到着

12時、荒天のため定刻より30分ほど遅れて父島、二見港着。
南の島の雰囲気だ。出迎えにきているユースホステルの人に案内をされ、一通りの説明を受ける。

今日は別に予定もない。予定はないが自転車はある。とりあえずどこかへいって、暑くなったら素潜りでもするか。
まぁしかしきれいな海だ。昨日の日記には安易に「夢のような島」と書いてしまったが、確かにそのような光景が広がっている。
僕は多分、かなり多くの自然美を見てきていると思う。で、どこも大変きれいだったのだが、どこをあらわすのにも「美しかった」「絵はがきのようだった」と書いてしまって良いのだろうかと思う。小笠原には小笠原固有の自然の美しさをあらわす「XXXX」という言葉があれば便利なのだが。

境浦、扇浦というプライベートビーチみたいなところを回る。あの沈船のところまで泳いでみたい。
だが、実は今日は泳ぐほどは暑くない。泳ぐのは明日以降でいいや。
で、今日は島一周をしてみる。一周といっても道路は島中にある訳ではなく、実状は半周程度の小周りだ。海側の道と、山側の道で一周。山側には、父島最高峰の山がある。太平洋の真ん中の島ということで起伏は激しく、道の雰囲気は佐田岬半島や西伊豆のリアス式海岸に似ている。こういう道ってきついけど楽しい。登りと下りの差が激しい。エンヤコーラと登りつめて展望を楽しみ、下りはだーっと転がり落ちる。ついさっきはあんな上にいたのに、もうここまで来ちまったよという感覚を味わえる。

もう一つ登って、ウェザーステーションという展望地に出る。ここではクジラを見物にきている人が多くいる。人々の指さす方向を眺めてみたが、僕にはどれがクジラでどれが岩だか判別つかなかった。

何かアレだよな。やっぱりこういうところって良いよな。皆が楽しむためにきていて、人々は初対面のときから友好的で、宿のシャワーを浴び、旅の生活に戻ってきたなぁと実感した。
ここのユースホステルはミーティング制度が未だに残っている。そこで色々と観光案内が聞けて、一人旅でも人数を集めるのに便利だ。
ご飯がおいしかった。

(2004 4/29)


自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ