そりゃあ期待通りに釣れないことのほうがよっぽど多い。
狙い通りの結果が得られる、あるいはそれ以上の思いがけない釣果だったりすることは滅多にない。
だがこういう形の負け方になるとは想像しなかった。
職場の釣り勉強会は、鹿島港出船、回遊魚狙いのジギング船。
タックルの準備、船宿の予約等、若手がすべてお膳立てしてくれるので大変ありがたいが、朝5時出船、4時ごろ集合という状況には自分で対応しなければならない。
睡眠不足は船酔いにつながる。数日前から生活サイクルを整えつつ、子供の面倒見ながらなんとか出発前の睡眠時間も確保し、喜び勇んで船に乗り込む。
気象条件は、小雨があり、南海上は西風が強いが、鹿島灘は風の裏。べた凪で船酔いも無さそうだ。期待は高まる一方。
それなのに、12時までの7時間は、大半がポイント移動に費やされた。
ルアーを水中に入れていたのは、一カ所で3から10投くらい、20カ所も回らず、1割くらいの時間だっただろうか。
船中、過半数がボウズ。釣り船乗ったというより、定期航路の船便乗っていたようだ。
悔しいというより呆れる感じの不戦敗感。まあ自然相手のことだから仕方がないが、今回は船長さん一人が勝負し 賭けに出て敗れ、我々は居眠りしながらそれに無理やり付き合わされた感じだよなあ。
すごくせっかちな船長だった。そして理想が高いのだろう。
ポイントに着いても、多くても十投すると、駄目だ次移動、となるし、そこそこ釣れてたポイントでも、満足せずに次の場所を探す。
このせっかちさが優位に働くこともあるのかも知れないが、少なくても今日は完全に裏目に出ていた。
鳥山を追いかけたところで、もぐら叩きのように追い付いた頃には潜っちゃう。付近に食い気のある魚は居るのだから無闇に追うより、待ったほうが良い。
操船の本でそう読んだことがあるが、まさしくその失敗パターンにはまっていた。
遊魚船の船長はプロ中のプロ、僕よりも二桁くらいは経験も豊かだと思うが、このせっかち戦略が良い方向にハマることもあるのだろう。
たぶん、今日はかなり魚の機嫌はよくない日だった、というのは事実なのだろう。シーズン中とはいえ潮回りはよくないし、そんな日はいくらでもある。 そんな日に入れ食いの群れを探し続け、結局見つからずにほとんど釣り糸を垂れずに終わった。
すごく大雑把な数式として、
釣れた魚の数=釣れる確率×釣りをする時間
という考え方がある。釣りのうまさというのは、少しでも釣れる確率を上げるための努力、工夫と、少しでも長い時間釣り針を垂らす、という二つの方向性がある。
少しでも長い時間釣り糸を垂らしておく、というような単純なことが、実は釣りの腕前のけっこう重要な点だったりする。仕掛けを絡ませたり、船酔いでダウンしているときは魚が釣れるはずがない。
釣り糸垂らしてさえいれば、あとは魚の気持ち次第。その時間が長い方が釣れる。
確かに、釣れる確率というのも、やる気のある群れを見つけられれば10倍くらいに跳ね上がるかもしれないが、今日はそれは無いものねだりな気がしたなぁ。
こんな日でも、丹念にポイント攻めていけば、もう少し釣れそうなものだ。
サービス業的にも、釣れないなりにも客に勝負させてもらった方が、納得感も得られたはずだ。
入れ食いもないだろうし腕に差が出るかも知れないが、ボウズはもっと減ったと思う。
坊主という結果のみなら、悲しいことではあるが日常茶飯事だ。が、今回は挑戦に負けたという感じがしない。
船中の釣果はたぶん5尾くらい。同僚の一人がその中の貴重な一尾を釣り、残り3人がボウズ。同僚が釣ったのはアイナメ。回遊魚ねらいのジギング船で穫った根魚。
今回は僕が唯一の家族持ちで、ご家族にどうぞと若者に貴重な一尾を譲ってもらってしまった。
釣った魚をその日に食べるのが良いかというとそうでもなく、疲れもあるし少しくらい寝かせた方が旨みがでるし、今晩は近所の飲み屋へ。
久しぶりに来たが、刺身も薩摩揚げもやはり美味しかった。子連れでも時間を選べば気軽に来れるもんだ。
図書館行ったり河原を散歩したり。娘の保育園の友達がいろんなところにいた。
同僚からもらったアイナメ。こんなでかい魚だったっけ、というサイズ。青物狙いのジギングで釣れるというのも変わっているような気がするが、これまでも彼が予想外の外道を釣っているところは何度か目撃している。
アイナメ食べたことって初めてかも知れないが、極上の白身魚という感じですごい美味しかった。このサイズだと脂も乗り、本命ヒラマサより旨いだろう。
この前マゴチを食べた時に、皮も結構好評だったので湯がいて食べよう。こうすると、つまみが増えるだけでなく、魚をおろす際に最も緊張する工程である皮引きの際に勇気が出る。少しくらい刺身の量が減ったところで、廃棄量が増える訳ではなく、単に料理の量の割合が変わるだけだ。すると却って皮引きも綺麗にできた。
肝も湯がいてポン酢で旨い。白子、卵は無かった。
そのほか、焼き茄子もキュウリの畑の収穫物だったりする。味噌の材料はネットで買ったが、我が家の手作りだ。
胃袋の中に入れるものが、だんだん一般流通に頼らなくなってきている。
枝豆ととうもろこしは、畑でも育てているが、今日のやつはスーパー。
台風が本降りになる前に残業せずに帰る。それでもけっこう濡れるのは仕方がないとして、自宅まで1キロくらいのところでチャリ故障。チェーンがスポークに引っ掛かり、その衝撃で後ろの変速機がちぎれた。
こんな壊れ方あるのか。
もともと、なんかの拍子に変速機が曲がっていたのか、チェーンを止めてるピンがはずれかけてたのか、その両方が原因なんじゃないかと思う。
少なくても数日はチャリ通できなくなり、生活に支障が出るが、まあ仕方がない。
帰宅後、夕飯のおかずを息子にずいぶん横取りされた。
予定より早く部品が到着し、ほぼ一日組み立て作業。
試作品の組み立ては、単純作業というより合間に他の部品の調達が入ったり、追加工が入ったり、小規模に迷走しながらの組み立てとなるので、案外神経使ってるみたいで疲れる。楽しいけど。
展示会の準備ができるのは来週一杯だけで、やっぱり直前ギリギリに終わるかな、というような日程だが、なんとかなるかな。
帰宅すると自転車の部品が届いていたが、治す気になれず。週末に治そう。
この期に及んでつまらない仕事を入れられてしまい、それほど作業はかどらず。
予定表がまっさらな状態になっているときは実務が進んでいる、というのがエンジニアの仕事。