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2009/4/4(土)


桜は盛り

Wさんちにお呼ばれ。花見という名目だったが、純粋に飲んで食うだけで、桜は行き帰りの時にみたくらい。 料理係として呼ばれたのだか何だかよく分からなかったが、特に何も作らず。お昼ごはんごちそうになった。

顔の広いWさん宅には、入れ替わり人がやってくる。僕には初見の人が多かったが、いろんな話を聞けたと思う。
今回は、ちゃんと終電で帰れた。

2009/4/5(日)

船、まぁ落ち着きどころなのかなというところで、購入の方向で話がまとまる。
安い買い物ではないが、ものすごく無理してる訳ではないし、今の年代でちょっと背伸びしておくのも悪いことではない気がする。
しかしこれ以上時間のかかる趣味増やして大丈夫なのだろうか。少なくてもデートしてる時間は無くなるな。

昼飯くって、久しぶりに本屋さんをウロウロ。
最近はしょぼい本屋よりもアマゾンの方が万事便利になってきたが、やっぱり大きなリアル本屋さんは良いもんだ。楽しい。
そのうち、ネット本屋さんと巨大本屋さんしか無くなってしまうんじゃないかと思う。


今週も鯉の交尾を見物。ちょいと失礼。

松澤 等「そこにシワがあるから」

日本におけるエクストリーム・アイロニングの第一人者による紹介。
「究極のアイロン掛け」、最近テレビでも見かけるから、名前くらいは知ってる人も多いと思う。コメンテーターの反応見てると「変なパフォーマンスですね」というものが多いが、一度でも登山したことあるなら気づくはずだ。アイロン、アイロン台かかえてあんな高山登るのは、バカやるとしても余程努力しないとできないということを。
努力だけでなく、能力も高くないとあんなことできない。どんな人達がそれに挑戦しているのだろうというのに興味をひかれた。

やっぱり真摯に酔狂なことに全力で取り組む、予想以上に誠実な人たちのようだ。

テレビで見たことのある水中でのアイロニングは色モノで、原点は山に登り、大自然の中でアイロンをかける解放感にある、とのこと。それも、常日頃からアイロンをかけている人にとってこそ、その感動は強まると言う。

そうかそういうことなのか。
日常と非日常の落差をはっきりと味わうことによって、感動を深く印象づける、ということなのかな。

山というのは非日常空間だ。山頂から雄大な景色を眺めるのは、その非日常性を最も楽しく味わう瞬間である。
一方、アイロン掛けは日常での作業だ。慣れた者にとっては、いつもの繰り返し作業に入るや否や、大脳は活動を休め、体で覚えた作業をなかば自動的にこなしていく。 そんな作業をしているときに、ふと顔を上げれば非日常の極致、山頂からのパノラマ展望が広がる。そこで感動が強調される、らしい。

家の中でやるはずの体で覚えた作業をやり、感覚を日常に持っていき、次の瞬間にふと作業をやめると一気に非日常の世界を味わう。そのコントラストが素晴らしいのかなぁと理解した。 確かに人間の感覚は何かと比較することで鋭敏に働くから、理にかなった手法なのかもしれない。
著者の、エクストリームアイロンの本当の良さを味わうには、家事としてのアイロニングに精通しなければならない、という主張は、そういう事なのだと思う。

となると、無心になれる日常的な作業なら他のものでも良いのかもしれないが、なんだろうなぁ。
僕はアイロンかける習慣がないし、これからもないだろう。キャベツの千切り、野菜炒め、鉛筆削り、放尿等が考えられるが、アイロン掛けほど新分野の感じでもないな。アイロンというのは良い狙い所なのかもしれない。

冒険モノという意味でも、すごく素晴らしい姿勢だと思う。
世界の著名な場所は、初登頂、初到達されて既に何十年も立つ。 純粋に著名な極地に行くだけでは、既にマロリーやヒラリー、メスナーや植村直己の後塵を拝す、というより難易度も注目度も、既に比較にすらならない。いまさらヒマラヤの無名峰に初登頂しても、難しいのかもしれないが、そのすごさは伝わりにくい。

これからは、いかに新しい価値観を打ち立てられるか、というのが焦点になる。
現代の冒険者たちは、既存の評価軸に対して努力していくだけでは不十分だ。自分で新たな価値観を作り上げ、その評価軸で少しでも上に行けるように努力しなければならない。
目標をこなす能力を向上させるだけでは不十分だ。果たすべき目標を創造する能力も必要なのだ。

そういう意味で、割と純粋に極地への冒険を試みる石川直樹さんみたいなスタイルよりも、独自のスタイルを作り上げていく山野井夫妻とか、服部文しょうさんとかのほうが可能性を感じる。

エクストリームアイロニストたちは、日々新たな技を考え出し、それに対して特訓しているらしい。 アイロン掛け+フィールドスポーツというのは、確かに難易度が格段に上がるだろう。 そういうワケわかんない新たな目標を作り出して、それに対して努力して行く姿は、すがすがしい。

ちょっと面白そうなこと、馬鹿っぽいことを悪乗りでやってみるのは、たいていの若者ならやる。 馬鹿っぽいことに対して全力で真摯に(そりゃ多少の酔狂は感じているだろうが)取り組んで行けるのは、天才の行動である。

こういう姿勢はもしかしたら女性には理解されにくいのかもしれない。何故そんなことするんだ、無駄なのでは?とか言って。
しかし所詮、山登り自体が無駄な行為だと言えなくもない。無駄な行為にもう一つ無駄なことを重ねているだけだ。
無駄な行為は素晴らしい。それこそが文化や芸術なんじゃないかと思う。世の中便利になって、死に物狂いの努力しなくても、衣食住に困ることはなくなってきた。あとは、芸術文化のために、無駄な努力を重ねていくしかない。

世の中に、このような無駄っぽいことに人生をかけている人がいる。なんだか勇気が出てくる、そんな一冊である。

2009/4/8(月)

昼休みに職場の人たちと花見をした。 おじさんばかりで華やかさは周囲に劣るかもしれないが、気分が変わって楽しかった。

2009/4/7(火)

最近は出張が減り、今週は本日の一回のみ。
は、良いのだが、愛用のPDAを忘れた。たぶん出張先の席においてきたのだと思うのだが、それがないと大変に不便だ。 書きかけの登山記とか、きょうのごはんとか、メールとか、見つからなかったらどうしよう。

というわけで、今週末の日記は後日。


帰り道。うちの近所。

2009/4/8(水)

出張先におきっぱなしにしていた自転車を持って帰ってきたので、今日は久しぶりにチャリ通。 土手沿いの道を行く。

通勤経路は、ほとんどレジャーだ。黄色い菜の花と紫の菜の花っぽい花は咲き乱れているし、桜も闇雲に咲いている。 行くときは満開、帰り道は葉桜になっていた。

ムクドリなんかがうろうろしている。自転車って鳥の飛ぶ速さと同じくらいで、こちらは体動かしているので神経が鋭敏になっている。 鳥が羽ばたいている姿が、ほとんどスローモーションのように感じる。

川の両岸は、パステルカラーのパッチワーク。若草色菜の花色桜色、手前は明るく鮮やかに、遠景になるにつれ、やはり明るいまま霞がかって淡くなる。日本は水の国だ。

今日はノー残業デイ。帰り道は月を背負い、夕日をみながら帰る。
そのまんま、「菜の花や 月は東に日は西に」の世界、ゴージャスな通勤経路だ。

2009/4/9(木)

次の製品の設計を始めている。
初期の段階って、まだ積み木のような落書きのようなモデルを右に動かしたり左に動かしたりしてるだけだが、この段階が一番面白い。いろんな変更がダイナミックにできて、いろんな可能性を自分の頭の中だけで試せる。

開発が進んで、些細な変更するのに大騒ぎされないといけなくなる時期に比べ、作業が面白くて仕方がない。
が、春だからか、眠くて仕方がない。眠くない時間に働いていたい。
とにかく、なんだか一週間があっという間に進む。

2009/4/11(金)

急遽出張になった後輩に、PDAを運んできてもらった。 出張先の先輩が発掘してくれたらしい。

有能な仕事仲間と一緒に働けて、幸せなことだ。

新しい製品、今までどおりのやり方と、別のやり方と、2通り考えている。

従来の方法には欠点はあるが、そこまで致命的な欠陥ではない。そのまま踏襲しても問題はない。
が、好きこのみで言うと、そんなに真似したくなるようなやり方ではない。もっと別のやり方あるだろ、っていうカタチしている。

今回は新しいやり方と言っても、そこまで革新的な方法ではない。 いくつかのメリットはあるが、それを押したい理由は僕の好み、っていうくらいが一番の根拠だ。 従来のやり方が最も適した形には思えない。もっと考える余地あるんじゃないかって姿勢を示したい。

どちらが良いかは検討中だが、他の人たちからは実績のある従来型の方が好まれる。些細な変更でもトラブルの発生要因になるのだから、無駄な冒険は命取りだ。

仕事だから、自分のワガママ言ってても駄目で、周囲の要望に合わせなくちゃいけない、という考え方は、確かにその通りだ。
一方、自分の好きなようにやりたいことをやって、それを周囲に認めさせるというのも仕事だと思う。 そっちのほうがエネルギーいるし、そういう人も必要だ。自分のやりたいことを実現していくような仕事を目指すべきなんじゃないかと思う。

基本的に人マネは苦手なので(人マネは僕よりうまい人がたくさんいるはず)、できれば自分オリジナルのものを産み出していきたいし、それが僕の存在価値だと思っている。

周囲には設計者の好みはすごく重要だ、と言ってくれる人もいて、いい環境だと思う。
今はとりあえず従来型を作って、保険を用意してから新型やってみる。従来型でもつくっていくうちにそれなりにアイデア盛り込んで、愛着がついてきたりもするんだけど。


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