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2012/9/15(土)

憧れの笛吹川源流、東沢。
何年も前から、綺麗な沢なんだと聞いていたが、ついに遡行することになる。

メンバーは、僕に沢登りの素晴らしさを伝えてくれた会社の上司のOさんに、前々から沢登りやってみたかったという冒険野郎のがーこ隊長。 スケールとメンバーがいい感じにタイミングの合った、会心の計画だ。
いかに良い計画が立とうと、天候、休みが取れるか等、それを本当に実行できるかは別問題だ。今回も最後までどうなるかわからなかったが、無事に出発の時を迎える。

ネット上の山行記録を見ると、沢で一泊する人が多いが、Oさんのこれまでの遡行は、一日で頂上の小屋まで歩き通しているという。小屋のある山域では、原則指定外のところでの野営は避けるべきだという至極もっともな意見に納得。今日も小屋まで歩き通そう。


道の駅から西沢渓谷の入り口までは30分くらいだろうか。そこから鶏冠山方面への脇道を入っていくと、東沢へのルートが始まる。


東沢と並行して、旧登山道が付いている。
状況に応じて、河原を歩いたり、険悪な谷に当たって進めなくなると旧道に逃げ込む。


最初の見所ともいうべき、ほら貝のゴルジュ。
ここまでで1時間半くらい、最初の休憩をとる。


山ノ神でお祈り。ここまでが旧登山道。





鶏冠山を仰ぎ見ながら河原を歩いていくと、左右から多彩な滝・谷が落ち込んでくる。
いちいちきちんと名前がついており、その度にOさんが紹介してくれる。


どれも、大きな一枚岩の表面を舐めるように、滝が落ち込んでくる。
このあたりの山は、まとめて一つの岩なんじゃないだろうか。エアーズロックにも劣らない。


東のナメは、踊り場となっているところまで一段登った。
けっこうツルツルで、見かけの斜度よりも登れなくなってくる。

沢登りって当初想像していたよりも濡れない。というか、濡れないように歩けば濡れないし、濡れるように歩けば濡れる。
僕はけっこう濡れるのも厭わずに歩く。水の中の方が案外良い足場があるから、という理由もあるが、ほかの二人に比べておおざっぱだから、というほうが大きいかな。 膝下まで濡れるくらいなら、それほど寒くないし、そんなに気にならない。


魚留めの滝で大休止。
青空と滝を見上げながら、幸せな充実感に浸る。


そしてここからが東沢の白眉。千畳のナメ。

こういう美しさって日本庭園にありそうだが無いと思う。奥入瀬渓谷渡瀬渓谷、そういう有名どころでも多分見ない。 僕は沢登りの時しか見たことがない。


この前後がこの沢の核心部だろう。
両門の滝、ヤエンの滝、めくるめく水の流れの七変化。

傾斜も段々きつくなる。
それほど難易度の高い滝があるわけではなく、恐い思いはしない。時折見かけよりも滑りやすいところがあったりするので、油断は禁物だが、岩登りの心得があんまり無くても、ロープ出さずに登っていける。

何かのスイッチが入る。
尾根道を登っていくときなんかは、半分考え事しながら、半分ぼーっとしながら、淡々と登っていくことが多い。長時間歩くときはマラソンランナーのように、そんな感じで過ごすのだと思う。

沢登りはまったくそうではない。もっとエキサイティングだ。とにかく夢中になって歩き続ける。
目の前に滝がある。岩が積みあがり、水が流れている。このどこに手をかけ、足を乗せていけばいいかを考える。とにかく2,3手実行する。水しぶきを浴びながらも、良い足場が見つかる。 落下の不安を払拭し、体勢を整え、体重を持ち上げる。 次の視界が開け、また美しい水流に魅了される。
そんなことの繰り返しだ。とにかく夢中になって登り続ける。

出発前は、テント泊の重い荷物背負って滝を登っていけるのかが不安だったが、まぁ何とかなる。いつもより足場に気を使う必要があり、体力も使うが、歩けないというほどではない。ヘルメットとリュックのヘッドがぶつかって、上を向きずらかった。

やっぱり今回のメンバーは、けっこうバランスが取れているんじゃないかと思う。 Oさんは沢登りの経験が最も豊富だが、ブランクもあるようだ。がーこは今回が初の沢登りだが、岩登りのスキルが抜きんでている。僕は体力には困らないが、沢の経験も岩登りの技術も豊富にあるわけではない。
三者三様、それぞれ挑戦があるし、チームとしてはほとんど不安がない。

さらに進むと、伏流水になる。 踏み跡は右の樹林帯へ入っているので、我々もそれに倣う。 樹林帯にはたき火跡が多く、ここで野営する人たちが多いようだ。この樹林帯ゾーンはけっこう長く、段々あきてくるし、確かに疲労具合からも、そろそろ泊まりたいかな、という頃合いだ。


再び水が出てきた頃、野営する先行パーティに会う。
沢で会ったのは、結局2パーティ。


ミズシ沢の先で大休止。けっこうな大雨にさらされるが、一瞬で止んだ。

木賊沢のあたりで、やや道を失う。ピンクテープを追って右手の樹林帯に入っていったが、道は段々怪しくなってきた。
木賊沢を越え、対岸に見えるピンクテープを目指したが、ここでロープ使用。まぁせっかく持ってきたし、活躍の場があってよかったが、どこが正解だったのだろう。


最後のナメ。傾斜はますますきつくなり、体力は消耗するが、最後まで美しいコースだ。

そしてついにゴール。
甲武信の山小屋のポンプ小屋へ到着。 わらじの山ができている。

テント設営のころから何度か雨がパラつくが、覚悟していたほどには降らない。
もう、ほぼすべてのハードルは越えた。期待していた楽しみは、その通りに報われた。


ずいぶんと濃い虹が出た

深い疲労、それと同程度の充実感に満たされた晩ごはんは、各自思い思いに調理する。このあたりが、普段は単独行動を主体とするメンバーな感じだ。

腹を満たし、酔いも回り、そろそろ寝ようかという頃に、隣のテントから宴会に誘われ、さらにもう一飲み。今日の沢の素晴らしさを熱弁した。

2012/9/16(日)

沢登りを始めると、頂上に対するこだわりはだいぶ薄れることが多いようだ。 その気持ちは分からないでもないが、何しろ頂上直下の小屋まで来ている。ピークを踏まない選択はない。
空が白み始めた頃に目を覚まし、頂上まで日の出を見に行くことにする。


テントから顔を出した頃は鮮やかな東の空が見えたが、頂上に着くとどうもいかん。 ちょっとガスに囲まれ、日の出はモヤモヤとはっきりしない感じ。

しばらく頂上に突っ立っていると、みるみるうちに雲が晴れてきた。 富士山、南アルプス八ヶ岳北アルプス、全部見えた。さすが標高2500mの大展望。 この山からは、槍ヶ岳北岳なんかの有名山岳が、手前の山の間から旨いこと顔を出している。


薄いながらもブロッケン現象も見られた。




絶好の快晴の中を下る。長く単調な尾根だが、ところどころ展望がある。


最後は尾根道から外れ、沢側へ降りた。
こっちのほうがマイナールートだが、変化に富んで良かったんじゃないかと思う。

道の駅到着は13時ごろ。約4時間の下山。

●Oさんの写真日記へ
フルサイズの一眼レフを持って入渓する人は、そう多くはないんじゃないかと思う。ぜひご覧あれ。

道の駅で蕎麦でも食べて帰ろうということになったが、向かった道の駅には軽食コーナーのみ。
向かいにあるほうとう屋さん行ってみるも、2件とも昼食時間は終わって準備中に。 まぁ軽食コーナーでも良いか、ということで蕎麦をすすり、2日間の沢旅を締める。

帰り道はやはり、死ぬほど渋滞。出発1時間の差が、帰り道2時間くらいの差に広がってるんじゃないかと思う。
たかだか100km程度の道のりなのに、4,5時間かかったぞ。自転車で帰りたくなる。

やたらと遅い到着となったが、妻が晩飯つくって待っててくれた。

2012/9/17(月 祝)

朝から行列並んで、近所のプラネタリウムへ。
素晴らしい星空だ。本物で同じくらい見える夜空は、標高3000mの快晴の時だとか、オーストラリアあたりの大平原行く必要があるんじゃないかな。

しかし当然のように、眠くなる。お兄さんの声はあまりに癒し系で、わざと眠らせようとしているんじゃないかと思う。
約45分、非日常空間が味わえることは確かだ。天文教育以外にも、いろんな利用法がありそうだが。

そのまま公園でランチ。
陽射の下でビールを飲みながら、妻の作った煮物をつまむ。

産婦人科で、妻は体重の増加を注意されたらしい。
塩分水分カロリー取りすぎるな、運動も余りするなと、けっこう厳しい。彼女は食べるのを何よりも楽しみにしているので、ちょっと可哀想だ。 そんな訳で、僕の皿には肉が山盛りになっていた。

2012/9/18(火)

ピータンは熱変性か化学変性かで妻と対立。
Wikipedia様にお伺いをたてたところ、結果は化学変性で妻の勝ち。強アルカリ性の泥につけると、あのような不思議な固さになるらしい。
妻が心配していたサルモネラ菌は、強アルカリ性のために生存できないらしい。中国四千年の歴史が産んだ珍味が、そんな低級菌類に負けるわけないのだ。

2012/9/19(水)

今日もやっぱりカロリーを抑えめにしなくては、ということで、なるべく油や塩を減らして冷しゃぶを作った。

2012/9/21(金)

妻担当の晩餐。
低カロリーの献立を目指すと、僕の料理に似てくる気がする。


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