乳房山

目の前の海水浴場にサメがたくさんいる。ここは集落の中心部にある最も身近なビーチなのだが、1mくらいのサメが、江戸川のハゼと同じくらいの数で群れている。ネムリブカ、英名ではホワイトチップというおとなしいやつだというが、まぁちょっと気色悪いよなぁ。
今日の昼間はこの砂浜で泳いだり、ぼーっとして過ごした。

一人旅をするものにとって、ここアンナビーチユースホステルはとても居心地の良い場所だ。皆こういう場が慣れているようで話しかけやすい。オーナーの田澤ファミリーの対応も文字どおりアットホームだ。何だか営業らしいことは面倒くさいようだ。暇なときはテラスで日光浴していると3人の子供がかまってくれたりする。
やはり本名は覚えにくいので、それぞれあだ名で呼びあう。僕の場合、「ごんずい」と書いた例のTシャツを着ていたらやはりごんずいというあだ名をいただいた。


テラスで団欒

小笠原の最新トレンド。母Tにギョサン(漁業サンダル?)

ははじま丸の見送りをしたあと、小笠原群島の最高峰、乳房山に登った。他の人の話を聞くと、頂上からマンタが見えたらしいが、僕は気付かなかった。僕が頂上で見たのは、一昨日のカメの研究員のお兄さん。せっかくだからたまには観光しようと言うことだそうだ。今は大学院の2年で、カメの研究では就職口は少なく、この先は大学に残るしかないらしい。年齢や趣味が近いこともあり、結構話があう。研究にかこつけて色々な島で生活したことがあるそうだ。戦争するためにこの島へきた若者もいたのだろうが、カメの付着生物の研究をしにこんな孤島までくる若者もいるのだ。


今日の夕日

母島のユースホステルに「登ろう小剣先」という歌が伝わっている。小剣先というのは集落の外れにある小山なのだが、頂上付近は岩場で展望がよく、気持ちが良い。この歌はユースのお客さんが作ったというもので、これを口ずさみながら登ると具合の良い、明るくテンポの良いものだ。
この歌の冒頭は「よく晴れた日は小剣先に登って・・・」と始まる。「よく晴れた日」というのは昼間ばかりでなく月夜の美しい晩だって良いだろう。
宴会終了後、小剣先に登って、遠くの海と夜景を眺めてきた。

(2004 5/4)


自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ