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2010/4/17(土)

井上みちこ写真展。宴会の料理係として駆り出されたので、朝からひたすら料理。
料理のコンセプトは、ワインに合う、冷めても美味しい、材料費のかからないというもの。

僕は、主に燻製を作った。食材は砂肝、豚タン、鮭、ゆで卵。砂肝は串刺しにすると作業効率が上がった。
台所で、そのへんのナベを使って作っている。熱燻という手法だが、それなりに風味は増す。 気軽にできるものの、鍋を洗うのが面倒臭い。どこかでいっと缶拾ってきて、燻製機作ってみよう。

出張コックをやらせたら非常に頼りになる我が恋人は、豚肉の煮込み、ジャガイモの付け合わせ、アンチョビのソース、レバーペーストなんかを作っていた。

夕方、写真店会場に到着。
先週末に偵察にきた時は用具置き場のような空気があったが、ちゃんと立派な会場になっている。 ジャズの歌声が聞こえてきたりして、素敵な休日の午後を演出している。

彼女の人柄がよくあらわれているイベントだったと思う。
作品を画用紙に印刷していることを特徴としていて、女性的なパステル調の写真とよくマッチしている。 僕の思い出にも残っている場面も何点か出展されていて、懐かしかった。

会場は昭和の雰囲気を煮詰めたかのようなところで、つげ義春の作品から取り出したかのようなところだ。そこに、作品が並び、ワインや紅茶が並ぶ中で彼女の知人たちが和んでいる、素敵な空間になっている。写真展は、一番の目的は写真作品を展示することだろうが、全体の雰囲気も含めて表現できていないと、良いイベントとは言えないと思うが、そのあたりが素晴らしい。

彼女は不思議な人徳をもつ人で、周囲の人によってたかって世話をされてしまうようなところがある。 真面目で素直な頑張りやさんで、一見しっかりしているようなのに、途方もなく抜けている。
生ライブもワイン選びも、友人たちがそんな彼女のために一肌脱いだようだが、そういうのも含めて彼女の力だ。他の誰のものでもない彼女の特長をよく生かせた、素敵なイベントだったと思う。

写真展のパーティ。
顔が広く、後先考えずに誰でも誘ってしまったようで、会場は大混雑。まぁ、彼女の主催するパーティのいつものパターンだ。

元同居人の妻、僕の恋人、それに僕の3人が料理当番だったが、彼女たち二人が良く働いたので僕は少し鉄だったくらい。料理はおおむね好評で、余ることもなかったし不足した感じもなく、お役目を果たせたのではないかと思う。

参加者の中にマンガ家がいて、生の原稿を見せてもらった。

2010/4/18(日)

午前中は寝て過ごす。そんなの勿体ないと、青空は主張してくる。
好天の日曜。昼ごはんは外で食おう。川原まで徒歩30秒の立地条件を生かし、ソーメン炒めたフライパンをもってインスタントピクニック。

久しぶりにやったが、たいへん気持ちが良い。是非またやろう。これからの季節、気軽に利用しよう。夏になれば、蚊遣りとビールをもって夜も良いだろう。

水辺の散歩はおもしろい。ワンドをのぞくと、将来は大魚になるのか、小さいままなのか分からぬが、今はとにかくゴミのように小さな稚魚たちが泳いでおり、その上ではアメンボが三角関係と横恋慕を繰り広げている。
僕が育ったのは都市近郊の住宅地で、ところどころに残された畑や空き地にいるバッタやトカゲが遊び相手だったが、水辺だともっと色んな生き物がいるよな。

大丸で日本酒フェアがやっているのを聞き、飲みに行った。
全国から20軒ほどの酒造が集まり、自慢の酒を飲み比べすることができる。それぞれのブースでの試飲と、それとは別に有料のバーがあって、さらに上のクラスのお酒を一杯数百円で楽しめる。

まずは無料コーナーの3割ほどを回る。いろんなお酒があって、それぞれ味が違う。僕の好みはこんなのかななどと片っ端から飲んでいると、だんだん酒も回ってくる。

有料のバーのほうで飲んだのは、一口ではっきりと差がある、とてもおいしいものだった。最高級クラスらしい。最初に飲んだ二つ、開運大吟醸と大観限定大吟醸が特においしかった。

ワイングラスというのは、非常に機能的なデザインなのだな。
ワインが空気と接触する面積を増やす。それが胴の太い部分。気化した香りを逃さぬように包み、ワインを飲む時にちょうどその香りが鼻孔に届くように開口側の直径も決められている。 掴んだ時に体温がワインに伝わらないよう、首を長くしている。
この優れた形状は日本酒を飲むときにも有効だった。ワイングラスも買っておかないとな。

別の会ではワインフェアをやっていて、そちらのほうが賑わっていた。
何カ所かまわったところ、スペインの輸入コーナーにいたお姉さんの話がワインへの愛に溢れていたので、1本購入。

ワインも美味かったが、日本酒の方がお買い得な気がする。営業力はワインの方があるようだ。日本酒の方は黙して語らず、みたいな感じだったが、そういうのも日本酒の認知度が低い一因だろうか。

ワインフェアで買った赤ワイン、デパートで買ったパンとチーズ。 肉はデパートでは高かったので、近所のスーパーで。
赤ワインもうまいが、確かに料理を選ぶところはある。

2010/4/19(月)


充実した日常とはどんなものか。
答えは簡単で、自転車通勤ができるのは間違いなく充実した生活だ。

チャリンコこいで会社に行けるのは随分久しぶりになるが、改めてその素晴らしさを認識した。 朝のさわやかな空気のもと、何kmも続く菜の花を横目に見ながら、鳥と競争する30分間。

久しぶりに自転車を整備した帰り道も気持ちが良かった。自分のイメージよりも身体一つ分くらい速く進む。 前に向かって漕いでいるというよりは、世界が向こうの方から勝手に近づいてくるかのようだ。 なんだか、自然に笑い声が出てしまう。

大地は僕のものだ。
僕だけで占有してるわけではないが、四方十里はやすやすと手が届くところにあるぞ、という気持ちになる。

脳内物質バンバン出しながら毎日そんな通勤経路をとるのと、疲れたおっさんにまみれながら電車やバスに淘られるのでは、充実感はおろか個人の性格まで変わってくる気がする。
早くそんな生活に戻りたいね。

自転車通勤とともに、充実した生活の両輪になるのが自炊だ。 が、今日は恋人が来て、昨日のワインの残りを軸とした洋風料理を作っていたので一任した。
ワインは昨日よりも美味しかったな。日本酒はたいていの場合開け立ての方が美味いと思うが、ワインは少し酸化させたほうが良いらしい。
パンやサラダもうまかった。パンやオリーブオイルにちょっと良いものを使うのは、そんなにコストかけないで満足感を高められると思う。

転勤したのを良いことに、なかなか自分の家に帰らない恋人が、久しぶりに帰っていった。残ったワインを干しつつ、10日ぶりくらいにに「今日のごはん」更新。

2010/4/20(火)

900円。ぶり定食は売り切れだった。

2010/4/21(水)

ようやく出張生活が沈静化してきて、今週は3日間のみ。明日もそれほど忙しくは無さそうだから、ノー残業デイの本日は帰宅することにする。

恋人が家に来て料理をしていたので、また自炊権を譲ることとなる。よく来るなぁ。

そろそろ今年も、ベランダのレタスが戦力として数えられる時期になってきた。
レタスよ頑張れ。頑張って育って、僕に食われろ。

内田百間「まあだかい」

読了。黒澤明の映画になった、還暦後の百間先生の誕生日を生徒たちが祝う、宴会の話である。
なんか本当に、百間先生可愛い。
今年はこんなふうに酔っ払った、記憶はあんまりない、というようなことが何年分も続いているというエッセイで、何かいろいろ評してみたり分析してみたりしたくなる。が、何か言おうとしてもうまく説明できなさそうなので、ひゃっけん先生可愛いなぁ、というあたりで話を終わらせる。

2010/4/22(木)

なんて言うか、求められている性能を最も効率的に達成する形状を追求しているのである。 あーでもないこーでもないと考えた末、この形が最もバランスよいはずだと、細かいところまで決めた結果だ。完全不欠かというとまだまだ改良の余地はあるだろうが、そうやすやすとそのバランスを崩せるものではない。

評価部門から、とても細かい問題を指摘された。
まぁ確かに気にする人も居るかもしれないが、大半は気づかない問題だろうし、性能にはまったく関係の無い問題だ。 僕自身がユーザーならばまったく気にしない程度のことだが、何か対策をしろ、ということになる。

何もやらずに通してもらうつもりだったが、ドロナワ的対策を考え、試してみたところ、けっこうちゃんと効果が出てしまった。
それなら結構ではないかというと、そうではない。最初に僕が考えた、理想的なバランスを崩して行なう対策なのだ。大抵の変更は、バランスを変えるだけだ。あることに対する過剰対策は、別の問題への母体となる。リスクの見極めは重要だ。

しょせんドロナワ的対策なので、不安がいっぱいある。別の性能を落とすことにつながる恐れが増えるし、他にも何が起こるか、検証してみないと分からない。
でも、悪いことに絶対不可能な理由がない。余裕として見込んでいた性能を削っただけなので、実際に要求される性能は満たせそうなのだ。

どうしてもやれと言われたらやらなきゃいけないが、嫌だなぁこんなの。第一、格好悪い。 他メーカーの技術者が分解してこれを見られたら、恥ずかしいじゃないか。
「何コレこの変なシール。なんか意味あんの?」
とか思われてしまう。理由を説明したところで、
「そんなことまで気にするの?バランスって知ってる?お前の会社で働かないで良かった。」
くらいは思われてしまいそうだ。

そんなどーでも良いことまで指摘してくるのも大したものだが、つまらない目的が増えると、何がやりたいのだか分からない醜悪な形状につながりやすい。思想的に、感覚的に、とてもやりたくない方法なのだ。自分で設計したものに対する愛着が半減してしまう。対策方法秘密にしてしまえば良かったかな。

嫌だ嫌だとあれこれ理由を並べてみたところ、「まぁやる必要ないんじゃない」との言葉をもらった。
話が分かる人で良かった。

2010/4/23(金)

出張しない金曜日はノー残業デイになる。それを味わうのは久しぶりだが、なんかすごく楽だぞ。
出張しない時は急ぎの仕事は少ないので、特許ネタでも考えることにする。その作業は好きだ。


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