春の嵐。桜はこれでとどめを刺されるだろうが、いくら風雨が強くても、宴会を止めるには至らない。
ということで今週も宴会。名目は花見なのか新生児披露なのか単なる宴会なのか分からないが、6人のお客さんがきてくれた。
春野菜の蒸し焼きは、お祝いに頂いたストウブ鍋で作る。
鍋のまま食卓に参戦できて便利だ。
自分で塩とかオリーブ油をつけて食べてくれというスタイルは、大人数の宴会では皆やらない。そのあたりは反省点。
ここ最近のテーマは、如何に手をかけずにおもてなし料理を作るか。
オーブンが活躍してくれる。食材放り込んでおけば、結構な量があっても所定時間後にちゃんとパーティ料理に仕上げてくれる。おおざっぱな作業でも、繊細な火加減を実現できる。
投資した甲斐があったな。
我が家の失敗。
宴会の理由というのは何であっても良いのだが、ここ数週間に我が家を訪れてきてくれたお客様は、数ある名目の中に「新生児を見に来る」というのは確実に入っているはずだ。
それなのに、なんだか我々は赤ん坊のアピールに失敗している気がする。
一生懸命料理の支度をしている頃に皆が集まり、料理を出してお酒を出して酔っぱらう。
「赤ちゃん産まれた友達のところ遊びに行くと、いつも赤ちゃんの写真撮ってくるのに、皆はうちの子撮ってくれない」
というのが妻の不満だが、確かに皆オマール海老の写真は撮るが、腹も満たされ酒も回り出すと、赤子は何となく眺めるくらいになってしまう。
被写体として価値は、赤ん坊の頃が人生の中でベスト3くらいには入るだろう。
娘よ。君は人生の黄金期においても、ザリガニごときに負けているぞ。
父親が果物もって遊びに来た。昨日の宴会で食材は豊富なので、海鮮丼を作って食べた。
昨日の反省を生かし、ドレスを着せてこれ見よがしに写真を撮らせる。 さすがに血のつながりが濃いからな。赤ん坊をよく見て帰って行った。
幸い、妻の乳の出はかなり良い部類のようだ。これまでほぼ100%、娘は母乳を飲んで大きくなっている。
が、酒好きな妻がいつまでも我慢しているのも可哀想だし、彼女だって出かけたり病気になって薬を飲むことだってある。たまには粉ミルクに頼る必要も出てくる。
ぶつけ本番で粉ミルクあげてもスムーズに行かないだろうと思い、しばらく前からちょいちょい試しているのだが、これがまぁ随分と嫌われる。泣き疲れて眠るまで、30分くらいは泣き叫ぶ。
生まれたてのころは病院で何の問題もなく飲んだそうだが、この2ヶ月ちょっとの間で、娘の人生経験も少しずつついてきたのだろう。普段飲んでいるものと違う!とにかく泣き叫ぶ。
ほ乳瓶が嫌いなのか、ミルクの味が嫌いなのかの切り分けは、ほ乳瓶の口先にも依るが、うちの娘の場合はどうやらミルクの味自体のようだ。母乳絞ってあげた場合は、割合ちゃんと飲む。
が、妻の乳は「さし乳」と呼ばれる、トヨタ看板方式のように吸われる時にリアルタイムで乳を作る状態になっているらしく、乳房の中に在庫の常備はないらしい。赤ん坊と同じように吸い出せば搾乳も出来そうなものだが、市販の搾乳機にそこまでの性能は期待できないようだ。(そもそも搾乳機ないし)
搾乳に頼ることも難しそうだ。
ということで、娘の口に合う粉ミルクを見つけようと、何種類か買ってみた。
今日はグリコの「」を試してみたが、あえなく敗退。
まぁまた隙をみて挑戦してみよう。
飲み比べの為に買ってきたのは4種類の粉ミルク。 新生児の味覚と差があるのかという疑問もあるが、その疑問は置いといて、とりあえず大人も子音試飲。
その結果は明らかで、脱脂粉乳臭い2種と、割と美味しい2種に別れた。美味しい2種のうち、先日試した「」のほうはやや甘さでごまかしている感があり、他方の「」は、これは結構ふつうに美味しい。他の粉ミルクが、「不味くはないけど出されても嬉しくない」「まぁそこそこ美味しい」という水準であるのに対し、この「」は日常的に飲んでも結構嬉しいレベルだと思った。 妻もおおむね同意見。
ということで、大人にとって美味しかった「」が当の乳幼児に通じるかどうかに挑戦。
結果はどう評価難しいところだが、いつもよりは飲んだ。100ml作ったうちの3割くらいを飲む。
母乳であればその何倍かの量を飲んでいるようなので、まだタイミングのせいなのか味のせいなのかはわからないが、とりあえず一歩の前進は感じられないこともない結果だった。
人間は、あるいは生物一般は、自分が食べる物に対しては相当保守的である。保守的でない人も居るが、7〜8割の人(生物)は自分が今まで食べたことのある食べ物、料理法を好む。刺身には醤油をつけるべきであり、マヨネーズをつけるなんてとんでもないと考える人の方が多いと思う。
たぶん、そういう本能が生存に良い方向に効いてきたことが多かったのだろう。乳幼児が粉ミルクに違和感を覚えるのも無理はない。
しかし、君の両親は、食の世界に対しても生涯の冒険を誓っている二人なのだ。
食に対して保守的でない人々(生き物)もある割合で存在して、君もゆくゆくはそちら側に属してもらえると嬉しいなぁと思っている。
いつぞや二子玉の鶏肉屋さんで買った比内地鶏のスープが、食料ストックのコヤシになっている。それを美味しく消費しようと、鶏鍋に。スーパーのちょっとだけ良い鶏肉とか、にらとか、ベランダに生やしているネギとか入れて。
これがたぶん今シーズン最後の鍋なんだろう。来シーズンもよろしく。