夏休みに行き損ねた、裏磐梯へキャンプをしにいく。紅葉にはまだちょっと早いようだが、山の上の方行けば楽しめるかもしれない。
早朝出発して友人を拾った後、おおむね予定通り、6時半ごろ東京を離れる。三連休の渋滞の影響はプラス30分くらいでかわし、猪苗代湖周辺には11時前後だったかな。
食材の買い出しと昼食のために、会津若松市内まで移動。
JAの直売スーパーを見つけ、エキサイティングに野菜を購入。
昼飯は蕎麦でも食おうと、お城近くの蕎麦屋へ。 近隣の郷土料理とのセット定食も出すような、割と希望通りの店だ。 椎茸の天ぷらに秋を感じていたが、かじってみると揚げ饅頭だった。給食の揚げパンみたいな感じ。
会津若松市内と裏磐梯は、遠くはないが近くもない。 城下町をウロウロして雰囲気は楽しめたが、けっこう時間を食った。 結果的には蕎麦屋も地場物の直売所も裏磐梯エリアにあったので、時間的には直接向かった方が効率的だったな。
いくつもあるキャンプ場のうち、桧原湖西岸のオートキャンプ場を選択。 ちょっと値段が高いところだが、設備が良く車が横付けできて便利そうなところ、景色は結構良さそうなところ、4人まで一律料金なので割高感は減少することにより決定。
このエリアのキャンプ場は、どうも込み合うのは夏だけのようで、紅葉の期待できる3連休といえども、客は我々以外には、単独バイクツーリングのお兄さんと、日帰りでバーベキューしに来ていたグループのみ。
翌日ももう一組来ただけで、テントが3張り以上立つことはなかった。
湖畔の縁からは一段高台になっており、磐梯山は湖越しではないが、けっこうきれいに見える。桟橋までは森の中の小道を降りて徒歩一分くらい。
洗い場はお湯も出て、全般的に期待通りかな。
うちのテントは、結婚祝いで友人から貰ったオートキャンプ用のでかいやつ。
テントなんて基本構造は大差ないだろうと思ったが、開けてみたら傘のようにワンタッチで開く面白いものだった。フライフィートが付いていなかったので、ちゃんとタープを持ってきて良かった。
ぶつけ本番でテント立てるのなんて愚か者のやることだが、いちいち確認するのは面倒なので、愚か者の道を選んだ。このへんはやっぱりオートキャンプを見くびっている姿勢がありありと出ているが、もうちょっと間違ったら結構みじめなキャンプになるところだったな。
とは言え、タープもちゃんと張って、割と立派な住居が建つ。
今回のキャンプは主に野外料理を楽しむことを目的にしている。
お昼の買い出しで、その欲望はだいぶ満たされたが、こういう場面でうちの妻は奮起する。僕は主に七輪の面倒見てた。
メインは桜鍋。東北なので芋煮も兼ねて。七輪+ダッチオーブンでやったので、時間はだいぶかかった。ま、キャンプ場でお酒を舐めながら長い夕食を取るのには向いている。
最僕はずいぶんと良い日本酒を覚えてしまい、その結果日本酒で大満足する機会も増えた反面、がっかりすることもずいぶん多くなってしまった。まぁ個人の好き好みなんだろうけど、ハードルが上がってしまったと思う。
本日の日本酒は、昼飯で食べた蕎麦屋の前にあった酒造で買ったもの。宮泉という酒蔵さん。 ここのお酒は、その上がったしまったハードルを越える、美味しい物だったでずいぶん幸せになる。
さらに、同じ酒造で買った、きゅうりの粕漬けは特筆すべき美味しさ。さけのつまみにもごはんにも良い。これはわざわざお取り寄せしようかとも思う。
大量に作った桜鍋は、バイクツーリングのお兄さんにもお裾分け。
振り出した雨の中、旅の話に興じた。
思ったよりも雨量が多い。朝になってもテントをたたく雨音はなかなか消えず、惰眠をむさぼる。
水はけの良いキャンプ場で、ほとんど不快な思いはしなかったが、あまりテンションはあがらない。まぁ、ゆっくりしにきたわけだから、丁度いいとも言えるが。
ほぼ何の計画もなく行動している。
お昼になったので食材の補給に付近の直売所へ。新鮮な野菜には事欠かないのだが、肉や魚の確保には難儀。
自炊するにも時間がかかるので、昼食は外食。
女どもは肉が食いたいすてきなレストランがあったはずだと騒ぎ出したので、その言葉に逆らわないことにする。
向かったのは町の中心部にあるイタリアン。イルレガーロというところ。
確かに、ずいぶんと素敵なお店だ。ちなみにこのエリアは村ごと再開発があったのか、セブン−イレブンも郵便局も統一感を保ったまま町づくりがなされ、あまり昭和的な観光地ではなくなっている。
お昼のだいぶ遅い時間に行ったが、それでもずいぶんと行列ができている。1時間くらい待ったんじゃないかと思う。
何しろ、高原の中の落ち着いた雰囲気のレストランだからな。秋の連休にはみな来たがるのだろう。
料理も、外観から予想されるようなものが出てくるので、平成のお姉様たちの需要に正確に答えている感じだ。
食後、さらに物産店を回りつつ、五色沼を散歩した。
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こういう気軽な景勝地があるのは良いよな。カメラを置いてきてしまったのは残念だが、行くつもりじゃなくても行けてしまうような気軽さだ。
ここは確か、小学校の林間学校で一度来ていると思うのだが、具体的な場面はほとんど覚えていない。その名前と、ずいぶんきれいだったはずだという曖昧な記憶だ。
僕が生まれて初めて登った百名山は、おそらく同時期に登った磐梯山だとは思うのだが、ここも頂上に着いたときの記憶は無い。肩のところでトンボ捕まえたくらいしか覚えていない。
夕食の前の温泉は、望湖の湯というところ。前日行った村営施設よりも泉質は良いが、湯船が狭く、休日の混雑時には長湯できなかった。
晩御飯は野菜中心。七輪で適当に焼く。きのこや若竹がすごく美味い。
食材としては、名前を並べてもそれほど派手なものはない。しかし、なんだか一つ一つがとっても美味い。富山に遊びに行ったときに、なんて食材の美味しいところだろうと思ったが、福島産もなかなかどうして。JAで精米してもらった白ごはんも、でっかいシイタケも、どれもジューシーだった。
風評被害に負けずに、これからも美味しい食材であってほしい。我々の胃袋はきっと応援をする。
昨夜から空模様が好転。
野外では、その日の運命はほとんど天気が決めるのだが、年間に何日もない良い日が本日である。こういう日は、気合を入れて遊ぶべきである。
風もなく、流れもない湖水では、思いのほかスムーズに移動できる。 ずいぶんカヤック向きな湖で、入り江に入っていくとどんどん景色が変わり、探検できる。次回は、一日かけてじっくり見て回ると面白いんじゃないかと思う。
テントを畳んだのち、西吾妻山へ向かった。
キャンプ場からは、峠を越えて1時間弱のドライブ。ケーブルカー、リフトを乗り継いで天元台というところが登山口。四方にコースは発達しているが、梵天岩という展望地までのピストンを選択。
妊婦でも登れそうなところというセレクションで、実際標高差は少ないコースだ。
が、終始緩い起伏という訳ではなく、7割くらいは木道の平坦な道だが、3割くらいはそれなりの急登、しかも岩が大きく、ちょっと歩きにくい。
しかし我が家の元気な妊婦には心配無用だった見たいで、大展望の稜線にご満悦な様子で、元気に登っている。
実際、とても良い山だと思う。
短いわりに登った感あるし、紅葉の樹林帯、岩峰のピーク、広々とした展望の湿原と、変化に富んでいる。山登りを始めたばかりの人をこういうところに連れてくれば、とても喜ばれるんじゃないかと思う。
リフトにも時間をとられ(高額な運賃も取られ)、4時過ぎに下山。
せっかく山形県側に降りたので、妻からは「米沢牛を買え」との厳命を受けた。米沢市内のスーパーをまわり、牛肉の購入に成功する。
日が暮れるまで遊び、ゆっくりと帰って3連休の渋滞を避けるという戦略は、それなりに狙い通り。 ちょいちょいインターで軽食とりつつ、渋滞らしい渋滞には出くわさずに帰れた。
しかし、まぁ遠いことは確かだ。特に我が家からは東北道方面のアクセスは悪く、会社を休まずに遊びにいける限界が裏磐梯界隈なんじゃないかと思う。
それに見合う魅力はあった。小笠原や北アルプスのような、ド派手な大自然ではないにしろ、沼も湖も山も、気軽にけっこういろんな変化が楽しめる。
人もそれほど込み合っていないし、食材は美味い。
毎年来るのは大変かもしれないが、また何度かキャンプしに来るんじゃないかと思う。
妻が喜び勇んで購入した米沢牛を食べる。割と良い肉買ったので、小細工はしない方がいい。フライパンで焼いたものに、塩つけるだけ。
高級和牛って、すごいことになっちゃっているよなぁ。アメリカ産オーストラリア産などの安い牛肉と、同じ種類の肉とは思えない。どう育てればこんなとろけるような肉質になるんだろうな。
やはり、シンプルな味付けがもっとも素晴らしく、塩か醤油を漬けるだけ、というのが最もよかった。ポン酢でさえ、ちょっと余計な香りとなるくらい。
それにしても、福島・山形で買ってきた食材の美味しいこと。ふつうのスーパーで買ってきた枝豆なんかでも、むちゃくちゃ旨い。
東京って一見食材が集まっているようで、実は大したことないんだろうな。
こんなに美味しい食材はそんなに売っていないし、売ってたとしてもけっこう高い。
農業地域から上京してきた人は、さぞやがっかりすることだろう。
添付のかつおのタレにヨーグルトを少し混ぜてみた。あとは刻んだ醤油漬けニンニク、紫蘇の実。
デザートザクを、ザク専用スプーンで食べる。これも東北土産。
賛否分かれそうな甘さだが、これはザクパッケージの爆発的人気を最大限に利用した売り方なんじゃないかと思う。ほかの売り方じゃ皆こんなに挑戦しないだろう。
一昨日から味噌漬けにしておいたぶりを焼く。
どうして味噌に漬けてくだけで美味しくなるんだろう。
なにかしらの微生物が、タンパク質をアミノ酸に変えて、それが美味しさにつながるというのが妻の仮説。
確かに味噌とタンパク質は相性が良いし、そんなところだろう。