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ミルフォードの小さな集落の立派な港からクルーズが始まる。
乗客は50人前後だろうか。その中に、おそらく10程度の国籍が含まれている。日本人は僕と大阪の院生を含め4人で、我々の他に2人の女の子がいた。
船はフィヨルドの入り江を外海に向かって進む。天気は快晴。この地は降水量が多く年間の25%ほどしか晴れないとのことだが、やはり晴男なのかもしれない。雨の日には数千ものも滝が出現してそれも素晴らしいというが、晴れていて悪いはずがない。中国の山水画が似合うような、それでいて西洋風のような、そんな景色の中を進む。デッキで滝を見たり雪山を見たり、気持ちがいい。
船外の景観は世界有数のものだが、船内の雰囲気もそれに負けず劣らず素晴らしい。
50人の乗客は国籍は違えど、ニュージーランドを旅行しているという点では一致している。要するに余裕のある人々である。(いろいろな国の人がいるが、すべて南北問題の北側の人だというのも事実)得することよりも楽しむことを優先的に考える人々で、皆友好的で親切だ。クルーズだとお高く考える必要もなく、一人旅でもバカンスでもこれまでに行った場所、これから行く場所、自分の生まれたところなどに話を弾ませている。それぞれがまったく異なる背景を持っているので、たとえば「ミルフォードサウンド ナイトクルーズ殺人事件」なるものが存在したら、いろいろ複雑になって面白いかと思う。
スタッフも場を盛りあげるのに長けていて、この雰囲気を作る起動力となっている。
外海を覗いて、静かな入り江に鋲舶する。夕食まではここでカヤックができる。
直進性が強く、結構簡単に進めておもしろい。だがここで閉口したのは、例のサンドフライ。ニュージーランドの動物でもっとも有害だというアブの一種だ。僕は結構耐性を持っているようで聞くほどかゆくはなかったのだが、油断しているとまずい。両腕はオールを持っているので払いのけることができない。刺されたい放題。餌食である。右腕、左腕、顔にそれぞれ2桁の被害を受けた。
ディナーはローストビーフ。久しぶりに今日のメニューや賞味期限を考えないですんだ。
船内は相変わらず友好的な雰囲気だ。もっとも僕のテーブルは船内で最小人数で、あまり愛想のない日本人である僕と、こちらも社交的というよりは思慮深そうなイスラエル人の2人で、もっともパーティーらしからぬ雰囲気ではあったが。なんかこういうポジションに着くのが得意だ。
彼に対してメイドインジャパンの素晴らしさを力説し、その後バックギャモンで仕返しをされた。
ニュージーランドの遅い日が暮れると、やっぱり星を見に行く。船員がいろいろ解説をしている。写真もとったが、固定してあるとはいえ船の上だからちゃんと写ってはいないだろう。
(3/8,2003 記)
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