娘の運動会だ。
まだまだチビだと思うが、いつの間にやら半分より上の学年になっている。
この年頃は1学年違うと別の生き物と言っていいくらいに違うが、うちの子もあっという間に大きく育っている。
2年前は、人間というより小動物と表現した方が正確だった。
昨年は、お遊戯もちゃんと覚えていたが、やたらと緊張して固まったまま踊っていた。
今年の夏祭りでも、盆踊りの動きは堅かったし、それほど大きな期待はしなかったが、ちゃんと元気に踊っていてビックリした。かけっこも一等賞だったし。
父兄参加競技も盛り上がり、保育園の運動会というのは大変楽しめるイベントだ。 先生方の努力には頭が下がる。
運動会が終わり、何となく一緒に帰った保育園の同級生たちと、そのまま流れでピザを食べに行くことになった。
3年目にして、ようやく親同士も打ち解けてきたかな。このあたりは、子供たちのほうが圧倒的にコミュニケーション能力が高い。
子供の遊び場があり、近所でも子連れの多いレストランだが、子供たちと一緒になって遊んでいたらバイトのお姉さんにうるさすぎると怒られた。もう大人なのに。自分の半分くらいの年齢の子に。
母親たちもずいぶんとおしゃべりしており、子供たちも体力の限界まで遊んでいた。
失敗とは言わないまでも、炒め方は素人。ラーメン屋でバイトしていたキャリアは生きていなかった。
このところ皆勤賞で遊びに行っている生田緑地のバラ園。秋の公開もやっぱり遊びに行く。
子供が産まれる前は来たこと無かったし、子供が大きくなったらそれほど来なくなるような気がする。十年くらい経ったら、この時期の思い出を象徴する場所になるかもしれない。
宅配便受け取り問題が解消されたとのことで、姪っ子も一緒に晩ごはん。 東南アジア帰りの義姉は腹下しの洗礼中で、あまり食べず。
面倒なので工程を少し省略したら、汁なし緬に近い出来栄えになってしまった。
父が遊びに来たらしいが僕が帰る前に居なくなっていた。
妻の出張があるため、父と僕のリレーで子守り・家事を行なう計画。 だが朝になって、息子が発熱。なんか食欲無いなとは思ったが。
まだ高熱というほどではないので、解熱剤飲ませて呼び出し覚悟で無理やり保育園に預けたが、夕方まで大丈夫だったようだ。 このあたりの対応は、保育園によって多少の判断の差はあるのだろうな。
日程調整しにくい業務が、妻は午前中に、僕は午後に持っている。 仕方がないので半日休暇を取り合い、昼前に赤子抱えて妻の会社へ向かった。
受付で不審者と思われたっぽいが、妻の名を出したらニコニコ対応される。 まぁ赤子おぶった中年男性が普段着でオフィス入ってくるのだから妥当な判断か。
妻の会社から僕の会社は、昼休み目一杯使うくらいの移動時間がかかる。
甲州街道から西武新宿までダッシュして、交通機関の待ち合わせも都合よく、何とか間に合ったが、半日ずつ休暇取るスケジュールは効率悪いな。子供も疲れるだろうし。
妻は子供おぶったまま仕事を続けたら、周囲に止められたらしい。そりゃあそうだ。
ニコンが新しくシフトレンズを出すことを発表した。 写真から見る限り、僕が設計したやつの真似してる感じだな。
僕が担当した製品では、純粋な競合はニコン製品しか無い状態だったが、こちらが後だししたこともあり、製品としての魅力は圧倒的に差をつけたと思っている。それが7年経って、抜かされるでもなく追いつかれた程度だから(価格差程度に光学性能抜かれている可能性もあるかもしれないが)、まぁ良い仕事残せたんじゃないかな。
しかしSamyangに続き大ニコン様まで真似してくるとは。もうちょっと特許がんばって書くべきだったのかな。
当時の僕は、立ち技の切れ味を追い求めていたというか、アイデア一発勝負の特許ばかり書いていて、そこに美学も感じていたんじゃないかと思う。 だから自分で行なった設計も、こんなのロシアレンズ(参考にしたHartblei Super Rotator)と大きな差は無く、特許は書けないと判断していた。
が、その後はちょっとした差を一生懸命アピールするような、寝技的にネチネチ書くような特許もやらされるようになったから、今だったら何らかの特許書いてマネされないようにしたかもしれない。 まぁ、数の出る製品じゃないので、一生懸命特許書いても審査請求出してくれないかもしれないけど。
あまり誰も褒めてくれないから、自分の仕事の自画自賛を続けよう。
可動部分にはアソビが必要というのは、すべてのメカ設計者の常識であり、アソビというのはガタの温床となるというのも、精密業に携わる者であれば常識的に知っていることである。そして、レンズの光学的性能を上げるには、ガタがあっては非常にまずいというのも、専門家でなくてもすんなり理解できるんじゃないかと思う。
したがって、TSレンズのように、やたらと可動機構の多いレンズは、光学性能としては不利な条件を抱えていることになる。
しかしながら、僕の担当したTS-E17mm、TS-E24mmは、けっこうな高評価を得ている。星野写真は、画面いっぱいに広がる無限遠、点光源という、レンズ性能を見るためのチャートのような被写体だが、そのようなジャンルでも評判がよく、光学性能は自慢できるレベルにあると認められている。
これは主に光学設計者の業績であるが、いくらスギタ君が頑張ったところで、メカがちゃんとしていないとその成果が製品として実現できないというのも確かだ。
で、メカをちゃんとするための努力は、それなりにしたつもりだ。構造的には前モデルと大きく変わっていないように見えるかもしれないが、図面上に示す設計思想は、見かけよりも大きく変えている。
それらの工夫は、一部は特許に書いたが、一部は分解してもわからないかもしれない。が、それらの工夫を理解するのは、個々のユーザーではなく、ライバル製品の開発者たちだろう。
彼らが何を真似してどこを真似しなかったのか。 僕に与えられた課題の答え合わせをしてくれるのは、彼らになるのだろう。
というわけで、僕もニコンのレンズがどうなっているか、分解してみたくなる。 チルトロック機構は真似しなかったのはなんでだろうな、とか。