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2015/1/9(金)

香港旅行。娘が一歳の内は飛行機代が安いという程度がきっかけだ。

気軽に行ける海外の中から香港を選んだのは、昨年行った台湾旅行が良かったので似たタイプだというのと、離島部が面白そうだというあたり。 沖縄や伊豆・小笠原に比して魅力の差が大きく感じられなかった割に割高で、食事的にもそんなに魅力のなさそうなグアム、サイパンは落選。


成田までのアクセスを入念に研究しておく

初日は移動日。昼過ぎから移動し、18:30成田発の便。この成人式連休がらみの日程の方が、もともと取ろうとしていた年末年始よりも空いているようで、料金的にだいぶ安くなった。


出発前のビール一杯。ようやく一安心、というわけでもないのだが。

娘は二歳を目前に控え、完全に赤ちゃんを脱している。そろそろ幼児料金を払わなければいけないというのは、的を得ているように思う。イヤイヤ期の赤ちゃんを連れてエコノミークラスに乗るのはそれなりに骨だが、うちの娘はたぶん聞き分けの良い部類なのだと思う。香港までの5時間のフライトも、まぁ許せるくらいの時間で、大きな苦労は無かった。

空港到着から宿までのアクセスはどこにいっても懸念事項となるが、香港はやたらと快適。地下鉄駅前のホテルを取ったこともあり、スムーズに到着して一安心。むしろ成田空港でだいぶ手間取った。

子育ての時期的に、今後数年間は海外旅行行けないような気がしている。 今回も食べ歩きと子守り中心の旅行になるだろうが、無事に楽しめることを願う。

2015/1/10(土)

宿泊は北角の隣の駅前にあるハーバープラザノースポイントというところ。
・どうせならハーバービューの部屋が良い
・子供も一緒に寝るので広いベッドが必要
・アクセスの良さ

というあたりが選定基準。観光客に人気のエリアから少しはずれている分、割とリーズナブルなクラスのようだ。ハーバービュー指定したら、高層階の部屋になったので驚いた。追加料金は大したこと無かったと思うが。

景色は、一番の繁華街をやや外していることから、香港百万ドルの大絶景というほどではないが、暇な時間に眺めを楽しめる程度には良い。


海峡でヨットレースやっているのが見えた

ホテルの目の前にコンビニ、スーパーがあり、利便性は高いが、粥麺屋等の現地の食の楽しみを得るには多少移動が必要。徒歩1分で行ける地下鉄の駅からは山手線くらいの頻度でバンバン電車が走っているので、移動手段は特に困らない。


隣の駅に昔ながらの市場があるということで行ってみた。 築地からさらにアジア濃度を濃くしたような市場で、精肉、鮮魚、野菜の露店がずらっと並んでいる。


鮮魚はみたところかなり充実。たぶんここは香港市内の中の数ある市場のうちの一つだと思うが、一昨年行ったニュージーランド最大の市場よりもずっと充実。 やはり南方系の魚が多いが、おそらくすべて近海物だろう。



肉と鮮魚を両方扱っている店が多い。肉も魚も、特に冷蔵設備を備えているわけではなさそう。 売れ残った魚は、夕方にはツミレになっているのではないかというのが妻の仮説で、僕もその説には賛成。 肉屋の兄さんはアスリートのような身体つき。一日中包丁振り回して骨断っているのだろう。

市場で朝粥でも、と思ったが、案外市場の中には食堂が少ないのか、入国したてで土地勘がまったく無いことが原因か、思ったほど容易に店が見つからないものの、市場の回りにあった適当な粥麺屋さんに入店。今回の食べ歩きツアーの最初の食事だ。


つみれの米粉麺と蝦ワンタン麺を注文。
特に人気店でもない典型的な味なのだと思うが、これが大変に美味しかった。 米粉の麺は優しい味で、娘に大受け。細長い広東麺も、のどごしよく弾力あって、とてもよい。 これに真面目に作っていそうなスープ、魚の擂り身が絡む。 日本のラーメンも競争が激しいが、こちらの文化の方が進んでいるかもしれない。


このお店

軽く腹に入れれば落ち着きも出る。次に行ったのは広東料理の老舗、「福臨門酒家」というところ。
香港料理の案内本に載っていた写真に妻が魅了されたのがこの店の料理だが、香港を代表する有名店、高級店らしい。 台北で言うところのティンタイホウ、東京で言えば築地の行列寿司屋のような存在だろうか。 ディナーで行くととっても高額なようだが、ランチの飲茶はそこまででは無いらしい。

点心数種類と韮のスープ、マンゴープリンを注文。

確かにここの点心はすごく美味しかった。 蝦餃子の弾力感、新鮮なエビを生きたまま湯にかけてもここまでプリプリッとなるものだろうか。 デザートに食べたマンゴープリンも、マンゴーの美味しさを伸ばしつつ、嫌な雑味を除いたような感じだったが、蝦餃子に関してもそのようなことが言える。エビそのものを食べるよりもエビの美味しさを引き出すんだぞ、という意志を感じる。

豚の骨付き肉も感動的に美味しかった。
見た目は素材そのものを加熱しただけだが、どんな加熱方法なのかよく分からない。 甘辛のタレを絡めたのち、軽く揚げてから蒸しているのかな? 日本では肉というと薄切りにするか挽き肉にするかがほとんどで、こういう骨の周りや内蔵、血をうまく利用する文化が無いように思う。


マンゴープリンにむさぼりつく。「皆の」と連呼しながらほぼ独占された。

韮のスープはランチメニューではないうえ、二人で頼むとすごく量が多いので、コストパフォーマンスはすごく悪い。 一口含んだ瞬間に感動的という種類の美味しさではなく、ジワジワと美味しくなる。 乾物系のダシを上品に濃厚にとったスープで、なるほど広東料理はこういうものなのか、というのが分かった気がする。同じものを自分で作ろうとしたら、干し貝柱と干し椎茸をたっぷりと入れてダシ取ったものに、タケノコやら韮やらを千切りにして、味を調えた感じにする。 この手の乾物ってそれなりに値も張るし、手間もかかるから気軽に作れる料理でもない。


マッチ箱のようなフォルムの二階建てトラム。あまり早くは無いが、次々と走っており、車両を選べば空いている。

次は茶房にでも行くか、ということで移動をしている途中にだいぶ疲れていることに気付く。いったんホテルへ退却して昼寝する。夜、2階建てトラムでうろうろしながら向かった先は、「新斗記」という、こちらも評判の広東料理屋さん。数店舗あるようだが、ホテルから最も近い北角店へ。混雑しており、予約せずに入店したが十五分ほど待っていたら入れた。


牡蠣の土鍋焼き。これが感動的に美味しかった。


鶏の爪。メニューにはお勧めされていたが、まぁ普通な印象。
看板メニューの豚の丸焼きを頼むべきだったか。


お粥。本当は蟹の炊き込みご飯か焼きそばを頼みたかったが、卵アレルギーの娘のためにこちらを選択。
そのくせ娘は遊んでばかりでまったく食べなかった。
まぁお粥も悪くなかったが、蟹や焼きそばのほうが美味しそうだったのだが。


正体不明の料理。確か骨無し魚、みたいなニュアンスのことが書いてあった気がする。
美味いんだか不味いんだかもさっぱり分からず、陸のものだか海のものだかも分からん。
お麩に中華風のダシをしみこませた料理。
食べている内に美味しくなってきたような気がするが、セレクションに失敗した感。

広東料理に紹興酒を注文するのは普通ではないのだろうか?
我々には食事中の飲酒が大きな楽しみなので、中華には紹興酒というのが自然なチョイスだと紹興酒を注文すると、指さしてもなんかスッと通じないし、うやうやしく部長クラスのおじさんが運んできた酒の箱は、やや埃がかぶっていた。

周囲を見ると、ワインボトルを並べているテーブルはたまにあるものの、紹興酒飲んでいる人たちはあまり見かけない。 「大陸の人はカンペーカンペーと言って大酒を飲まされる」なんていう話はよく聞くのだが、僕は具体的にそういう経験があるわけではない。 晩酌とかワインのマリアージュなどの食中酒の習慣ではなく、酒オンリーorせいぜい軽いつまみと合わせるような文化なのだろうか?

中華文明圏のちゃんとしたレストランは、大人数で食べにくることを想定しているので、我々親子3人の核家族メンバーだと注文も難しい。最初に食べた感動的な牡蠣から思うに、大変に美味しいレストランだとは思うのだが、最適な注文はできなかった印象。


ホテルに戻って、飲み残した紹興酒をテレテレと飲んだ。
とりあえず初日ということもあり、何だか疲労を感じた一日。うまく休憩をとることが大事だな。 ともあれ、香港市内は交通網も便利だし、宿もちょうどいいところだったのではないかと思う。 食べ歩き的には、基本的にどの店入っても感動的に美味しいものは必ず出てくるし、明日以降にも期待はできる。

2015/1/11(日)

朝食は点心。陸羽茶室ここも有名店らしく、無声映画の一場面にでも入ったような印象。
おばちゃんたちがトレイぶら下げて点心運んで来て、気に入ったらもらう。いわば人間回転寿司とでも言うようなシステム。 どうせこちらには、何食べたら美味しいかは分からないのだ。漢字のメニュー凝視するよりも、運んできてくれたものを片っ端から食べるのが正しい。目の前に手間無く料理が届くのは素晴らしい。

そしてやはり、大変に美味しい。はるばる飛行機乗ってこれを食べにきたと思っても、そんなに後悔は無い。
もちろん日本でも点心の同じような料理は食べられるものもあるが、別物と考えても良い程度に味の差があるような気がする。方や日常はぐくまれた文化に支えられているもの、方や冷凍というあたりで生じる差なのだろうか。
この味がまた食べたくなったら飛行機乗らなきゃいけないというのも面倒なので、日本でもこのレベルのところがあると良いのだが、探せばあるだろうか。

観光ガイドには必ず載るようなお店で、大変美味しかったし雰囲気もよい。
だから値段的にもそれ相応のものになるが、妻はそのあたりがだいぶ疎い。値段言ったらビックリしてた。自覚して払う分には構わない、というくらいだとは思うが。

天気予報が微妙だったが、予定通り本日は離島部に遊びにいこう。 手軽にいける離島はいくつかあるようだが、最も手頃感のありそうなラマ島(南Y島)へ。二つの集落のうち、料理屋しか無いというサイドの集落から入り、賑やかな方の集落へ抜けていくプランとする。
都心の埠頭から30分。便数もそこそこあり、東京から江ノ島、というよりは横浜から鎌倉行くくらいの気軽さで着いてしまう。

上陸した途端に安らぎを感じる。 我々にとってのホームグランドは、やはり都会ではなく山や島だ。

香港の人たちは、地下鉄に乗ってもすぐに席を譲ってくれるし、外国旅行をしているとよく感じるような、周囲の人に対して油断できないぞという雰囲気をあまり感じず、治安もよく親切だという印象はあるが、いかんせん大都会、人が多く、歩いているだけで疲れる。子連れだとさらに疲労が数倍される。
そういったものがまったく無い。海と緑があって、のんびりした空気がある。来てよかったなぁと、身体で思う。

港につくと、仲店通りのような雰囲気で料理屋が並ぶ。半分以上が海鮮系レストラン、残りが売店とかバーとか。
昼前に到着したが、どの店も開店したてで客が居ない。下手すると、従業員が賄い飯食っている。行列も無く好きな店に入れるが、料理屋街のほぼ最後となる「森記酒家」へ入店。隣にあった「天虹海鮮酒家」が有名店らしく、客もだいぶ入っていたようだが、同じような食材を同じような文化圏の人が同じように料理するわけだから、味には大差ないのではないかというのが僕の説。経営手腕に差はありそうだが。

巨大なシャコがこのへんの名物らしく、それを食べたい!というセレクション。いくつかあるコース料理の中で、高めのほうになってしまう。

おつまみの茹でエビは普通ちゃあ普通。冷凍ではなく、生の新鮮さはあるような気はする。 ホタテもまぁ普通。

感動的に美味かったのはシャコと蒸し魚。
ほろほろに蒸されたハタに中国醤油のタレがかかる。これまで、魚料理といえば我が日本の食べ方の右に出るものは無いと思っていたが、焼き魚や刺身だけが魚料理では無い。蒸しても美味い。
魚自体は、たぶん蒸しているだけ。おいしい魚使っているというのもあるが、タレとのマッチングも素晴らしい。これからは魚を蒸すことも考えてみよう。

シャコも美味い。こんなにでかいシャコは見たことが無い。
日本ではシャコというと寿司ネタくらいでしか食べないと思うが、この巨大なシャコはロブスター等と並ぶくらいのメインとしての風格がある。味も濃くて美味しい。
シャコは痛みやすいと聞いたことはある。生簀にたくさん並んでいるが、飼うの大変じゃないのだろうか。


窓際の席でのんびりできた。娘が遊びだしても落ち着ける。

溶樹湾側へ向かって散歩。観光地と聞いていたが、そこまで混雑は無い。何しろ自動車が通れないのが素晴らしい。
香港は北回帰線よりも赤道側、沖縄よりもずっと南の島だ。あの大都会からわずかに移動しただけなのに、ガラッと南の島になっていて、呑気だ。

うちの娘はよく歩くなぁ。
短い足でチョコチョコと、蛇行して遊びながら歩くものだから、3倍くらいは時間がかかる。

まぁ別に先を急ぐ必要もないのだが、あまりに時間がかかるというのも疲れてくる。できれば抱っこさせて欲しいのだが、断固として抱っこを拒否し、自分の足で歩き、遊びたがる。

この島の散策路は気持ちいいし、娘が勝手に走り回っても不安は少ない。 散策路はすべて舗装され、快適に歩ける。

反対側の集落までは2時間たらずの行程だが、何しろ幼児の足で歩いているので、全然進まない。ようやく眠り始めたかなというころに素敵なビーチについて大休止。また目を覚ましたりするのでタイミングは悪い。
ビーチはきれいだ。夏の間は人がたくさん来るのだろう。 沖縄よりもずいぶんと赤道に近いから、泳げるシーズンも長いだろうか。

砂浜といえば砂遊び。
そして豆腐を食う。台湾でもそうだったが、香港でも豆腐はおかずではなくデザート。ほのかに甘みをつけて、結構うまい。
丘の上にも有名な豆腐屋があったが、海の家らしき甘味処で売ってたのも美味しかった。

溶樹湾側は思ったよりも大きそうな集落。レストランが道一列に並んでいるだけの索罟湾側と違い、普通に大体の種類の店も揃っており、島内で完結した生活を送っている人もいそうだ。

だいぶのんびりと歩いたし、晩飯もこちらで食べていこうか。
妻はレストラン選択で後悔を恐れ、有名な店に行きたる。娘はとにかく四六時中遊びたがる。
ちょっと高級感のある店で娘が騒ぎ出すと、妻がイライラする。
目の前の料理が食べられないと、不満がさらに増長される。

これが頻出の負けパターン。そのへんの食堂行くよりも高い金払ったほうがイライラするというのも馬鹿らしい。
妻も娘も、本能的な欲求に基づいているので、このパターンを避けるには、妻が納得するような美味しさが期待でき、かつ娘が騒いでも気にならないような雰囲気のレストランがあると助かる。

それが実現できるのは、大都会よりも離島の観光地な気がする。 今回の旅行で是非食べたいリストの中で、蟹はまだ食べていないし、この島でディナーをとるのは良い選択なように思う。

蟹の土鍋焼き、レタスの炒め物、それにビールを注文。
この蟹も、今回の旅行の中で指折りの美味しさだった。もち米と共に、土鍋の中で高温で炊かれる。 娘と妻は奪い合うように頬張っていた。

それなりに目玉商品の高級品のようで、値段は量り売りの時価。一皿7000円くらいで今回の食事も1万円くらい。円安になっているというのもあるが、おおむね日本よりも高い印象。


船上から手持ちでここまで撮れてしまうのだから、最近のコンパクトカメラは驚愕だ。

帰り際に中華ハムでも買ってホテルで晩酌する構想は、疲労のため実現できず。
代わりに入手できた台湾製のドライマンゴーをつまみに、昨日買ったニュージーランドの白ワインを飲んだ。フルーティーで口当たり軽く、さらっと開いてしまう。

この日食べた料理はどれも美味しかったし、一日家族楽しく元気に遊べ、大変満足な一日だった。

2015/1/12(月)

この日最初の食事は駅前の屋台で買った腸粉。米粉で作ったねりもので、すいとんとかウイロウに似た、香港ではメジャーな中華パスタ。
中華圏では、この手のファストフードのコストパフォーマンスが素晴らしい。 150円くらい、安くて早いのに、インスタントなジャンクフードではなく、ちゃんと料理していてちゃんと美味しい。

香港は、大まかに言って香港島側と、大陸側の九龍半島側の二つのエリアで構成される。九龍側も観光地としてメジャーだが、今回はまだ足を運んでいない。本日は九龍側へいこう。

だがよく考えると、我々夫婦は大して都会に用事が無い。
妻は大した目的が無く街をブラブラ歩くことができない性格であり、僕は妻よりは街の雰囲気を観察するのは好きな気がするが、じゃあ無目的に幼児連れて散策するかというと、それほど熱意も無い。

数少ない目的といえば、食べることとお土産買うこと。お土産は結局いろいろやろうとするよりも、スーパーで食材買うのが最も無駄が無く、楽しいようだ。


妻が目当てにしていた粥麺屋は昼からの営業で、代わりに近くのワンタンメン屋さんで朝食。
ワンタンメンとピータン粥を注文。ここも大変に美味しく、またまた妻と娘は食い争っていた。実はこちらのお店も有名店だったらしい。店の名は定かでないが、「潮發粥麺」というところかな。

ピータン粥も素晴らしい。一口で感動というわけではないのだが、美味しさがじわじわと広がってきて、3口くらい食すとやみつきになる。飲んだ翌日の味噌汁のような美味しさ。


九龍公園を食べ歩きの拠点として、娘を遊ばせる。立派な公園だが、生憎の空模様なのが残念。
この界隈は、十年ほど前に家族旅行で来た記憶が曖昧ながら残っている。

昼飯として、妻が狙っていた「池記」というところも、やはり有名店らしい。 お洒落で綺麗な店内。日本の定食屋のようなコンボメニューがあり、注文しやすい。蝦ワンタンメンが名物のようだが、どうも間違えて単なるワンタン麺を頼んでしまったようだ。


ワンタンメンは具が沈んでいることが多い。味の観点があるようだが、写真ばえはしない。


フィッシュボールの麺も割と好き。娘にも食べさせるつもりが、睡眠中。


注文は、漢字から料理を想像しながら指さし。サイドメニューには予想外のしいたけが出てきたが、肉厚で美味しかった。
この手の乾物って、日本だとそれなりに値が張るが、こちらのほうが安いのだろうか。


美味しそうだということで、蟹のお粥を追加注文。
広東料理って何だか不思議で、少しでも足りるっちゃあ足りそうだが、量を食べようと思えば相当食べられる。

二回目のランチなのか午後のおやつなのか、まだこちらに来て目標であった中華ローストを食べていない。
食べるとしたらこのタイミング、香港島側の中環に戻ってローストを食べに行こう。

妻のセレクションは、またまたセレブご用達の高級店。娘が落ち着かなくなるとまたイライラしそうなものだが、食い意地に妥協しないところは天晴れだ。
注文したロースト丼は、店の雰囲気からすると申し訳ないくらいに安く、これはサービスメニューなのかな。 美味しさも、名店の名に恥じず、これまた美味い。
残念なことに、この手の加工肉は、検疫上日本に持ち帰れない。この状況を打破してくれる政党があれば、ぜひ政権交代を願う。

あまりに美味しかったので、夜食用にお土産も購入。

スーパーで土産を買い、パッキングを終わらせたのち、夕食は近所のお粥屋さんへ。
一昨日トラムで通ったときに人だかりができていたお店だ。数軒ならぶ食堂のうちで、明らかに最も混雑しているので、それなりに評判の店なのだろう。
本日もやはり行列ができている。そのうち何割かはお持ち帰りの人。中華圏の人たちは、屋台や食堂が栄えているので、あまり家で食事を作らないと聞いたことがあるが、近所の住人たちはこういうところでごはんを買っているのだろう。 店内も客は多く、入れ替わりも早い。

店頭に張ってあった雑誌記事のメニューを指差し注文したら、既に廃止になったメニューらしい。が、二種類のお粥を組み合わせれば同等になるらしく、カスタムメイドで作ってくれた。
海のものも陸のものも色々入った、アラ煮のようなお粥。


サッパリ系の麺を頼めば娘の食事の心配は要らない。
卵麺だと思うが、この程度の卵なら娘のアレルギーは大丈夫のようだ。

仕事の都合上、僕だけ本日深夜に帰国。LCCは便利なもので、娘を風呂に入れてから出発してから明日の仕事に向かうようなことが、案外少ない追加予算で実現できてしまう。
その気になれば3日間の日程でも、往復夜行使って丸三日間楽しむことは可能だということだ。


夜食にロースト。昼飯に店で食べたやつのほうが安くて美味しかった。
ホテルの電子レンジが故障しているのが悔やまれる。
軽食中心とはいえ、一日六食。食べ歩きのコンセプトを貫徹した感あり。

●広東料理。
日本で一般的にイメージする中華料理の「油っこい」「がっつり」という印象はまったくなく、乾物を使いこなして深い味を作る。美味しい上に大変健康的な感じだ。 中国茶と合わせるとその気になればいくらでも食べられてしまうが、少な目でも空腹感を感じることは少ない気がする。
西洋料理や日本料理では、大抵のもの食っても食材や調理方法は想像できるが、広東料理には何をどうやっているのかサッパリ分からないものも多い。
食の都香港は看板倒れではないという実感は確かにある。安くはないけど。

●南Y島は面白かった。
ディープな僻地では全くないが、大都市圏から非常に気軽に遊びに行け、雰囲気も良かった。
砂浜もきれいだったし、散策している限りでは魚影も濃いのではないかと思う。
夏の間なんかは、若者もたくさん遊びに来るのではないかと思うが、海際の売店や海岸線からは、どうも釣りの文化はあまり無いようだ。釣り具メーカー視点では、未開拓の肥沃な土地のように思える。高い魚食文化、経済力、自然環境が揃っているし、釣り文化を浸透させる意味もあると思うのだが。

●子連れ旅行。
2歳前のイヤイヤ期は、移動は不向きで街歩きも確かに疲れた。うちの娘は無体な大騒ぎはせず、楽な部類だとは思うのだが、騒ぐときは騒ぐ。公共交通機関は大変に便利だったが、気を使うことも多く、他の時期の方が落ち着けたかもしれない。
娘の誕生後、10ヶ月のニュージーランド、一歳一ヶ月の台北、一歳11ヶ月の香港と三回の海外旅行を行ったが、一歳一ヶ月のときが一番楽だったかな。
街中の公園を拠点に、ちょいちょい食べ歩きをするスタイルがもっともペースを握れた。

2015/1/13(火)

帰国便は羽田行きのLCC。早朝着、着陸後2時間で自宅へ。出勤前に多少眠れた。
数年前はこういう無理目な計画ばかりやっていたような気がするが、子供のこと気にしなければまだまだいける。

外出二件。双方とも海洋系の研究機関。 しんかい6500を見学させてもらった。

潜水艦全部を耐圧機構にしているわけではなく、耐圧なのはコックピットの球体部分だけだということを初めて知った。

帰り道に羽田まで妻子を迎えに行った。偏西風がとても強いのか、東南アジア方面からのフライトは軒並み前倒しで到着していたが、出発がかなり遅れたらしく、結構待たされた。
帰り道もイヤイヤ期の娘連れではスムーズに行かず、飛行機がいくら早くても、やっぱりタイムロスは大きい。
とはいえ、皆無事に帰ってこれたのが何よりだ。

妻子は機内食でそこそこ満腹だというので、ひとり腹ペコで無駄に待っていたことになる。
川崎駅のデパ地下で、閉店間際の数割引惣菜を適当に買って食べた。

こういうときに自宅の冷蔵庫に美味しい日本酒が待っているのは心強い。

2015/1/14(水)


妻が飲み会あるということで、定時で上がって娘の世話を担当。
最近の傾向なのか、旅行の疲れなのか、娘は大変不機嫌で大泣きし続けた。泣いていれば必ずしもママが来るわけではないことを知るには良い機会だが、うちの娘は体力と根性があって1時間くらいは泣き続ける。

一緒に歌をうたったらようやく落ち着いてきた。
子育ての必修科目として、アンパンマンの歌の歌詞くらい覚えておかないといかんな。かなりあやふやに歌っているが、すぐにごまかせなくなりそうだ。

2015/1/15(木)


半年ほど前から参加しているセミナーが最終回。パネルディスカッションが面白かった。 パネリストには、もともと招いていた有識者だけでなく、一般の参加者からも選ばれており、毎回高い視点からの質問が目立った大手メーカー社員の発言にだいぶ刺激された。

彼はたぶん僕と同じくらいの年齢で、大企業の中で新しく事業を始めたい夢がある。しかし組織内には反対勢力がたくさんいる。単に分からず屋の上司、という訳ではなく、向こうにも十分理があり、それをボトムアップで覆すのは大変だなあというお話。どこかで聞いたような、感じたような。

僕は大企業の中でそこまで七転八倒したわけでなく、新しく物事を始めるには面倒な環境だなあという感想くらいで転職してしまったクチだ。

だいぶ規模の小さな環境に変えた結果、大企業の効率性、ポテンシャルの高さも感じるし、新しい物事に挑戦することの面倒くささも感じる。今の環境なら、自分勝手にやりたいことやるのは、そう難しくない。

正解はどっちだろう。

懇親会があったので、そういうものの常として中途半端な腹具合。帰って適当なつまみ作って酒飲んだ。


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