ひと月に一回くらいはデートしようという契約条項になっているが、必然的にそれは泊まりがけとなる。
先方は寮住まいなので、どこかに宿をとる必要が出てくる。中部山岳地帯の山小屋に行くのが最もスムーズなのだが、今回は天候が悪そうだ。会社が保養所契約をしているコテージを使ってみることにする。
前日の無駄なPC作業の結果、寝坊をする。予約していた高速バスに乗り遅れ、電車で松本へ。 中央線沿線沿い、霧の下から姿を現す山々の、尾根を黄金色に覆うカラマツが美しかった。
電車内で読んだ。NHKで放映されたやつを書籍化した物だが、僕はテレビ見ないし、友人宅でDVD見せてもらった時も宴会中でちゃんと見なかったし。
やっぱりこの夫婦には勇気を与えられるよなぁ。何よりも自分のやりたいことを純粋に求めている
たとえばエベレストを最年少で登るとか、8000m峰を無酸素ですべて登るとか、そういう目標は凄さが分かりやすい。が、それはあらかじめ誰かが作った目標であったりする。自分の満足ではなく誰かの称賛を求めている部分もあると思う。
山野井さんたちは、世界のはじっこにある誰も見たこと無い岸壁探してきて、それが自分の能力すべてをぶつける相手だと認識し、それを克服するために努力している。
自分で探して「オルカ」とか名付けてるんだから、その岸壁登ったところで、それがすごいんだか凄くないんだかは彼らたちにしか分からない。その登頂の価値を声高に宣伝している訳でも無いから、スタンドプレーの入る余地が無い。
もう、自己満足のみを純粋に求めている。創造性も必要だし、格好いいよなぁ。
垂直の記憶」に比べると、途方もないような悲愴感がなくなり、それでいてまた純粋が増したような印象だ。
山野井夫妻と一所に登ってる登山家の木元さんって、多分友人からよく聞いていた登山ガイドだ。
そのうちお目にかかる機会もあるのだろうか。まぁ、しらんけど、そのくらいの距離感を感じる。
素敵な料理本で紹介されていた素敵なお店。
ミートソースに揚げナスをトッピングしたスパゲッティと、エビとアボガド、バジルソースのスパゲッティ。
生パスタのモチモチ感が素晴らしかった。
宿泊は泉郷 安曇野のコテージ。格安で設備はけっこう豪華。間取りで言うと2LDKで温泉付。斜面を利用した2階建で、吹き抜けが開放的。子連れで騒いでも大丈夫、というコンセプトなのだと思う。 毎年使ってるだるま山のバンガローと似たような雰囲気だが、こちらのほうが安く建物は立派。景色はさすがに劣るが。
酒と食材をたっぷり買い込んだので、あとはひたすら料理して食う。
二人で二人分作るだけなので、だいぶ楽だ。
良い酒屋を見つけてきたということで、おいしそうな日本酒をたくさん買いこんできた。酒を主役にして、その良さを殺さない献立とする。
お薦めの日本酒はどれも素晴らしかった。これも気に入った銘柄だが、「大吟醸 山田錦 精米歩合39% 信州銘醸株式会社」と、スペックのみが書かれたお酒。「763」というのは、シリアルナンバーだろうか。
大晦日ではないが、夜中に蕎麦。
さすが蕎麦どころ。スーパーで買ったやつだが、とてもおいしい。眠気も冷める。
蕎麦って日本酒に会うのね。今度の日本酒研究会は蕎麦と絡めようかな。
そばつゆも薬味を変えて何種類か用意。折りをみて、薬味自体もつまみになる。うこっけいの卵を使ったやつは出色の出来。
二人で一晩、日本酒は1升ちょっと開いた。焼酎一杯にビールは3本。
めちゃめちゃ食った。精進料理のような低カロリー食品が主体だが、これだけ食えばダイエットも何もないだろう。
食べ続ける。
朝ごはんは鍋の残りと、うこっけいの卵ごはん。
うこっこえい、素晴らしいね。小さいのに濃厚な味がする。料理するよりも、このように生の卵の味を楽しむのが良いようだ。
天候は冬型配置だが、思ったほど晴れ上がらない。たらたらドライブする。
昨年末に来た旧開智学校のそばを通った。前回は休館日だったが、今日は開いている。喜び勇んで入館する。
なんというか、明治を感じる。
鹿鳴館時代の滑稽さと、文明開化・富国強兵を素直に目指した瑞々しさとが同居している。
国の威信と地域の期待を一身に受け、いろいろお金をかけて作っているのにどこかおかしい。
そんな建築物だが、松本市民は愛しているようだ。必見の重要文化財である。
美ヶ原をドライブ。紅葉の見頃は山の裾野のあたり。
学校は明治のころのシュールだったが、ここの美術館はおそらくバブルのころのシュール。
標高2000mの山頂の高原に巨大なオブジェが並び、物によっては動いている。
なんでわざわざこんなところに。それなりに遠いし、気候条件も厳しいはずだ。夏の間しか使えないのでは。
草原の中を美術館としたいという発想は認めるとしても、中腹の尾根切り開いて作ったんじゃダメだったんだろうか。フジサンケイグループはここにどんな夢をみてしまったんだろう。バブルのころの浮かれっぷりが、物をとして伝わってくる。
経費削減のためか、土産物屋は暖房が切られているようで、とても寒い。
そのうち閉館してしまう匂いがする。将来は良い廃墟になるかもしれない。今のうちに在りし日の姿を見ておくのも一興。
昼までにごはんはたくさん食べたので、それほど空腹は感じない。が、バスまでに時間はあるし、軽く晩ごはんも食べていこう。パエリア旨そうだなということで、松本駅前の地中海料理屋さんへ。
ちゃんとしたコース料理を出すようなお店だったので、少ない料理でタラタラ過ごすのに向いていた。お腹もすいて酒も飲む時だったら、結構な金額行ってしまいそうだった。
パエリヤ美味かったな。一回自分でつくってみようか、という気になった。
設計したユニットの組み立てに立ち会う。
そりゃ問題がまったくない訳ではないが、致命的な設計ミスは今のところ見つからず、まずは一安心。
久々にホテル泊。予定外だったので、着替えが無い。
まぁ、着替えの有無に関わらず、必ずしも毎日着替えている訳ではないので、大した問題ではないのだが。
久しぶりにスーパー行って食材を買う。やっぱり一人暮らしになって消費が減ったと思う。