安心かというと、それは行ってみなければわからない。空港からユースホステルまでは遠いようで、それまでのアクセスを考えなくてはならないし、安全面から言ってもどちらが良いかはわからない。町中のホテルに泊まるより、田舎のキャンプ場のほうが人も少ない分安全なのではないかと予想する。
しかし、何しろ行ってみなければわからない。景色はよさそうなのが楽しみだ。

9時、チバラギ国際空港到着。横浜から90分。
予想はしていたが、それほどスムーズに手続きは進まなかった。人があまりやろうとしないことをやっているのかもしれない。
自転車、テント、カメラなどをすべて預けようとすると40kg。預ける荷物はエコノミーで23kgまでだが、14kgオーバーで計算しても超過料金は10万円弱だという。高額なチケット代を払った上にそんな金までとられては割に合わない。結局荷物の一部を持ち込み荷物(12kgまで)として運ぶということで、事なきをえた。

とにかく、目の前のことを一つずつ処理していく。フライトまであと30分。

(2004 8/7)