暑く長かった2010年の夏も、たぶんこれが最後の計画だ。
西伊豆松崎、カヤックキャンプツアー。
何年か前に使ったことのあるキャンプ場、「豆松崎マリンオートキャンプ場 Pier 101」が好印象だったので、再びそこを使うことにする。
西伊豆はやっぱりけっこう遠く、順調にいっても4時間はかかる。今回も6時頃出発し、厚木あたりで事故渋滞に巻き込まれながらも、その後は順調に11時過に松崎到着。
テント、タープなどの住居類とカヤックを組み立てたのち、昼食へ。
海水浴場の裏に合った魚介系の食堂を見つけたのでそこへ行く。
お通しで出てきた白身魚の南蛮漬けがすごく旨い。南蛮漬けってこんなに美味かったけ、というような印象で、目標にすべきレベルだ。 もちろん、地物の刺し身も大変に旨い。今日はもう車の運転はないから、軽くビール飲んで良い気分。
松崎はやっぱり好みの町だ。必要なものが徒歩圏内にそろっていて、不要な賑やかさがない。静かで落ち着いて、美しいところだ。
せっかくカヤックを組んだのだから、ちょっと漕ぎに行きたくなる。
右行くか左行くか、岬一個分くらい南方面へ行ってみることにする。
無風、べた凪。ぼーっと漕いでいても、ぐんぐん進む。あっさりと右側の岬を回ると、堂ケ島エリア。起伏に富んだ面白い海岸線だが、観光船もたくさん通るのに注意が必要だ。
いくつか洞窟を楽しみ、堂ケ島の海水浴場へ上陸して少し休憩。無一文で出発したため、温泉にも入れずジュースも買えず、少し後悔。
松崎まで戻り、港の外に浮かんで夕日を楽しむ。
こんな大芸術が毎日展開されるのだからたまらない。
すぐに戻れる安心感があり、けっこう空が全部染まりきるまで見ることができた。航海中ルアーを引っ張ってみたが、魚との出会いは残念ながら空振り。
スーパーまでは、川沿いに徒歩十分くらい。こんな大自然がすぐ知覚にあるのに、わりと夜遅くまでやっているので、まったく不便はない。
宿泊代は、こんなに高かったっけという感じで、二人で一泊5000円。(テント代+人頭税になるので、人数多い方が安い。)
山小屋なんかの一人缶ビール一本相当の価格と、民宿の価格の中間くらい。
快適さもちょうどそんな感じで、風雨は自分で防がねばならないが、車使えるので荷物は運び放題だし、トイレもお風呂もある。敷地もだいぶ広い。
民宿と違って、一歩出れば星が見える。河口のキャンプ場なので、トイレに行くのとほとんど同じ気安さでカヤックに乗れる。
いろいろな条件が、すごくちょうど良い。
今日の晩ごはん。
地元の魚介類はそれほど売っていないが、下田産や伊東産をチョイス。
きびなごは港にある干物屋さんで買ったもの。
シンプルに、切ったり焼いたり煮たりする程度の料理と、ビール、日本酒を楽しんだ。
早起き、運転、漕艇、飲酒でだいぶ疲れたようだ。食ってる途中で眠る。
朝飯前の一こぎ。 ご来光を拝むと同時に、魚が釣れないかを見に行った。
漁師さんたちが小船を出して、そこいらでトローリングをやってる。 目の前で魚が釣れてるのも目撃したので、ずっとやっていれば釣れる雰囲気はあるのだが、仕掛けを引っ張って漕いでもアタリは無かった。 大きく間違っては無いとは思うのだが、もう少し修正が必要なのかな。カヤックでトローリングができれば随分と面白いのだが。
今日のツアーは南方面へ。海岸にある3つの無料露天風呂と、その先の千貫門という岩場が今日の目玉。
まずは近場の洞窟をいくつか探検。
出発が遅くなったので、昼飯時が近い。
お昼休憩は雲見の露天風呂で取ろうと、湾を突っ切って一気に南下。
お昼頃から、少しうねりが入ってきた。
温泉の前の入り江で泳ぐつもりだったが、水が濁ってきてしまった。温泉に浸かってやる気を失い、泳ぐのは延期。
(ここの海は透明度が高いところだと思うのだが、この程度のうねりが入るだけでも濁っちゃうものなのか。)
雲見から、烏帽子山の岬を回れば千貫門という洞窟がある。前回このエリアにきた時は温泉までしか来ていないので、もう一歩足を延ばしてそこまで行ってみよう。
途中、目の前にイルカの背鰭を見た。が、すぐに潜っていき、その後現われず。
岬を回ると完全に外海。今日は西風が入って来ているようで、うねりが強くなる。数百m先に先行するカヤックが波間に消えたり現われたり。 小笠原方面にいる台風の影響もあるのだろうか。
千貫門は、その名の通り凱旋門のように海の上に浮かんでいる。(一部は陸地とつながっている)観光船も通れるくらい水深も高さも幅もあるようだが、先行の地元っぽいシングル艇は、うねりが強いから入門せずに引き返して来た。
大海原にいる分には、うねりはまったく危険はないのだけど、岩場は怖い。
門は通らずに、とりあえず大回りで反対側まで行ってみた。
ガイドには、周辺の岩場は上陸不可とあったが、気をつければ上陸できないことも無さそう。ゴロタ浜だし、今日は波も高いから怖いと思うが。
大海原でのうねりは、転覆などの具体的な危険はほとんどないものの、船酔いの危険があるので僕は苦手だ。帰り道、だいぶ気持ち悪くなって推進力が目立って落ちる。
けっこう気持ち悪くなった中、弱弱しくパドルを漕ぐ。一人艇だったらもう少し大変そうだ。
これでも、船酔いにはだいぶ強くなったとは思ってる。
岩地の浜へ逃げ込み、港の前の露天風呂に入る。しばらく昼寝をして回復させた。
あとは湾内の航行だから、それほどうねりは大きくない。
結局まだ一度も泳いでいないので、萩谷海岸でちょろっとシュノーケリング。水は暖かく、それほど寒くないが、やっぱり濁りがあって視界が悪い。 沖の方では少し魚が見えた程度。
夕日みながら帰港。スーパーのお惣菜と、昨日買った干物が中心。
沼津産のキンメ切り身(そこまで鮮度が良いわけではなさげ)は、そのまま刺身で食べるよりも、軽くあぶって焼いたほうが旨かった。
半生素晴らしい。
最終日は朝の一漕ぎのみ。 朝日をみながら、魚が釣れる期待を胸に仕掛けを引っ張ってみたが、空振り。 漁師さん(近所の釣り好きかもしれないが)たちは、小さなエンジン船で同じようにトローリングやってるから、釣れるエリアにいるとは思うんだけど。 カヤックの機動力って釣りに生かせるはずだが、実績を積めず、手法を確立することはできなかった。 まぁ、散歩するように海に出れるので、気持ち良さはあるのだが。
朝食後、カヤックやテントを片付けて撤収。昼間の片付けは、すぐに乾かせて便利だ。
●今日のごはん 松崎カヤック
●今日のごはん 岩地カヤック
○ピア101
昨夜、焼酎を買いに行った際に、「ぜひ棚田を見に行け」と、酒屋のおばちゃんが延々と十分以上力説するもんだから、少し足を延ばして石部までドライブ。
農作業帰りのおばあちゃんを蹴散らしながら、なんだか随分と細い道を登って行くと、そびえ立つように広がる広がる美田の丘。
ここは確かに来るべき価値のあるところだ。海を見渡し、小さな田んぼが連なっている。
農学部出身の同好者によると、棚田は大きな機械を入れることができないのに、普通の田圃よりもやることは大きく、ものすごく手間がかかると言う。 これを作ったじいちゃんばあちゃんの苦労を思い、彼女は感涙にむせんでいた。
昼食は沼津の魚市場で。沼津までは無駄に遠回りのドライブをしてしまったので、14時過の到着になった。
昼食混雑のピークは終わりかけているので、いつも行列している、「丸天」というお店に行ってみることにする。
店内は広く、おばちゃんが本日のお進め商品の実況中継をしている。
目玉商品であるらしい、「海鮮丸天丼」を注文。天丼ではなく、丸天の海鮮丼。
これまでに行ったことのある周辺のお店と比べると、値段は同じくらいだけど盛りがすごく良いな。コストパフォーマンスが高い。
食べても食べてもなくならず、満腹満足。行列は嫌いだが、空いてる時をねらってまた来たいと思う。
食後は帰路を取らず、清水方面へ。友人が竜勢という伝統的な打ち上げロケットのお祭りをやってるから、ぜひとも見に来いとのこと。 伊東京方面帰るのに清水は帰る途中という訳ではないのだが、渋滞40kmに突っ込むより友達のお祭り見に行ったほうが良いだろう。
竜勢とは何なのか。
竹を使ったロケットで、戦国時代に狼煙として使ったとか、元寇の時にモンゴル軍が使っていたとか、そんなものがルーツと言われている、らしい。
打ち上げロケットを作る工程が口伝で伝えられ、お祭りで使用される。
平成の世の中になっても残っているものはあまり多くは無く、清水の草薙と、朝比奈、伊賀だか甲賀だか、秩父の4つだったかな。 そういえば、西武線の吊り革広告で秩父のやつを見たことあるような気がするが、秩父が規模大きいらしい。
ここ草薙のお祭りは、思ったほど大混雑するものではなく、自分たちの地元のお祭り、という感じ。静岡県内でも特に知られているわけではないようで、我が友ジダンに誘われたエスパルスサポーターの人たちも、初めて見に来たよ、という声が多かった。
打ち上げは昼の部と夜の部に別れ、十ちょっとの団体がそれぞれの部で1発ずつ打ち上げるようだ。到着した時間は夜の部が始まる直前、しばらくすると一発目が打ち上がる。
えーと。よく分からんかった。
甚句の前フリがしばらく続いた後、さぁいよいよ打ち上がったと思ったら、白い煙が一筋たちのぼり、それで終わり。
どうもこれは失敗だったらしい。スポンサーまでついて、「光り輝け○○商店」みたいな名前がつけられているが、自然素材を使った手作り花火はなかなか難しいようで、そんなに成功率は高くない。半分くらいしか成功しないようだ。
ただ、今年の昼の部は、いつになく成功率が高く、8割ほどが成功。その中で友人の属する西支部「太極流」(口伝なので家元がいくつかある)は失敗しちゃったと苦笑していた。
成功するとどのようになるか。それがこの動画。
うーん。見事だ。初めて見たぞこんなもの。
何が起きているのか。
打ち上げるのは、この写真にあるような長い竹の先に仕掛け花火やパラシュートを取り付けたロケットだ。20kg以上の重量がある。
これを、地元のおじさんたちが日夜努力してほぼ手作りで作り上げる。
そしてお祭りの本番では、皆の前でその作品を披露する。成功すればすごく美しいが、失敗した時はかなり残念な失敗になる。(打ち上がらずに仕掛け花火に点火すると、ちょっとしたボヤ騒ぎになる)
成功と失敗の落差が大きい。いわば、地元有志による伝統的なロボットコンテストだ。神事にのっとった竹キリ、製作作業、スポンサー集め、いろいろ大変だっだだろうな。おじさんたちの青春ストーリーを感じさせる。
●草薙龍勢保存会中之郷支部:熊野流
ブログを公開している流派もあった。製作作業がイメージできる。
上図は上記ブログに載っていた竜勢の構造。
打ち上げは、以下のような行程で進んでいくようだ。夜の部しか見ていないので、細かいところは少し違うかもしれない。
ジダンの大いなる好意により、太極流夜の部は打ち上げ地点まで連れてってもらった。本来、周辺は立ち入り禁止になっており、関係者が10人程度しか入れないところだ。岩明均の七夕の国に出てきた丸神山のようである。
大役ではあるが、ロケット自体は既に完成している。あとは運ぶことと応援することくらいしかできない。
遠めに見ているときれいな仕掛け花火だが、目の前で行われる発射は、まさしくロケットである。
前の流派のロケットたちは成功したり失敗したり。
ロケットを運んでセットする以外は特にやることもなく、開発の苦労話や気軽な雑談をして時を過ごすが、内心は緊張感が高まってきている関係者たちの気持ちが伝わってくる。
「ご奉納〜ごほおぉうのぉおぉうぅ〜」
長い祝詞が終わると、いよいよ発射。がんばれ我らが竹ロケット!
すばらしい勢いで飛び出して行き、高度ととも歓喜と期待感は急上昇する。
なんか前の流派の失敗下やつよりイイ感じだぞ。
が、仕掛け花火がなかなか点火しない。消えちまったのか。
間もなく光り出して安心したのも束の間、方向が違う。上空から地上に向かって花火を爆撃してくる。
うーん。これは成功なのか失敗なのか。家元の方は「40点だ」という自己評価だったが、見せ場は作れたので大失敗ではないと思う。
仕掛け花火への点火が遅れ、ロケットが自由落下を始めて頭を下に向けてから発射されたようだ。
いやあ難しいねえ。惜しかったのだが。たまたま見にきただけだが、悔しさは残る。
当人たちはもっと悔しいだろうが、また来年頑張ってください。
食材を買いにスーパーへ向かうと、中秋の名月が見えていた。
雨予報だったが、深夜まで天気は持ちそうだ。
テーブルと七輪持ち出して、河原で晩ごはんを食べよう。
ビール飲んで、焼いて食うだけ。その気になれば結構手軽にできる。 夏の間ももっとたくさんやれば良かったな。
恋人の姉がようやく旦那さんと一緒に住めることになったということで、引っ越し祝いのお食事会に参加。
パンの美味しいお店で、ウェイターさんには「当店はボリュームたっぷりのメニューですので」と脅されたが、やや満腹ぎみというくらいで間食。
お魚は、好みの食材を選んだら好みの料理法で出してくれる。とはいえ、「塩焼き」って頼むわけにも行かないから、おおむねお任せだ。
スズキを、その幼名である「フッコ」というように表示していたのは正直だが(スズキも出世魚で、「スズキ」クラスとなると相当でかいやつだ。見せてもらったやつは確かにあまり大きくなかった)、「フッコ」と云われたって釣り人じゃないと分からんだろう。素直に「スズキ」と出しても良さそうだが。釣り好きのシェフなのだろうか。
これまでこのHPの写真用に使っていた無料サーバーが、無料版を止めてしまうことになった。(宣伝効果も疑わしいし、もっともなことだと思うが)
仕方が無いので、年間1000円ちょっとのサービスと契約し、これまで3つ使っていた写真用無料サーバーを一つに統合。
その作業にけっこう時間を費やし、一部のデータを入れ替えた。(表面的には何の変更もなく、純粋に僕の作業が必要になるだけだ。)
一気にテキスト置換するだけで良さそうなものだが、さすがに10年以上溜め込んできたページはHTMLだけで何百もある。この機会に少し整理しようとなると、作業を完全自動化するのは容易ではない。とりあえず条件設定し、置換してみて、確認する。すると7割くらいうまくいく。また新たに条件設定し直して、もう一度置換すると残りの2割くらいうまくいき、最後の1割は結局手作業の方が早い、という感じ。
ボタン一発ですべてがうまくいく条件式もあるとは思うのだが、それを探すよりも、不完全な条件式を何度か繰り返す半自動化作業で進んでいくのが実際の作業。