達磨山計画が始まって7年、関東の天候が安定するこの季節だが、これまでで最も天候の悪い年となった。
何しろ金曜の時点で、周辺は積雪30cmとのこと。冬用タイヤが必要だそうだ。係の方も、明言こそしないものの、キャンセルしたほうが安全ですというような対応ぶり。
それならば仕方がない。前日準備しておいたように、宿泊場所を変更しよう。
ということで恒例の達磨山計画は、達磨山に行かない回とすることにした。 今回も直前まで参加人数は出たり入ったりして、結局24人。昨年とだいたい同じくらいだ。
総勢24人ともなると、集合するだけで一大事だが、お昼ごろには沼津港に無事集結。
昨年美味しかった小さなお店を貸し切るか、天気が悪いせいか比較的空いていることを良いことに、いつも混雑している店に行くか。
5人10人なら、皆と相談しながら方向性を決めていけるが、20人ともなると意思決定の方法が変わっていくな。段々組織化が必要になってくるが、達磨山計画ではリピーターや車の運転手、料理人がその時々での幹部に当たるのだろう。
今回の宿泊場所は東伊豆、伊豆高原の泉郷だ。会社の労働組合が保養所契約をしているので安く泊まれるのだ。
沼津港からの距離は、達磨山より少し遠いものの、計画に大変更がいらない。達磨山より施設面では期待でき、価格はちょっと安いくらい。眺望では劣るが、まぁ今日の天候では何も見えないし、道路状況のほうが重要だ。雪は、主要道路や街中はまったく積もっておらず、油断したが、さすがに峠越えの道では雪が残っていた。カーナビ頼りにせず、太い道を選んでいくべきだったな。
先発の会場設営班、後発の買い物班と分乗し、16時半ごろ伊豆高原に再集結。
泉郷は、以前安曇野の施設を利用したことがあるが、伊豆高原は初めて利用する。
文字通りの貸し別荘で、それぞれの別荘にはオーナーがいて、不在時に泉郷が会員客に貸し出しているようだ。オーナーと泉郷による別荘シェア、という形だろうか。なので、建物の形、間取りはまちまち。
形式として、うまく利用できると面白いと思う。
台所は一般家庭にあるようなくらい。これも棟によって違う。 一棟一棟の距離がそこそこあるため、(実際の距離は大したこと無くても、玄関から玄関へは斜面を上り下りする必要がある) 隣の台所と調味料を共有するのはけっこう面倒だった。鍋、フライパン、皿等は最低限そろっている。が、今回のように大規模に料理するときは、やっぱりアウェイキッチンではどうしても小物等の不足で手間取ってしまうが。
主に旅先で知り合った人がメインで、行動力にあふれた人が多いのだが、なんだか日本酒好きの割合が高い。 みな、自分が自慢したいお酒を持ち寄ってくる。その結果、その辺の飲み屋ではお目にかかれない選抜チームが生まれる。
宿泊旅行であることを良いことに、いくらでも飲み続ける。
小笠原の魅力、日本酒の魅力についてのグテングテンな力説に付き合い、5時前まで飲むことになる。
絡み酒の美人というのも性質が悪い。馬鹿に刃物。
満場一致で蕎麦が食べたい、ということになる。
近場の蕎麦屋に連絡すると、20人分ともなると新しく蕎麦打つということなので、さらに温泉でゴロゴロ。
国道から一本わき道へ入り、更級蕎麦だったかな。 大人数で押しかけ店内をパニックにさせるも、皆でせいろ何枚も追加注文。
食材はけっこう余った。ブリも半身あるし、アンコウも優に大鍋で作れる。
僕は来週も出張生活で我が家もそれほど食材消費できないが、他の方々に引き取ってもらうのも気が引ける。
解決策は一つ。
ということで、我が家に帰宅後、そのまま有志で達磨山二次会。
思ったより皆さん来てくれて、総勢9人。
24人で宴会するのも賑やかで結構だが、やっぱりこれくらいの人数が宴会の適正人数だ。
ホームグランドとなるキッチンは、準備もしやすいし。
鮟鱇鍋の〆として、中華麺を入れる。濃厚なスープと相性は良い。 お酒も綺麗に片付いた。
大変に眠いが、寝坊せずちゃんと起きた。が、信号事故+回数券切れたことで、目標の新幹線への接続に失敗し、さらに駅からのシャトルバスでは、タンクローリーだかの横転事故でひどく渋滞。やたらと時間がかかった。
晩飯は、まだお店のやってる時間に終業となったので、駅前の丸亀製麺で釜玉うどん食った。
東京は積雪があったとのことだが、出張先はまったく降らず。
数年前まで、僕の立てた旅行計画は、ほぼ必ず晴れていた。
50戦して50勝とか、100戦して完璧な天候が50、ちょっとだけ曇る時間もあるという程度が30、小雨くらいはぱらついても夕日の時間は綺麗に晴れた、みたいなのが20、というような印象で、天候が悪かったなぁという思い出はほとんど無い。
達磨山計画だって、日本中荒れた天気でも関東東海だけ快晴だとか、そういうことばかりだった。
天候を司る神様に愛されていたのだろう。
恋人が出来たころから、人並みの晴天率になってきた気がするので、きっと神様は嫉妬深い女性だ。
もうちょっとましな理由も挙げられる。当時は、計画を立ててから天気予報を見るのではなく、予報を見てから行き先を決める割合が、今よりも高かった気がする。単独行が多かったし、誰かと行く時も少人数だったからそれができたのだが、最近は人数が肥大化することも増えて来たからな。
まぁ、試行を繰り返していけば、いずれは悪天候に当たることは避けられない。 天候に関して完勝を続けたまま独身時代を終えたというのは、区切りとしては悪くない。
帰宅して久しぶりに自炊。砂肝をニンニクと牛乳に漬け込んで炒めた。
実は僕は達磨山ではあまり飲まなかった登戸エール。落ち着いて飲んでみたら、ちゃんとけっこう美味しかった。
ビールを造ると澱が大量にできる。日本酒の酒粕があんなに美味しいのだから、ビール酵母をそのまま廃棄してしまうのも気が引ける。
とはいえ、日本酒の酒粕のように調味料としては苦くて使いにくい。これまで、パンを作るときにくらいしか利用できなかったが、入浴剤として風呂に入れてみた。
実感手キル程度に肌がすべすべになった。
下手な入浴剤はおろか下手な温泉よりも、効果がある気がする。微生物の活性は最高潮な状態だろうから、肌に余分な栄養でも付いていたら、アルコールと二酸化炭素に変えてしまうのかもしれない。