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2026/3/14(土)

エンジンをかけ、車の運転を始めよう、なんていう瞬間は、さすがにもう緊張を感じることはほとんどない。
が、ウマ100頭分以上、拳銃よりも殺傷力のあるような力を、一瞬で開放できるだけのトリガー操作を開始する、けっこうな瞬間であり、免許取りたての頃はもっと緊張していたはずだと思う。

仮入部中の山岳会の方が誘ってくれたので、いい機会だからやってみようかなとクライミング練習へ。その程度の覚悟でやってみたものだから、結構な緊張感というか高度感に衝撃を感じた。もう少し余裕でできるような気がしていたが、かなり練習しないといけないやつだなこれは。

崖の上に登って、ロープに体を預けるような作業。
昔、ほんの少しだけそういうことを体験したことはある。が、特に身についていたわけでもない上、15年以上経ってほのかに覚えている程度。 ロープの結び方だって、操船と共通しているものも多いので、机上でゆっくりやればできるようなやつでも、崖の上でミスなくスムーズにできるかというと、そうもいかない。ちょっとした作業のミスが大事故につながる。

ロープで確保しながら登る崖も、ロープがあるから安心して墜ちられる、という感じでもない。やや前傾しているので、滑ったら滑ったで岩壁にあたり、それなりに痛そうだし、周りには墜ちてる人もいないのでかなりカッコ悪い。高度感受けながら、筋肉痛になりそうな足で必死に登る。
ルートの8割ほどは、きっちり3点確保できるような足場が見つかり、普通の登山の延長上な感じだが、1,2箇所、安心できるホールドもなく、ヒヤヒヤしながら無理やり登る。
クライミングシューズの摩擦力は、どの程度信じていいのだろう。試行錯誤で確認するにはけっこうリスキーだと感じる。たぶん入門者用のルートを登ってるはずだが、それでもこんなに怖いんだな。

そもそも、高度感を味わうような経験もずいぶんしなくなり、幼いころのわが子をだっこしながら、マンションの階段上部から下の道路を見下ろすだけで、けっこうな恐怖を感じたりした。高度感に恐怖を覚えるのも本能的なものだろうが、慣れで克服できるという本能もあるはず。子供のころ住んでいたマンション9階の部屋に、高所恐怖症の親友が遊びに来るたびに嗤っていたことを思い出す。

岩場を登るときでも、ロープを扱うときの細かいいろんな作業も、平常心で淡々とできるようになるまでには、習熟、慣れが必要だ。そんなこと知識ではしっているが、実際にやってみたら、恐怖心とともに体がそれを理解した。

車を扱うときも、慣れていくことで危険性を制御できるようになるが、車の場合は安全を確保するための工夫が装置側にもたくさん施されている。ロープワークの場合は、道具側の安全保障が最低限で、人間側がミスれば事故は簡単に起きるし、岩登りで緊張したりホッとしたりが繰り返される、ミスを起こしやすい環境だよなと感じる。

まぁ、そういったことを味わって楽しむのが冒険だといえる。
人生にワクワクは必要で、ワクワクと冒険はだいたい同義だと思うが、クライミングはワクワクっていうかドキドキだ。普通の登山は、要所要所で大きな判断ミスを重ねなければ危険は避けられるが、クライミングは、なんていうか味わう感情がけっこう違うんだな。

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