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自転車旅行記 自費出版
本のほうが読みやすいぞ

8月9日 

人の大きさ

行程

津-伊賀上野-大阪-神戸


 全体図


ごぞんじのとおり地球は丸い。
幾何学的には表面のでこぼこなど無視できて、ほとんど完全な球体と考えて良い。その大きさたるや漠々としたものだ。

僕が毎日エンヤコーラと登っている峠はおろか、三千メートルの山の大きさでさえ屁にもならない。人間一人の大きさなんてなおさらだ。

とても大きな球体の表面上の小さな粒。僕の存在感はそんなものだろう。それは例えばガスタンクにのった蟻よりも小さいと思う。

しかしである。このアリンコもそう捨てたものではない。一ヶ月もかけて自転車を漕いでいると、日本の半分くらいの距離は移動できるのだ。もはやこれは地球に対しても無視できる大きさではない。
そこに棲む人々が変わるだけでなく、日ノ出の時間まで変わってくる。自分の力で地球の大きさを実感できる気になる。そう考えるのはなかなか愉快だ。


本日は移動に徹した。
急遽神戸在住の姉が泊めてくれるということになって、紀伊半島の沿岸部コースへの誘惑を絶ちきって、一路西を目指した。

いやまぁとにかく疲れました。
おそらくこれまでの最高となる150kmを走破し、三重、京都、奈良、大阪、兵庫の二府三県をかけぬけた。2つの山をこえた。

ただそれだけだった。単に距離を稼ぐことに充実間をみいだす、そんな一日だった。

一つ付け加えると、今日のメインステージとなった国道163号のことだ。 起点から終点までのすべての区間を走破したが、もうそんなことをしようとは思わない。
ツーリングマップルにはお薦めコースとして表示されているようだが、とにかく自転車向きでない。

木津川に沿った道で、景観はなかなかよく、ところどころで川遊びができるのだが、大型車が多いわりに道が狭く、自転車はえんえんとプレッシャーを受けつづけることになる。
ドライバーの皆さんは気を使ってくれてすごく危険というわけではないが、自転車に許された空間が狭く、追い抜きを受けるたびに精神的に圧迫を受ける。

これから自転車でこの道をとろうとする人がいれば、(自転車をこいでいる人は案外多かった)ほかの道をとりなさいと忠告するだろう。

(8月9日 記)

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本日の走行距離 153.85km
使用金額 2492円
(うちわけ 全部食費)


本日の写真



津から長野峠を目指す

街では浮いた存在
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