旅人の朝も早いが、漁港の朝も早い。市場らしき建物は慌ただしく朝を迎えている。やや、変なにいちゃんが寝ているぞ。人々はそんな眼で僕を見ているのでさっさと出発することにした。
砂浜で朝飯を食べ、昨日きた道をひたすらもどる。湯河原からは再び寝袋を探す。
小田原の手前の防波堤で休憩。数人の釣り人がいるが全然連れてる気配がない。あぁ良い天気だ。みかんの実る岡の上を電車が走る。てらさえた防波堤にて昼寝をする。
国道1号を東進するが依然として寝袋は見つからないまま大磯を過ぎてしまった。
そして遠大な湘南海岸を江の島目指して漕いでいく。
平塚のあたりから自転車道が始まった。海際のサイクリングロードは珍しくないが、砂浜ぞいだと砂で埋まってしまう。しかしここはきちんと整備をしているようだ。
サーファーが多い。ほとんどの自転車にはボードを乗せるための金具がついていた。
江の島でサンマの丸干し、カラムーチョを肴に発泡酒を呑む。
ここからはただこぐだけだった。
藤沢のあたりで日が暮れる。このあたりは街灯が多く、 日が暮れても移動可能だ。
どうして神奈川はこんなにでこぼこしてるのだろう。見知らぬ道の暗闇の中で、ただペダルを踏みつづける。
午後9時半、きぬた公園につく。ここまでくれば坂はない。よく知った道だ。環８でラーメンを食べ、疲労こんぱいして家についたのは11時くらいだった。
2001年4月21日 記