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2013/10/22(火)


朝食に味噌汁の出るすばらしさ

宿の奥さんによると、春先の天候は変わりやすいらしく、嵐が来たり晴れ間が来たり。
昨夜の嵐は一晩で収まり、雲が千切れ白い山が現れてくるのを見ながら目を覚ました。これで天候は回復してくるかもしれないとのこと。


宿から。景色も良い閑静な住宅地、というロケーション


ワナカも町の中心がレイクビュー

ニュージーランドには、ちょうど日本百名山と同じよう位置づけの、グレートウォークという登山コースがある。 このフィヨルドランドには、その中の3つ、ミルフォードトラック、ルートバーントラック、ケプラートラックというのがあり、どれも人気が高い。

このコースは勝手に歩くわけにはいかず、予約制が敷かれていて面倒くさい。
特にミルフォードトラックは、「世界最高の散歩道」とかいう評判がある一方、一日の人数制限が厳格だったり、歩く方向も決められていたり、スタートもゴールも水路でアクセスするので、船の手配も必要と、ハードルがたくさんある。

人気がありすぎて予約の手間が面倒なので、計画段階では僕はあまり視野に入れていなかったが、どうも妻は行きたい要望が強いらしい。苔好きの彼女としては、苔むした森の美しさが魅力のミルフォードトラックは見過ごすわけにはいかないようだ。

「事前予約が既に満員なので行けるわけがない」「赤子で山小屋は大変だろう」と断言してしまえれば楽なのだが、実は今はかなり微妙な時期。山開きの直前で、予約しなくても歩ける期間だし、コース上にはガイド登山用のシャワー完備の山小屋もある。 観光ガイドをちょっと見た程度では分からなかったので、DOC行って聞いてみたり、ネットやロンリープラネットで何点か調べてみた。ということで、そういうことを検索中の人のために、メモを残しておこう。


●オフシーズンでもルートバーン・ミルフォードトラックに行けるか?
→可能。
山小屋の予約が不要になり、価格も安くなるので狙い目。トラックはそこまで標高上げるわけでもないし、もともと積雪はあまり心配していなかったが。コース自体は開いている。

●登山ガイドを頼まずに、ガイド登山用の小屋に宿泊することは可能か?
→不可能。
ガイド登山用の高級ロッジと一般用の山小屋は並んで建っており、階級社会を感じることができる。 特に難しいコースでもないし、ガイド登山の必要性は感じないが、シャワーのある部屋泊まりたいって言っても、そういう小回りの利いたサービスはやっていない。 高級ロッジに泊まるには、旅行全体の価格を倍増させる程度の大枚をはたく必要があるし、そもそもガイド登山もシーズン始まっていない。 まぁドル箱なんだろう。

●ルートバーントラックを1泊もしくは日帰りで部分的に歩くことは可能か
→可能。 もともとこのコースは、山脈を越えて入口と出口がまったく違う地域になるので、半分ずつ歩く人も多いらしい。 オフシーズンで山小屋の価格も安い。我々が歩く分にも特に障害は無さそうだ。あとは天候しだい。 小屋に、一部提供されない設備もあるようだが、後日見たところ普通に快適そうだった。

●ミルフォードトラックを1泊もしくは日帰りで部分的に歩くことは可能か
→条件によっては可能。 山小屋に1泊すること自体は問題なさそうだし、オフシーズンは歩く方向も特に決められていなそうだ。 面倒なのは入口・出口の船の手配だが、冬の間はトラックネットという地元の交通会社が一手に引き受けているようで、この会社に相談してみろとのこと。この会社は入口・出口までのバス、船を全部セットにしたMilford Track Winter Packというのをやっている。多分これに同乗させてもらうのだろう。 したがって、 ・テアナウダウンズまで自分の車(もしくはバス)で移動 ・トラックネット社の船で入口まで乗せてもらう ・歩いて山小屋で1泊 ・翌日、入口まで戻る ・トラックネット社の船でテアナウダウンまで戻る という方法が、二日連続で船が出るならば可能となりそうだし、出口でも同じような方法がとれそうだ。出口側は、カヤックのレンタルがあるようなので、そこに相談すれば日帰りコースも可能かもしれない。

陸路でスタート地点まで歩く道も地図に載っているのを見つけたが、「ルート」と記載されている。たぶんあまり整備されない道だろうから、慣れている人じゃないと大変なんだと思う。


我々の可能性としては、ルートバーントラックの1泊(もしくは日帰り)往復コースが一番良さそうだ、というあたりが前日までに分かったこと。
妻は一番人気のミルフォードを歩いて森の雰囲気を楽しみたいようだが、日程的にも天候的にもちょっとハードルが高い。 確かに、シーズン直前のミルフォードトラックというのは歩くにはいい機会ではあるが、今回の日程では、天候待ちとか交通の手配しているうちに時間切れになりそうだ。

ルートバーントラックの山小屋で1泊するには、
・天候
・寝袋のレンタル
・山小屋のチケット
をそろえる必要がある。

天気予報よりも天候の回復が早いようで、ワナカを後にすると青空の下でのドライブ。この先も天気は変わりやすいようで、明日の好天のあとはまた崩れる予報。今日明日がチャンスだ。


クイーンズタウンも景色の良い町だ。一言でいえばNZ南島の軽井沢的なところ。

寝袋のレンタルは、クイーンズタウンの山岳ツアー会社で可能。そんなに高くもない。小屋泊まりの装備を準部するハードルはクリア。

あとは山小屋のチケット。クイーンズタウンのDOCで聞いてみると、担当のお姉さんに「赤子が泣くと迷惑だからやめとけ」と諭された。禁止はしないがお勧めはしないとのこと。

そう言われると強く主張はできない。山小屋泊まりは諦めよう。
これまでの色々な懸念も、「案ずるより産むがやすし」との言葉通り、案外けろっとしている我が娘だから、山小屋もあっさり泊まれてしまう気もする。このあたりは、担当者の判断でそれぞれだとは思うが、断られたなら断られたで、気は楽だ。 荷物も軽くなるし。他人に言われれば、妻だって納得せざるを得ないだろう。(実際、赤子連れで泊まった人も居たようだったが)

その場合は第2プラン。
もともと縦走する気はないし、スタート付近の宿に泊まれば丸一日、1泊プランと遜色ない程度に歩ける。今日は手頃な日帰りコースを歩けばよい。

ルートバーンの入口近くにはグレノーキーという集落があり、宿も何件かある。そのほか、入口を通り過ぎたkinlochというところにも1軒宿がある。このあたりに連泊すれば、山歩きは十分楽しめるだろう。


この、グレーノーキー周辺、ワカティプ湖の先端のあたりが本当に景色が良い。
深く澄んだ湖の両岸に白い峰々が切り立っている。

宿はやっぱりKinlochの一軒宿を確保。こういう山小屋のような人里離れたロケーションが僕の好みだ。
Kinlochはなんと発音するのだろう。英語的に発音すればキンロック?キンロッチ? ロケーション的には、ドイツ語っぽくキンロッホと呼んだほうが、スイスみたいでこの地にふさわしいと思う。

今日の日帰りルートとして、グリーンストーントラックの一部を歩いてみることにした。
グリーンストーントラックは付近の人気コースに埋もれた2泊程度で歩くコースだが、10年前に来たときに西側の1泊分のコースを歩き、苔の森が美しかった印象がある。その東側の出口を歩く。


グリーンストーン川に沿ったトラック


が、この選択はどうも失敗だったな。 水量の多い川の下流側に沿った道なので、やや道が高巻きぎみに離れている。まぁ何というか、森の中のそれほど特徴のない普通の登山道。苔もそれなりに生え、きれいと言えばきれいだが、確かに日本でも沢筋の登山道なら見つかる程度だ。 日帰りでは特に目的地も無いので、2時間ほど適当に歩いたら戻ってくるつもりだったが、半分ほどの時間で切り上げた。 やはり、日帰りの時間しかないときはデイウォークを歩くべきだし、三日かけて歩くコースは、その日程かけないと面白いところは歩けない。このコースも、テアナウ側の上流のほうの湖の近くなんかは、かなりきれいだったような記憶があるのだが。


それなりに魅力もあるのだが


歩きはさておき、運転が大変だった。
宿から登山口まで、距離は短いのだが、3〜4回ほど小川の渡渉がある。
日産サニー大健闘。4WD車じゃないのに。

鴨もヒツジも子育ての季節。
生まれたてのヒツジは、走っているだけで「お母さんお母さん」と声が聞こえるようだ。


ちょっと消化不良なので、近隣の簡単なデイウォークを歩いてみよう。日はだいぶ長いので、短いところなら歩けないこともない。クイーンズタウンのDOCでもらってきたリーフレットを頼りに、シルバン湖ウォークというのに行ってみる。

こちらは大正解で、森の大変美しい散歩道だ。雨上がりで道はぬかるんでいるが、付近の滝や川から滴り落ちた水で、木々は苔に包まれている。屋久島や白神山地並には美しいと、妻から合格点をいただく。


とりあえずフォローに成功。




最後に着くシルバン湖も、「ゴール」という感じがする。

貴重な晴れ間を生かすべく、食材は補給せずにハイキングに時間を費やした。 ということで、マウントクック行くときに買いためた食糧の片づけ。
登山にだいぶ時間を費やしてしまって大変疲れたし、スパゲッティとか鮭の燻製とか、手軽に作れるもので夕食とした。

Kinlochロッジは、これまた景色の良いロケーション。そしてなんと、展望露天風呂がある。
ニュージーランドでは普通湯船につかる風習はないようだが、ときおりスパプールという名称の湯船があることがある。 身体を洗う場ではないようで、水着を着てプールのように入る。

湖の向こうの山並みに沈む夕日を見ながら、各国の旅行者に交じって五右衛門風呂のような湯船で、ハイキングの疲れをいやす。
この宿もなんだか濃い旅行者が溜まるのか、ヨーロッパ各国から来ている6、7人の旅行者たちは、ずいぶんとこの宿に長逗留をしているようだ。この宿に数か月、長い人だと1年以上滞在しているというが、客なのかヘルパーになっているのか。それぞれ違う国から来ているようだが、仲も良いようではあった。


ハイキング中、娘はほとんど眠っているから、寝かしつけには苦労したようだ。

2013/10/23(水)

満を持して、ルートバーントラックのトランピング。
詳細はヤマレコに書いたので、そちらを参照されたし。

ヤマレコ ルートバーントラック

ニュージーランド航空のへんな機内放送のロケ地だ。



大きな地図で見る

ルートバーントラックの入口から出口まで車で移動すると、350kmくらい。 ニュージーランドの道路はトンネルや橋をあまり作らないので、これが最短の車道。
確かにグリーンストーントラックあたりを使って、周遊して帰りたくもなる。


やっぱり今日も11時間行動。お疲れ様でした。

ため込んでいた食材をかなり片づける。
昨日食堂でたむろしていた常連さんたちは、今夜は併設のバーのほうへ行ったようだ。我々も食後にちょっと顔出してみようかと思ったころには閉店していたが。

娘の寝かしつけは、覚悟していたほど大変ではなかった。


テーブルの柄が付近の地形図となっている。

2013/10/24(木)

この旅行の最終ステージとなるフィヨルドランドの玄関口、テアナウまで移動。
もうだいぶ娘を眠らせてドライブできるようになってきた。 昼飯はグレノーキーのカフェで買った外国風チョコレートケーキと、クイーンズタウンの美味しいパン屋さんで買ったサンドを車内で食べる。


天候は思ったよりも良い。 クイーンズタウンのまわり、ワカティプ湖も風光絶佳だ。

ニュージーランドの観光の目玉、世界遺産フィヨルドランドの拠点となるこの町も、観光シーズン開幕前夜という感じで、宿はそんなに混んでいない。
今日は別にレイクビューじゃなくてもいいやということで値段優先で探したが、とっても広いモーテルが120$だったのでそこにした。

昨日の疲れもあり、今日は中距離ドライブ以外はだらっと過ごそう。
テアナウって町の近くに簡単なショートウォークがあるわけでもないし、天候も良いわけでもない。

久しぶりにスーパーで買い物。ステーキ焼いてワインを飲もう。


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