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自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ

8月25日

行程

双海-保内-三崎-佐田岬


8/25:黄色 全体図


本日の目標。
九州行って風呂に入る。

この先のコースでは銭湯や日帰り温泉はなさそうだ。風呂に入るには九州まで行く必要がある。海を渡ってしまえば、別府や由布院をはじめ、銭湯だってみつかるだろう。

7時に出発し、国道378号、夕やけ小やけラインを走る。 アップダウンが少なく、目標物が少ない。こういう道では距離を稼げる。 左手は山、右手は海の土地は狭いながらも開放的なところだ。
丘の中腹を電車が走っている。

トンネルを抜け保内町に入ると佐田半島が始まる。この時点で10時前。順調だ。
佐田半島は四国の左端に、ヘビのようにつき出た半島だ。 幼いころ日本地図を見て何か不自然なものを感じたが、日本一細長い半島ということである。
細長いということは平らであるはずがない。山脈が海に没したと考えるのがよろしい。地図では読み取れない細かいアップダウンが続く。 尾根上の国道からは時折航空写真のように小さな港の集落が見える。

道の駅で休憩後(じゃこ天おいしかった)、今度は海ぞいの道へ降りてみた。 アップダウンがなくなるかというとそうでもなく、細かいが結構急な登りが続いて消耗するが、車が通らないとこうも静かなものか。
聞こえるのはセミとカラスの声ばかり。行きかうのも農家のおばちゃんのみである。小さな集落を結ぶみかん畑の道。 左手には透明な青緑色の海。景色が自転車の速度で変わる。

下るのはあっという間だが、登りはきつい。時間的には登りに費やすほうが圧倒的に多い。 その間では何を考えるかというと、次の休憩のことを考える。好きこのんで自転車旅行に出ているのに、休むことを考える。
海で泳ごう、ビールを呑もう、ラーメンを食べよう。


こんな地形が続きます。

ビールは飲まなかったが、海に飛び込んだ。 白砂と砂利の透明な海。ほとんど人影はない。
冷たい。体が一気に冷やされる。水深は2m強で、ベラやアジが泳いでいる。 ウニを採ったが、あまり食べるところはなかった。


ちょうど夕ぐれで、海に夕日がながぼそくうつって道みたいに光っていた。
ぼくはなんとなく神様は
この山の上にいるのじゃなくて、
あの道をずっと歩いてゆけばいるのじゃないかと思った。
(西原理恵子 ぼくんち)

この道をずっと行けばとりあえず九州には行ける

なぜ自転車で旅をするのかと問われれば、道が続いているからと答える。
その道がなくなった。そこが佐田岬の駐車場。

日はもう沈んだ。どうも温泉は無理なようだ。 地図によればここにキャンプ場があるのだが、実際にみてみるとそこは山道の先。 段差はないため自転車押していくことは不可能ではないが、少し標高差もあるため相当きつそうだ。
しかたなく駐車場の脇のスペースにテントをはる。 てんと300円と書いてあるが、誰もいないから無料なのだろう。

(2002年8月26日 記)

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本日の走行距離 97.22km
使用金額 330円
(うちわけ 食費 330円)


本日の写真


朝は曇りがち

登って下って

登って下って…

青い海と定置網

みかんを運ぶ機械が目をひく
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