2/27 マウントクック宿探し

本日も昨日に続いて快晴だ。こうなるとさすがに暑い。気温や湿度は高くないと思うが、日差しが強い。この暑さは対流や伝導による暑さではなく、輻射による暑さだ。紫外線の強さは日本の何倍にもなるという。
The Godley resort Hotel
これは机なのだろうか

ニュージーランド最高峰、マウントクック。その展望台となっているムーラーハットにはぜひ一泊したいと思っていた。再築するという噂は聞いたが、行ってみれば何とかなるのではないか。
インフォメーションセンターで聞いてみると、やはりだめらしい。他にはボールシェルターというのがあるが、今からでは遅すぎるという。
さて、そうなると今日はどこで寝よう。村にはユースホステルとホテルが一軒あるのみだ。YHAは満員だし、ホテルは超高級だ。そうなると選択肢としては、村から2km離れたキャンプ場か、村から4km離れた登山クラブの山小屋となる。
テントは持ってきていないし、山小屋は空きがあるかわからない。こんなことならテント一枚持ってくれば安心だった。さて、本当にどうしよう。
多少困ったことがあっても、どうにかしようと思えばどうにかなるものだ。この程度の状況なら最悪からは程遠い。というわけで、とりあえず近いほうから様子を見に行くことにする。

重い荷物を背負って30分ほど歩くとキャンプ場に着く。周辺でキャンプが許されているのはここだけで、村の中にも学校や休憩所など野宿できそうな場所があるにはあったが、礼儀正しい日本人としてここで泊まったほうが無難だろう。テントがなくても最悪一晩中星を見て、昼間お日さまを浴びながら寝ていたっていいのだ。
一度荷物をおろして、村まで買い出しに戻る。品ぞろえはハミテイジホテルのほうが豊富だった。さらに、ホテルの裏で段ボールを手に入れる。乞食の7つ道具の一つ、これで今夜はもらったも同然だ。
キャンプ場を偵察し、なかなか良い寝床を見つけた。テントを張るのは、主に風除けと夜露凌ぎのためだ。今日は雨もなさそうだし、地形上風も強くない。ちょうど樹木が屋根となって夜露も何とかなるだろう。いざとなったらキャンプ場のシェルターに逃げ込めばいい。
マウントクック

このWhite horse camp areaは3000m級の山々にぐるりと囲まれ北アルプス、涸沢のテント村に似ているといえなくもない。(車で来れてしまうが)ただ近隣の丘が邪魔で主峰マウントクックはここからは見えないのが惜しい。
オートキャンパーの姿も目立ち、みなのんびりと過ごしている。

缶詰でパスタを味付けした夕食を食べ、木々に星が実るのを見ながら就寝。けつは冷たいが、テントがないのも結構快適だ。

夜、車の音に混じって雷鳴のようなものが轟く。一度きりではなく、結構頻繁におきている。氷河が崩れ落ちる音なのだろう。春先ならわかるが、この夏の終わりの時期にこれほど雪崩がおきるものなのだろうか。こうしょっちゅうおき ていては、ついには山がなくなってしまうのではないか。実際に数年ほど前、雪崩によって最高峰マウントクックの標高も10mほど低くなってしまったというし、山河も決して不動のものではなく、生き物のように結構ダイナミックに変化しているということか。

(3/2,2003 記)

写真集 No,2

Mt.Cook 2/27-3/1