今シーズン初の沢登りだ。
昨年から目をつけていた、西丹沢のマスキ嵐沢へ。なんでも、三大デート沢の一つということらしい。
デート沢というのは数年前の登山雑誌に特集されていた、「三大○○沢」というようなものの一つで、そのまま孫引きすると『デート沢とは関係を深めたい異性[初心者]と楽しむために神様が用意したような渓をいう』とのこと。我々は新婚1年が経過したので、デートと呼んでいいのかどうかは議論の分かれそうなところだが、初心者であることは確実だ。神様が用意してくれているのならば、是非とも行かねばならない。
今回は入溪地点と下山場所に距離があるため、自転車を持っていく。下山場所に車を置いたあと、チャリで入溪地点まで移動し、帰り道に車でチャリ回収していこうという戦略。 押入れのコヤシとなっていた自転車キャリアを有効活用したいのだ。
朝起きてから出発を決め、支度を始めたので、昼前の遅いスタートとなる。ガイド本に拠ると登り2.5時間のコースだが、我々はそんなに早く岩場突破できないだろう。まぁ4時間見ておいても、まだ夕暮れに余裕はある。
東海自然歩道の一部を30分ほど歩き、大滝沢からマスキ嵐沢に別れたあたりから入溪。
うわさどおり、なんだか全く退屈するところのない沢で、最初から最後まで美しく、楽しい。さすが、神様が用意してくれただけのことはある。
渓谷の様相が美しいし、適度な頻度で適度なレベルの難所がある。その難所の手ごたえが、我々初心者にとってちょうどいい感じだ。
「お助けロープ」の使い方について、妻との合意が進んだ。
彼女は以前登山の先輩(兼会社の上司)から、わりときちんと岩登りの教育を受けたようだ。その成果の一部は沢登りにも使えるはずだが、たぶん似ていて非なる技術もあるんじゃないかと思う。岩登りに置いてはロープは文字通り命綱で、万が一の事故を避けるためのいろいろな約束事があるようだ。
が、その約束事を、スリップしても命の危険性のないような沢登り中のちょっとした難所に持ち込む必要があるのかどうか。
お助け紐の使い方は、滑落時に落下を食い止めることよりも、足場がすべるときなどに一手分のホールド代わりにすることのほうが、頻度が多いんじゃないかと思う。滑落のリスクの大きさが、オーバーハングの岩場を登っているときとはだいぶ違うのだから、それに見合った約束事や利用法があると思っていたのだが、「こういうところはお助けロープつかんで引っ張ったほうが楽で安全」という箇所がいくつかあった。
その場その状況に合わせて、適切な道具や技術を選択していければ良いのだろうが、今後もっとキャリア積んでいかないとな。
一箇所、ザイルで確保した場面もあり、ザイルを背負ってきた甲斐がある。何しろこういうものは使っていかないと身につかない。
ツメも苦労しない。そう苦労せずに登山道へ出る。 ガレ場対策のために用意したアイスピック代わりのダブルマイナスドライバーの有効性は確認できたが、本格的に活躍してもらうのは次回以降だな。
なんと、下山に苦労する。終わったと思っても油断できないもんだ。
なかなか標高下がらないと思っていたら、地図には乗っていないが、畦が丸への縦走路がついており、そっちに入り込んでいた。下山道が進行方向後ろ側にヘアピンカーブになっており、そこを気づかずに通り過ぎてしまった。
1079mピークから下っていく尾根を正解の下山ルートと間違え、道に間違えたことを確信するのがさらに遅くなったが、なんとなくついていた仕事道からケモノ道程度となり、さらにそれすら消えていく。さすがにこれはおかしい。
峰らしきピークまで登って、現在位地を同定できるまではけっこう混乱した。15分行き過ぎて、30分迷って、15分で戻るような感じで、一時間程度のロス。
自分の現在位置を正確にイメージできていないとこういうことになる。まだまだ甘い。
先日行き損ねた、近所の素敵なバーへ行く。
4周年記念イベントということで、とっておきの発泡ワインが破格の値段で出ていた。
凄まじいまでに良心的なお店。それでいて出てくるお酒や料理の質の高さもすごいのだから、何だか足を向けて寝られないようなお店である。
今週こそ釣りクルーズ。
釣りクルーズは久しぶりなので、弱気になって餌釣りのキス狙いで坊主を避けんとする。しかし考えてみれば僕以外のクルーはほぼ初心者だ。
揺れる船の上で、手際良く仕掛け作ってエサ付けて、投入し、仕掛けのチェックをまめに行ないつつ、周囲の船に気を配れるほど、船長としての僕のスキルは高くない。アンカリングしたり、もっと広びろとした海域ならば良かったのかもしれないが。
浦安出港後に最初に見つけた船団、木更津沖のたぶんキス狙いのポイントは全然駄目だった。ポイントが悪かったのか、スキルが悪かったのか、はっきりと判断できないのが初心者のつらいところ。
富津岬を越えると海は変わる。水深も深まり、工業地帯も終り、南の海の癒し系な感じになる。
昼ごはんは神奈川県側にするか、千葉県側にするか。
そんなことを迷いながら、潜航板のトローリング仕掛けを曳いてみると、仕掛けが馴染んで間もなくヒット。丸々と太ったサバが釣れ、船内のテンションが上がる。
更に二匹目もほどなく釣れる。型の良いゴマサバ。釣れる時はこんなもんだ。
昼ごはんは千葉県側、竹岡マリーナに電話して向かう。最初、間違えて竹岡漁港のほうに行ってしまう。以前も同じ間違いをしたが、正解はもう一つ南の荻生漁港のほう。
竹岡マリーナは、とっても家庭的で、まったくもって商業的でない。
ランチメニューは洋食中心だが、頼めばお刺身なんかも出してくれる。
適当に見繕って出してもらったら、メチャメチャたくさん出てきた。漁業を本業にしているようなので、新鮮で美味しい。刺身頼んだくらいのはずだが、煮魚も焼き魚も出てきて、どんどん食べろ食べろという感じ。注文してからだいぶ時間がかかる点も含め、料理屋さんに食べにきたというよりは、漁業やってる親戚のところに遊びに来たという印象である。値段システムがどうなっているのか、信じられないくらい安い。
保田漁港も賑やかで良いが、こちらのほうが穴場だろうな。
食後もトローリング仕掛け曳いてみるが、魚は掛からず。
夕方17:30ごろ帰港。細かいトラブルはあるものの、おおむね順調な航海。
何しろ昼ごはんたくさん食べたので、晩飯は軽く。昨日届いた、今月のチーズつまみながらワインを飲んだ。
ゴルゴンゾーラドルチェがすごく美味しかった。
昨日の獲物を食す。全般的に、カスタムメイド性の高い献立となった。
久しぶりに自分で釣った魚を食べたが、大自然から頂いた生命を、大事に下処理して全部食べる行為は、なんだかとても正しいことをしているように思える。
身の部分は単純に塩焼き。とても肉厚でジューシーで、東京湾の魚が不味いとは言わせない。 中骨と頭はアラ汁にして、魚卵は醤油とみりんに漬けておいたのを炙った。
墨東の長屋っ娘みっちゃんの、長屋お別れパーティに招かれた。
相変わらず彼女らしい飲み会で、様々な分野の人たちが足の踏み場も無いほど集まる。僕にとっても初対面の人が多かったが、かなりの参加者が初対面同士であるようだ。一声かければ30人くらい人が集まる。それも何らかの団体というわけではなく、個人個人のつながりで以って。これは確かに彼女の人徳であり、特殊能力だ。その能力をどう生かしたら良いものか、悩んでしまうところもあるが、久しぶりに目の当たりにして、単純にすごいと思う。
近年勢いのある向島の町、その一角にある、地域を代表するといっても良い雰囲気を持った長屋の貸し住まい。
たぶん、彼女は選ばれたのだ。
具体的に、その部屋のデザイナーに選ばれて入居した経緯はあるものの、それよりも運命に選ばれた、部屋自体に選ばれた、という印象のほうが強い。彼女ほどその部屋の魅力を引き出し、生かした住人というのは、今後もそうそういないだろうな、という感じがする。
その時代が、3,4年続いた。きっとそういうのは、永遠に続かないほうが良い気がする。はまり過ぎて怖いというのもあるし、一定期間だから美しくなる、というのもあるかもしれない。
そういう時代を傍目ながら見られたというのは、良かったのではないかと思う。
水曜の夜、帰宅したあたりから体調がおかしい。せっかく作ってくれた晩飯も大してのどを通らず。
前日の酒と睡眠不足の影響かと思ったが、さに非ず。
久しぶりにガツンと風邪を引き、2日間会社を休んだ。
症状は、完全に消化系に集中。口に入れたあらゆるものが、そのまま特急電車で尻の穴へ直行し、トイレから離れられない生活となる。
医者行くと、ウイルス系のお腹の風邪だろう、とのこと。ノロウイルスかその近隣種か、特定も難しく特効薬もないらしいが、安静にしていればいずれ治るので特に心配はない様だ。
一時、久しぶりに高熱も出たが、ウイルスやっつけるための反応だと思えば理にかなっている。
そんなわけで晩飯は、うどんくらいが精一杯だった。主食はおもにポカリ。