Catedral Cove coast track(カセドラルコーブ)というのが近隣の有名な散歩道だ。
たぶん石灰岩が海に浸食されてできた、白い洞窟や奇岩と、きれいな海岸線の散歩道。
娘が寝ているうちに移動できるかがカギとなる。今回はそれなりに順調で、昼休み前に半島の付け根まで戻れた。
適当に入った小さな集落のカフェで軽食。
ニュージーランドでは牛肉が安い。でかくて安いステーキを買ったが、和牛と違ってタンパク質食ってる、という感じ。
見かけよりもさっぱりしていて、案外ぱくぱく食べられる。和牛よりも健康的な感じはする。
宿泊は温泉付きの宿を適当にとる。Birchwood spa motelというところ。
各部屋にスパがあって、値段も安くて好印象だった。湯船は温泉なのか水道水なのかよくわからなかったが、たぶん温泉。この辺の地下水を沸かしても、日本の温泉法的には温泉になる気がするし。
タウポ郊外はモーテルが林立しているが、周辺の「空き部屋あり」の看板に囲まれて、この宿はNo Vacancyになっていた。やり手さんなのだろうか。
明日は天気も良さそうなので、山歩きをしよう。そのために今日は、麓の町まで移動する。タウポと同じく北島有数の観光地、ロトルアはまぁ昼休み休憩程度という感じで。
一つくらいは観光地も行きたい。
ロトルアとタウポを結ぶ、「温泉街道」の途中にある「WaiO Tapu」という地獄谷めぐりみたいなところへ行く。
雰囲気としては、東北の後生掛温泉の後ろにあった噴火口庭園に似ている。
別府の地獄巡りは行かなかったが、似た雰囲気かもしれない。 ここは結構な入場料をとられたが、後生掛温泉は無料だったので、タラタラ不満を言う。
しかし、ここまで大規模なところは、日本でも数少ないだろうし、日本なら周辺にたくさん温泉街作っちゃうだろう。
スケール感は確かにすごいし、景観の変化も楽しめる。これで露天風呂もついていれば、それなりに元をとった気がするが、まぁそこは国民性の違いだから仕方がない。良しとしよう。
対岸の見えないロトルア湖だが、時速100qで移動すれば1時間程度で対岸にある川沿いの町、Turangiへ着く。
マス釣りが有名で、モーテルも10件程度はあり、大きめのスーパーもある、手頃な規模の町だ。
空き部屋はどこでも見つかるが、台所の設備にOKサインが出るまでに3〜4件の宿を巡り、気疲れした。
ともあれ、今日はオーブンも使える立派な台所だ。
鱒の町だが、スーパーにマスはおいておらず、鮭を買う。
妻が赤子の世話をしている間に、父も1,2品作ってくれるが、料理上手だと思う。
トンガリロ・アルパインクロッシング。NZ国内でも指折りの1日ハイキングコースらしい。
けっこうな距離のあるコースだが、まぁ登山客の多いコースらしいし、赤子連れでも老人連れでもなんとかなるだろう。
スタートとゴールが違う場所になるので、バスの手配が必要。
Turangiの町では、各宿を回ってくれるが、バスを予約した時点ではまだ宿を決めていなかったので、インフォメーションセンターから乗車した。
ゴール地点まで自分で運転して、そこからスタート地点まで乗っていく人も多く、レンタカーの場合はそちらのほうが良かったかもしれない。
というわけで、年齢差70の三世代パーティで、北島を代表とする1日コースを無事に歩きとおせた。
20km弱の長いコースだが、さすが人気コースで歩きやすく整備されている。景観の変化もあり、ダイナミックな展望が楽しめる良いコースだと思う。天候も良い感じに変化し、大変楽しかった。
日本の山道は、ここまで広々とした原生林を俯瞰できることはないものの、これに劣らないコースもあるとは思う。そういうのをもっとアピールしても良いのでは。
鶏を丸焼きにしよう。
スーパーで、味付けがされて、あとはオーブンに入れるだけというのが売っていたのでそれを買って焼いた。
こちらの畜産物は、普通にスーパーで売っているやつでも全般的に美味しい。よく、牧場の端っこで(あるいは牧場の柵を乗り越えて)、強そうなにわとりが我が物顔に徘徊しているやつらを見かけるが、そういうのが普通に出荷されているのなら、そりゃあ美味しいだろう。あまりブロイラーで育てているのとかはいなさそうだ。
芋も、こちらのやつは結構おいしい。サツマイモに似た独自の品種(?)が2,3あり、煮ても焼いても甘くなる。
移動日。
娘が寝ている間はノンストップで移動。いつになく順調で、昼ごはんはBullsという国道1号と3号が合流する町まで。
夕方までに努力目標のウェリントンまで移動できた。
実はニュージーランドの首都はオークランドではなく、ウェリントン。ウェリントンは北島の最南端にある、そこそこの都会。
都会に来たのでたまには外食。
都会で美味しいお店を探すのは案外難しく、適当に雰囲気で入ったお店はなんだか多国籍料理。こういうのが多民族化が進んでる現在のニュージーランドの典型なのだろうか。
味のほうは、まぁ大きな不満は無くても、自分で作ったほうが美味しいよな、というくらい。外食ってそんな感じなのだろうか。
コリアンダーの効いたスープは割と美味しかった。
宿泊は、インフォメーションセンターのお姉さんに探してもらって、割と市内中心部。
これまで泊まってきたモーテルに比べると高くて狭く、日本の普通のシティホテルと同じような感じだが、値段の割に高級感があった。
午前中は国立博物館へ。
自然の美しさが魅力のニュージーランドだが、原生林はあんまり残っていない。牧場や植林でほとんど開発され、元の自然はけっこう破壊されている、というような展示があった。
この国は国家が成立して本当に日が浅く、だいたい日本で言えば明治維新くらいからの歴史しか無い。
移民も多く受け入れてますよ、というようなことも博物館に展示されている。
今日の宿泊はHavelockという小さな町。ピクトンから思ったよりも遠く、1時間くらいかかったかな。
ムール貝の首都を名乗っており、緑色に縁どられたムール貝が名物。
海産物の入手は、結局スーパーで買うくらいしかない。ピクトンのスーパーで確保できたムール貝は多分地元産だろう。
一段と肉厚で、みっちりと身が詰まっている。
すごく美味しいのだが、これが随分とお手頃な値で売っている。白ワインも美味いし、毎日食べてしまう。
今日は天気もいいし、連泊するし、アクティビティに時間を割ける。
父はニュージーランドの乗馬に興味があったらしい。一回くらい試してみようと、近隣の乗馬ツアーをやってる農場へ足を運ぶ。
カヤック借りるのは風が強いとのことで断られ、水上タクシーでアクセスするハイキングコースも、当日手配では難しいようだ。車でアクセスできる散歩コースに行くのは最も確実。
今度は町の反対側までドライブして、川沿いの散歩道。 カフェと橋のある駐車スペースから、10分〜半日以上の散歩コースが5,6本出ている。
今日もムール貝と白ワイン。
オニオンスープは父の得意料理らしい。ニュージーランドで入手したマギーブイヨンは、日本で出回っている固形のやつではなく、ゼリー状のもの。その違いに納得いかなかったようだが、美味しいスープだと思う。
父と同行するのは今日まで。
ネルソンの空港まで送りに行く。
移動日は雨。
「サニーネルソン」というあだ名を持つ、晴天率の高い地域だが、雨が降ることだってあるだろう。
昼食に入ったお店は、この旅行の中でも有数の満足度。まぁ普通に美味しいピザと魚料理、という感じではあるが。
短い滞在だったが、ネルソンは好印象の町となった。
本日の宿泊は、「Hopewell」という、入江の奥にある一軒宿。
ニュージーランドには、「BBH」というユースホステルみたいなバックパッカー宿の大きな組織があり、その組織に属する300近くの宿の中で、殿堂入りするほどの評判を得ている随一の宿だ。
水上タクシーを頼むのが早いが、陸路でもアクセス可能。水上タクシーを頼むにしても時間が読めないし、自分の運転で行くことにする。
が、この運転がとっても大変だった。見通しの悪いカーブの連続する道が70km、1時間以上。あまりゆっくり走っていると日暮れの時間になるし、急ぐ必要もある。天候も悪い。
そんな道だと、自分で運転しながら車酔いも感じる。(操船でもよく船酔いするから、自分で運転して車酔いすることもあるだろう)
夕方のドライブは娘の最悪で、それをなだめるために妻もイライラしてくる。娘を落ち着かせるために授乳しながら走ったが(交通違反だが)、それによって母親の体力も奪われるみたいだ。
そんなこんなで非常に苦労したが、いつかは到着する。
これで非道い宿だったら泣きたくもなるが、着いた先のHopewellは確かに隅々まで手入れの行き届いた、気持ちのいい宿だ。
海浜の眺望露天風呂まであり、西洋人カップルがシャンパングラスを持ち込んでいた。
着いたなりにご主人が歓迎してくれ、桃源郷のように思えなくもない。
どうにかこうにか到着し、ピクトンのスーパーで買ってきた食材を調理する。
バックパッカー宿なのでシェアキッチンだが、ここの台所は素晴らしい。
ニュージーランドの台所は、電熱線コンロが普通のようだが、この宿の台所はレストランの調理場のようだ。ガスオーブン2台にガスコンロが10口程度。洗い場も複数ある。