ゴールデンウィーク前半は神津島旅行。1年越しの計画がようやく実施。
妻両親を誘い、子守負荷軽減を期待。
熱海発の大島便が神津島まで延航中。我が家からは熱海周りが便利だ。
2時間程度の航海だが、うねりの影響で娘が人生初船酔い。僕も少し酔った。
そして神津島上陸。酔いの中に感じる仄かな楽園感。
そういえばこんな感じだよなぁ。数年間通っていたゴールデンウィークの小笠原を身体が思い出す。
初日の予定はほぼ移動のみ。昼食は上陸後、寿司屋へ。
島寿司と地魚定食。
宿泊は民宿「新平」さん。綺麗な民宿で、宿の子が小さい頃に遊んだであろうおもちゃが充実しており、うちの三歳児はそれに夢中だった。 おそらくお父さんがキンメ漁師で、金目ダイが豊富に出てくる。宿は女将さんが1人で切り盛りして、忙しそうだった。
全般的に好天が続きそうだが、おそらく本日が最も条件が良さそうだ。 今回の神津島旅行のメインイベント、天上山登山を決行する。
朝食後、登山口まで送ってもらい、登り始める。10合目の頂部に出るまでは標高差400mも無く、1時間くらい。 3歳児も半分くらいは自力で登っただろうか。
僕は神津島に来るのは多分三度目。天上山には毎回登っている。
標高500m程度しか無いくせに森林限界を越えた潅木帯が続くのは、火山の山というほかにも海洋島ならではの強風もあるのではないかと思う。風が強い山という印象が強いが、今回は非常に天候がよろしく、ほぼ無風。
素晴らしい季節もゆっくりと楽しめる。
道も気持ちよく整備され、歩行時間も長くない。初心者コースだと思うが、三歳児にはそれなりにきついのだろうな。小さな足で一生懸命段差を乗り越えていく。
というか、目的地まで継続的に進んでいく行為に対して、それほどモチベーションを持っていない。
彼女にとって重要なのは、形のいい石ころであったり、ウネウネ歩いている毛虫たちであったり、見たこともないつぼみや木の実である。
丈夫で折れない小さな木の枝を拾い、登山道の真ん中で落書きに夢中になって、全然進んでくれなくなったりする。
流体力学には、レイノルズ数という概念がある。
たとえば飛行機の空気抵抗を調べる際、原寸大のモデルを作る前に、小さな模型でどのくらいの抵抗になっているかを調べたいところだが、ただ単純に飛行機の大きさを1/10なり1/100なりにしただけでは、違う現象を調べることになってしまい、うまくいかない。大きさを変える際、レイノルズ数が同じになるように流速なり流体の粘性なりも変化させると、大きくしたときと同じ現象が得られる。
これと近いことが、この山にも起こっているのかなぁと思ったりする。
南アルプスの魅力をダイジェスト的に味わいたいとして、北岳の隣にそのまま大きさを1/4に小さくしたミニ北岳を造ったとする。そうするとその山は、周囲の山々に埋もれる、単なるヤブ山になるだけで、北岳登山の魅力をダイジェストで味わうどころか、1%も再現できないんじゃないかと思う。
それがこの天上山では、南アルプスの名峰をミニチュア化したような面白さがある。たかだか500mちょっとのくせに、「洋上アルプス」の名もそれほど名前倒れではない。
それを実現しているのが、周囲に隔たるものの無い大海原にぽつんと浮かび、強風にさらされやすい地理とか、噴火から1000年ほどという程よい年月とか、火山地形ならではのサイズと形状とか、といった自然環境なのだと思うが、どうだろう。
南アルプスの東部ワールドスクエアといった感じ。高山を歩いているような雰囲気だが、10分も歩くと世界が変わって面白い。
ニュージーランド旅行した際に、日帰りコースの質と量で日本はだいぶ劣っているように思ったが、天上山はそうそう引けを取らないな。
今日もやはりキンメ。煮付けもさすがの味付け。
この日が滞在中最大の宿泊者数だったが、なんだか皆静かにごはんを食べる。
これまで泊まったことある伊豆諸島の宿って、他の宿泊者と話すことも割と多かったが、パッと食べてパッと居なくなる人が多かった。
夕食後、夜釣りへ。
今回は「家族旅行と釣りをどう実現するか」という課題の解決のために、ルアー釣りに限定。
僕にはルアーを信頼できるほどの釣歴が不足しているが、道具の手軽さや、釣れる魚のサイズの観点から、いつまでも無視するわけには行かない。
釣り具会社で開発やってる身なので、ルアー釣り苦手ですじゃあ話にならんよな。
常夜灯の周りになんとなく魚っ気があるので投げてみると、なんか反応がある。ルアー追っかける水紋がたったり、時折アタックしてくる。
割と見切られている感じもしたが、小さなインチクゆっくり引いて、水面直下で一尾ゲット。
だが、なんだこれ?20cmちょっと、鰺みたいな感じだがもっと目玉が大きく、口が極悪顔だ。ムツに似ているが、ムツって深海の魚じゃなかったっけ?
糸がらみもあり、この一尾で引き上げたが、後日食べてみると、脂がのってとても美味しかった。魚が居るのは確実だし、もっと気合い入れて狙っても良かったかな。
調べてみると、やはりムツで良いみたいだ。ムツは幼魚のときは浅場で暮らすらしく、暖かい外海に面したエリアではルアー夜釣りで狙うこともあるみたいだ。
警戒心と好奇心があって、頑張れば美味しいのが釣れるあたり、釣り対象魚として魅力ありそう。
朝食前と夕食後は、釣りに行っても妻子に怒られない。
昨日の朝は桟橋でルアーを投げたが、ほぼキャスティングの練習してるだけみたいだったので、今朝は砂浜へ行ってみる。同僚の薦めに従ってヒラメ狙い。とりあえず、貰ったルアーを疑わずに投げ続けてみよう。
季節柄、テングサが抜け落ちて接岸しており、毎投必ず引っかかる。
こんなんで釣れるんかいと思ったが、テングサ引っかけるのはルアー回収の直前だ。巻いてる間の7割くらいはルアーはちゃんと泳いでいるので、まぁ釣れる可能性はゼロではないだろう。
それでもたまに海藻掛けてしまうのは仕方がない。でかい海藻掛けてしまって、すごく重たくなったルアーを回収した翌投だった。今度は魚体反応。重さは海藻の方が重いが、こちらは元気に引いてくる。
なんと本命ヒラメ。体長にすれば食ってきたルアーの1.5倍くらい、30cm無さそうだが、立派にキープサイズ。
特に狙いのポイントもなく、自然界には無さそうなカラフルなルアーぶん投げて巻いているだけで釣れた。
サーフの釣りってほとんどやったこと無かったが、万が一大物釣れてもタモ網要らないし、案外狙ってる人少なくて釣れちゃうこともあるんだな。
今回の旅行は、ルアーオンリーで早朝と夜釣りのみ、坊主も覚悟していたのに、本命が釣れるとは。型はそんなに良くないが、かなり嬉しい。
朝食後は、赤崎遊歩道へ。
島の二大観光地といった感じに紹介されるが、訪れるのは今回が初めて。
最初に来たときは群発地震で通行止めになっていたし、二度目は滞在短かった。
バス便は一日三往復。
言ってみれば磯場の天然プールを設備化したような感じ。 こういう建築物ってなかなか見ないが、コンセプト的に面白いと思う。
遊歩道自体は、タラタラ遊びながら歩いても30分くらいかな。泳げる季節なら、何時間でも遊べそうだが。
そうこうしているうちに乗るつもりのバスが通り過ぎたので、温泉までの選択肢は自動的に徒歩が選ばれることになる。
昼寝時間が計画から抜けていたため、娘は不機嫌モードに突入。
強風の中、抱き抱えながらなんとか温泉へ。
明るいうちから露天風呂でゆっくりできた。
やはり毎食キンメが一人一尾。焼き物、煮物と来て、今日は中華風の揚げ物。キンメ揚げるところがさすが網本。
タケノコも美味かったが、神津島でも採れるのだろうか。
食事は伊豆諸島の民宿として平均的なんじゃないかと思う。
毎食、ごはんもうちょっと食べようかな〜もう要らないかな〜と迷ったあたりで、米櫃のごはんが尽きる。
一日有給とって連休としたが、本日帰宅。3泊くらいがちょうど良いとも思う。
午前中一人でルアー投げたが、キャスト時にラインブレイクが何度かあり、そのままルアー放り投げただけ。魚二尾得て以降は、ルアーを失い続けるだけだった。釣れるまでは一個も無くさなかったのに。
昼過ぎに高速船乗り、15時前熱海、自宅に17時ごろ。 海は凪いでおり、娘も船酔い無く、スムーズに帰宅。
やっぱり伊豆諸島は魅力あるエリアだよな。
そんなにアクセス悪くないのに海は綺麗だし、着いたら空いているし。
また遊びに行こう。
魚も坊主覚悟していたわりに、割と楽しめた。ヒラメ釣れて嬉しい。
今回登った天上山は、ほぼ死火山だと思っていたが1000年くらい前に噴火している。 僕の認識では、危ない火山って伊豆大島・三宅島の二つの三原山、それに青ヶ島だと思っていたが、新島、神津島、八丈島あたりも歴史上噴火したことってあるのね。 御蔵島、利島の噴火は人類発生以前とかだろうから、まぁ死火山と言って良いのだろう。
伊豆大島は、噴火してるのが常態というくらいに活発。
「10年以内に伊豆大島は噴火する」と言っておけば、予言というより「今夏は台風が本州に上陸する」くらいの確率であたるんじゃないかと思う。
ヒラメ5枚おろしは妻がやってくれた。 初日の寿司屋でもらったアシタバ、神津島名物のイカ塩辛、神津島の焼酎と合わせ、島宿よりも島宿らしい晩餐になったような気がする。
ついに耕作地を入手した。 先日見学した「シェア畑」と契約し、小作農の地位を手に入れる。
整地済みの区画に空きはなく、割と荒れ気味の区画と聞いていたが、現地へ赴くと綺麗に整地されていた。 スタッフの方がやっていてくれていたらしい。さすが高い金とるだけはある。小作農だが手取り足取り教えてもらう。
本日でも植え付けは可能だが、もう少し肥料寝かせたほうが良いらしいので、とりあえず自分に区画の表札作ったくらい。
妻お気に入りの中華料理教本を見ながら作る。ナスを塩で水抜きするのがポイントだろう。
ランチは外食。目当ての店の何軒かは休みだったが、割と美味しいパスタ屋さんでつまみも美味かった。
図書館行ったり、買い物したり。
父の家へ遊びに行った。
GW後半の中日は、有給とらずに出社。案外皆出社していた。
連休後半はそんなに頑張ったわけでもないのに、なんとなく疲れたような気もする。
効率上がらないのは、ギリギリまで遊んだときだけでもないのだな。