11月18日(木) 〜 平成22年11月21日(日) に富山市にて開催される写真展「自然活き活き」に、3点ほど作品を出展します。
近隣の方は、覗いて頂けると幸いです。
詳細はこちら
●開催期間: 平成22年11月18日(木) 〜 平成22年11月21日(日) 9:00〜18:00
●開催施設: 北日本新聞社 ギャラリー 〒930-0094 富山市安住町2−14 TEL 076-445-3300
明日はアドベンチャーレース。四国の右下、徳島-高知県境あたりで開催されるレースへ参加する。今日は神戸まで移動し、そこで一泊。午後は会社を休んで、晩ごはんは神戸の友達と食べることにしよう。
午後休んだついでに、税務署行ったり買いものしたり、細かい雑用を割合効率的に済ませ、それなりに順調に神戸着。
元町の安ホテルに宿泊したので、晩ごはんも元町。
O女史と合流し、お薦めの小箱のお店のうち、一軒目で運よく空席が見つかる。
わりと食道楽な彼女のお薦めなら間違いはない。
そう予想した通り、大変すてきなお店だった。刺し身、あぶり物、地酒、どれも上品だ。いろいろおしゃべりをしているうちに、あっと言う間に終了予定時刻を回ってしまう。確か閉店間際までいたような。
関西圏に来る度に思うが、接客の対応がすごいちゃんとしているよな。
終電で神戸入りしたがーこ隊長と合流し、ホテルへ。 宿泊は元町徒歩10分程度の安ホテル。和室3人一部屋、大浴場付で9000円弱。TPOにあっていたと思う。
さて、今回参加するアドベンチャーレースとは何なのか。
明確な定義は良く分からないが、自然の中でカヤック、トレイルラン、ラフティング等、様々な競技をこなしながら課題をクリアしていくレースである。どの競技が選ばれるかは大会や開催場所によって違うが、地図を見ながらのルートファインディングと、チームによる競技であるという特徴は共通しているようであ
。MTB、カヤック、トレイルランが今回の協議だ。
我々にとっては今回が初参加だ。メンバーは大雪山縦走で一緒した5人のうち3人、がーこ隊長、MKちゃん、ごんずいで、それぞれ各種のアウトドアで経験と冒険を積んできた、それなりに腕に覚えのあるメンバーのはずである。
フィールドは四国の右下。大会名にも「四国の右下」と入る。徳島-高知県境の徳島側だ。リアス式海岸の複雑な地形で、僕は10年ほど前の自転車旅行の時に通ったときに初めて知ったが、自然環境に恵まれた魅力が印象的だった所だ。
早朝にレンタカーを借りて移動開始。カーナビの設定にやや手間取るが、予定どおり7時に高速へ乗る。
神戸から徳島はかなり近く、走りやすい高速を順調に移動。関西圏の人は四国は身近なんだな。
懸念していた食料補給は、やはり早朝から開いているスーパーがなかなか見つからなかったが、徳島郊外、阿南の手前あたりで24時間スーパーを見つけ、食料も補給。そこからも、至極順調、10時過に現地入り。時間どり受付を済ませられるかも懸念点であったが、まずはスタート地点まではたどりついた。
開会式で地図を渡され、13時スタート。 最初のステージはチェックポイント1から4まで、途中カヤックとチームチャレンジがある。基本的にはオリエンテーリングで、その間に課題がある、というようなレースだ。このステージに限ってはどの順番で回っても良いが、カヤックとチームチャレンジは出場チーム数の半分程度しか同時にできないため、順番町しないように考えろ、とのこと。
スタートともに全チーム走りだす。1分1秒を争うレースではないとは思うが、まぁ、景気よく行きましょう。
体力を問われるだけでなく、どちらへ向かうかの判断力も問われる。道の分岐に差しかかる度に集団は2つに別れ、4つに別れ、散っていく。
半分以下の順位にならないように道を選んでいき、CP1のカヤックポイントにはタイムロスなく到着。
入り江を渡って対岸のポイントにあるキーワードをチェックして戻ってくるというのがカヤックの課題。カヤックでオリエンテーリングをやるというより、一つのアトラクションというくらい。
カヤックに関しては、我々に利があったようだ。
何しろがーこ隊長は限りなくプロに近いアマチュア、知床の海でガイドツアーの手伝いなんてやっている。入り江を一つ渡るのなんて準備運動にもならないんじゃないかと思う。我々も、参加者の中では慣れている方みたいだ。じわじわと、集団の前の方へ進んでいく。普通はカヤックやる機会って少ないのだろうか。
スタート時は6番目くらいだったが、対岸に着いたころには3番目程度につけ、帰ってくることにはトップに躍り出た。艇を片付けている間に受付の順番は抜かれたが、幸先の良いスタートで気分は良い。
次はチェックポイント3のチームチャレンジへ向かう。 ここは、電車ごっこをやりながらアスレチックを越えるという課題。なんだか笑いながら狭いトンネルをくぐっていく。
チェックポイント2は普通のポイント。順不同に回れるCP1〜3は海岸の一つ内側にある淡水湖の周囲に点在していて、それぞれ右回りで進むか左回りで進むか悩ましいところである。いわば、巡回セールスマン問題を肉体で解くことになる。我々の選んだ最適解ではなかったようで、CP2のところでは何チームかに先行される。CP2では、明らかにルートではない反対側の薮山から降りてくるチームに会った。そういうコースを取ってしまうと時間のロスは相当大きいだろう。
CP4でスタート地点に戻る。右回り、左回りの選択は思ったよりも大きかったようで、期待していたほど順位は前の方ではなく、真ん中くらい。 まぁ、しかしその差は10分もないだろう。
CP5〜11が第2ステージといった様相で、マウンテンバイクで回る。
林道の途中にある5を抜け、ヤブ山頂上のCP6を目指す。
ここが偉いこと大変だった。林道はあっと言う間に山道になり、登山道になり、仕事道だか沢だか分からないような状態になる。
ここは、自転車おいて歩いて行くことも考えていたが、主催者に聞いてみたら自転車とともに行動してくれとのことだったので、自転車は押したりかついだりしながらの移動だ。
倒木の多いルートファインディングが必要な道だ。普通に歩くのもけっこう大変だと思う。そこでMTBかつぐと、倒木が車輪に刺さったりチャリが重かったり、なかなか前進できない。牛馬を連れての行軍。難所でおびえた牛を、皆で押しながら進んで行くようなイメージ。
普通の登山ならいくらでもこなすMKちゃんだが、やはり女性。自転車かついでの薮こぎは苛酷なようだ。がーこと僕でかなりフォローしながら歩く必要があり、交代で3台を運ぶ。肉体労働に100%のエネルギーを取られるので、ルート判断、斥候はMKちゃんに任せる。
後ろからぐんぐん抜いて行くチームもあれば、途中でへばっているチームもある。別の尾根を登っていったチームもあったように思う。 この状況をあと一頑張りで越えられる、という目処がなかなか見えない。この大会の昨年の記録をネットでみたが、かなりすさまじい状況だった。今年はそれよりも簡単そうだなと思っていたが、やはり、なかなか厳しいことを要求してくる。
ようやくCP6の山頂手前の峠が見え、つづら折りで稜線到達。一登りして山頂のチェックポイント到達。
この時点で16:20。わずか標高差200m、直線距離で1kmに満たない小さな丘を登るのに1時間半かかってしまった。
次のCP7には制限時間があり、16:30までに到達できないとCP8〜10へ進む資格がなくなる。かなり厳しい状況だが、とにかく進もう。
下山も、道がある訳ではない。麓のあたりでは谷筋に林道があり、前のチームはそれを目指して谷筋を降りていったようだ。我々は西に真っすぐ尾根沿いをとり、途中歩きにくい箇所もあったものの割と順調に林道へ到達。ここは尾根沿いで正解だったんじゃないかと思ってる。
残念ながらCP7の門限には間に合わず。第2ステージ後半の8〜10へ進めなくなる。それにしてもここまでの疲労困憊は滅多にないぞ。
順位は、まんなかあたりのままだ。歩いている時は前後に他のチームが見えなくなったが、先に到達してぐったりしてるチーム、途中であきらめて道路から回り込んできたチームなんかが集まっている。
CP11からは歩きのステージ。今度は得意分野のはずだ。機を取り直して頑張ろう。
空が美しく染まって行く中、CP12は順調に通過。地図の距離感をつかんでいく。
続いてCP13。林道の途中にあるが、その林道の入り口はどこか。それらしいのが一つ二つ。
一つ目の入り口は近すぎる。多分違う。
二つ目の入り口が距離的にも進む角度もそれっぽいが、突入してみると少し雰囲気に違和感。仕事道という感じで、少し進むと山へ向かい、道がはっきりしなくなる。それでも強引に進むと、なんと歩いているうちに元の場所へ戻ってしまった。
それじゃ違うのかと、他の場所を探す。しばらく歩き回るが、入り口が見つかる前にどうも道の進行方向が変わってしまう。 そうこうしているうちに、チラホラヘッドランプの列が周囲に増え始める。 他のチームも入り口探すのに苦労しているようだ。
じゃあやっぱり、さっきの入り口が正しかったのではないだろうか。 ほかに仕事道らしきものも無いではなかったし、こんな土地の、徳に特徴も無いような里山だ。今どき歩く人もほとんどいないだろう。国土地理院の地図記載の林道だって、ほとんど廃道になっているのではないだろうか。 先程の例から言っても、かなりの厳しい道を歩かせる大会だ。夜の仕事道をたどることくらいやらせるかもしれない。
再び先程の入り口から入山。いくつかのチームも後続してくる。
探せば、やはり他の道もある。たどって行くと、時折太くなったり、か細くなったり。
頼りの地図は、尾根と谷が入り交じり、なんだか地形が分かりにくい場所だ。とにかく方位磁針を確認して大外しをしないように、進めそうなところを探して進む。いくつか目印の杭が打ってあったので、林業の人は使う道なのだと思う。
次の門限はCP13の19時半だ。だいぶ時間をロスしたが、何とか間に合うかどうか。距離的にはそう遠くないので、道がつながれば届くとは思うのだが。
時に薮をこぎながら、無理やりなんとか小ピークに出た。ここから進路は南だ。ほとんどが笹地帯だが、わずかに笹が薄いところがある。そういうところを探しながら南へ南へ進む。 最近は沢登をかじり始めたし、これまでだってヤブ山は歩いている。多少の仕事道でも、足裏の感覚を頼って進んでいく。
地図上では、ピークからCP13へは南へ真っすぐのはずだ。 が、段々南へ進めなくなる。南は濃い笹の急降だ。強引に一歩進んでも、戻れなくなるような地形で、これはさすがに無理だ。どうもおかしい。
木々の間から、真南に2つのピークが見えた。ヘッドライトを消すと、確かに谷の向こうに山があるのが確認できる。
あれ?どういうことだ?
正しい道を来ていたら、そういうことは起こらないはずだ。
目指すべき方角は南南西だが、今歩いてこれたのはどちらかというと南々東だ。
これは道を失ったようである。では今はどこに居るんだ?
皆であーでもないこーでもないと相談しても、なかなか納得の行く答えが得られず、次の行動も決まらない。このまま強引に南を目指してもCP13の横を気づかずに素通りしてしまうかも知れず、その場合は海沿いの国道に出ることになる。
この時点で、既に門限はオーバーしている。先程までは5、6チームが続いて来ていたが、振り返ると1チーム。唯一の女性のみのチームがついて来ている。他のチームは、我々が薮を漕いでいる時に別ルートを取ったり、あきらめて引き返したりしたのだろう。
我々3人で強引に南を目指しても、この女性チームはついてこれないだろう。
ここに至って始めて、「諦めて引き返す」という選択肢があることに気づいた。
時間に追われたレースであること、疲労が溜まっているのに十分補給や休憩を取らずに無理して進んだことから、判断力が低下していることに気づかないまま進んでしまったようだ。
よく考えてみると、これは引き返すしかない状況だ。現在位置が分からないのだから。それに、13へ着けたとしても、どのみち自転車を取りに11まで戻らねばならない。満場一致で戻ることにする。
引き返すのも、それほど容易なことではない。暗闇の中、怪しげな仕事道をたどって来たのだから。下るパワーを利用して進んだヤブもあったかもしれない。
登り返しが必要だと思っていたが、北へ向かってトラバースしているうちに何となく通ったような乗越に出た。さらに進むと、集落の灯が見える。なんか思ったよりも近い。そこを目指せば帰れそうだ。
2チーム6人で進んでいくと、結構はっきりした沢筋の道に出た。そこをたどっていくと、入山したところの隣の橋に出て無事生還。
大きな安心感と敗北感、それに疲労感。
もうちょっと通用すると思っていたんだけどなぁ。良いところを出せないまま終わってしまった。どこが正解でどこで間違ってしまったんだろ。
それにしても疲れた。身体の芯まで疲れ果てた。ここまでの疲労はなかなかないぞ。
そういえば、ほとんど休憩も補給もしなかった気がする。精力のほとんどを絞り出した感じだが、そんな中でも悔しさが心を占め、変な興奮状態になってゴール地点を目指す。
頭上に広がる天の川が、やたらときれいだった。
テントに戻て晩飯。ビールで悔しい乾杯をして、買ってきた野菜をゆでる。
うどんは大正解。
疲労でほとんど思考力はない。うどんは暖かくて美味く、腹に入れたら何も考えずに就寝。
昨日は大変つかれた。そして大変悔しい。
本日は帰るだけで、午前中は徳に予定が無い。昨日の道の何が悪かったのか、もう一度検証しに行くことにする。
完走した人たちの話では、どうもCP13までは分かりやすい道があったらしい。
実際に昼間の明るい時間に車で見に行くと、確かに地図どおりのとっても分かりやすい道があるじゃないか。
正しい入り口の手前で、道が北向きに変わったものだから、もう集落のはじっこまで来てしまったのかと判断した。しかし、道が北向きになるのは一瞬だったようだ。日が暮れていて難易度は上がったかもしれないが、ここはきづかなきゃいけない簡単な入り口だったぞ。
なんてことだ!我々は関係ない場所で、勝手にアドベンチャーをしていた。
しかも、我々のチームが(特に僕が)呼び水となって、周囲の何チームかを間違った方面に引き込んでしまった。完走率が下がったのは我々のせいだな。
なまじ薮漕ぎできてしまうから、普通の人が引き返すような場所でも突破してしまって、被害が拡大した感もある。 制限時間も競争相手もあるレースだから、正常な判断ができなかったというのもあるかもしれない。
うーん。
我々は基本のキの字もできていなかった。地図の読み方が甘かった。道に迷った時の行動がまったくなっちゃいなかった。
それぞれちょっとは野外の活動に慣れてきたつもりだったが、全然甘かったな。
行動を検証しよう。
第1ステージの順不同エリアは良いとして、次の第2ステージ。
目指したのは図に示す赤のルートだが、実際には緑を進んだと思う。
他にも、隣の山からの尾根沿いのルート(茶色?)を進んだチームもあったようだ。青のルートが一番早いようにも思えてくる。
が、多分大局的には大きく外していないだろう。
ここは自転車をかついで薮を突破するパワーと経験不足で、判断力を誤った訳ではないと思っている。
CP6→7への下山は、たぶん正解。ただし、林道と林道を結ぶ峠越えの道もあった可能性もある。
そしてCP13周辺。
入り口を間違えた結果、203高地の南側の尾根に出てうろうろしているうちに、CP14のあるピーク付近で敗退したのだろう。
尾根と谷が入り組んでいる地形で分かりにくかったのだが、そもそも地図が読めていなかったんだな。窪地とピークを読みちがえていた。
道に迷った時の行動もまずかった。 樹林帯の何も見えないところで地図だけを眺めていても何も分からないので、迷った時は少し周囲を歩いて探す必要を感じている。その斥候の作業をしているうちに後続もついてきて、そのまま進んでしまうということが度々あった。
正しくは、迷う→地図を確認する→周囲を確認する→判断、というルーチンをするべきだが、周囲を確認しているうちになんとなく行動が決まってしまって、重要な判断が抜けていた。チームとしても機能していなかったな。
反省すべき点の続出した大会だった。それが収穫と言えば大きな収穫ではある。
「早めに帰って途中海賊焼き」というのも考えたが、交流会でバーベキューが出ると聞いていたので、そちらに参加。 が、降雨もあったのでバーベキューは中止になったらしい。作り置きのスナックで、やや残念。うなぎ、地鶏はずいぶん美味しかった。
交流会の参加者は、本日のフレンドシップクラスの人たちがほとんどで、昨日のオープンクラスの人たちはほとんど帰路についたようだ。
我々も先は長いので、表彰式が始まる前に抜ける。
帰り道にO女史お勧めのラーメン屋で小腹を満たす。
確かにうまかった。こんなロードサイドのお店、教わらないと行けない。
やっぱりいろんな所が筋肉痛。体中バキバキだ。 通勤の自転車は普通に漕げたが、階段の昇り降りがきつかった。
昨日の「四国の右下」エリアでは、海賊料理が名物らしい。 そんなところに海賊がいたのか?
なにかと思ったら、どこかの観光協会にこんな説明が載っていた。
●海賊料理の道 なんとオフィシャルサイト。
会社帰り、元同居人宅へお茶を飲みに行き、そのまま夕飯を御馳走になる。
食虫植物の枯れた跡に、とても気味の悪いハカラメに似た植物が生えていた。
MKちゃんが出張先のお土産として、日本酒持ってきた。僕の好きな満寿泉。
刺し身でも買って来ようと思ったが、乏しい冷蔵庫の中身を駆使すればなんとか一食できてしまうな。
一皿一皿、とても安いおつまみを作ったが、並べてみると豪華なもんだ。
かつぶしと本ワサビがあると、ずいぶん幸せな気持ちになれる。