出張先から帰り、さきほど大宮通ったと思ったのに、また大宮方面へ向かっている。
いったん家に戻って荷支度した後、滞在2時間で再出発。自宅にいる時間よりも電車に乗ってる時間の方が長い。これから北陸方面へ向かう。
同じ料金で乗れる寝台列車は残念ながら満席、ほぼ同じダイヤの夜行急行に乗車。こっちの電車はだいぶ空いているので結果的には良かったのかもしれない。大宮であんまり人が乗ってこないと良い。
熊谷あたりになっても、まわりの座席は空いたまま。椅子を回して4席使える。
単純に向かい合わせるのではなく、1個前の座席を90°だけまわして丁の字戦法をとることにした。
東郷提督から着想を得た訳ではなく、2個前の座席の方がリクライニング使っていた影響による場当たり的戦法だが、これによって体を横にした時の接地面積が増え、寝台にそれほど劣らない寝心地になったのではないかと思う。
6月の日の出は早く、眠りの浅い夜行列車。
目を覚まして飛び込んでくる風景は、10年前に自転車旅行で見た景色だ。社内放送はないが、どの辺りまで来たのか、眠い頭でもなんとなく分かる。あぁ市振かな、親不知だと、10年振りに見た景色なのに地名も浮かび、不思議なものだ。
まどろみの中で、当時の旅の夢を見ていた気がする。
久しぶりの登山。
立山・剣界隈に行って、天気が良ければ月光に照らされた雷鳥沢からの夜景を写真に収めよう、というようなコンセプトだが、天候は思わしくない。大荒れは無さそうだが星空も望めなさそうな予報。
じゃあ中止にしてしまおうか、というのが単独行での判断だが、今回は星を見るためだけではなく、デート登山というのも目的だ。
3回はデートするという契約の、3回目となる。契約期間内に、他の日程空けるのも難しい。既に日程合わせている以上、完全に中止にして家事片付けるというわけにもいかないだろう。
ぱっとしない天候の中でテント泊するよりも、駅前でうまいもの食べた方が良いかな。1日トレッキング程度は可能だが、日曜のほうが天気良さそうなので、室堂立山方面は翌日とする。
合流後、今日はトロッコ電車乗って、黒部川沿いの下ノ廊下の導入部を歩いてみよう、ということになった。
トロッコの終着駅、欅平からは黒部第四ダムへ向かって、水平歩道という下ノ廊下の渓谷沿いの桟道が続いていて、その道を散歩する。 この道は、開通するのは9月ごろらしく、今は立ち入り禁止。だが山慣れているならば自己責任で行っても良いらしい。 導入部に20分ほど登るが、あとはトラバース。蜀の桟道もかくあらんや、というような道が続く。
このコースは、毎年9月頃開通し、雪が降るまでのわずかな期間だけ歩けるのだが、今年はつい先日整備を始めたようだ。
1時間ほど歩くと作業員のおっちゃんたちに会い、その先は歩きにくくなる。今年通るのは、もしかしたら我々が初めてかもしれない。
手すり代わりの針金張り直して、落石どけて倒木どけて、崩れた桟道直していく。それを何十kmやるのだから大変だ。
黒部川流域。
日本全国探したって、これほど開発しにくい地域ってほとんどないと思う。北アルプスの中でも最も山深く、険しい地域。
ご存じのように、そんなところに国家的事業でダム作ってある訳だが、実際その地域に来てみると、改めて違和感を感じる。
この大自然の最も奥深い渓谷の中に、ものすごい規模で人間の手が入った形跡がある。
今では観光客が行き来する程度だが、往時は何千人、何万人も作業者入ったのでは。まさに国家事業。国の形を変えている。
畏れを知らない行為のようにも思えるし、先人の偉大な行為とも思える。どう考えれば良いんだろう。
時代背景詳しく知らないが、アポロ計画進めてたころと同じなんだろうな。そういう時代の雰囲気を感じる。延々と続くトンネルなんか、大戦の軍事技術を民用に使いました、というように見えるが、どうなんだろ。
時の流れとともに、ラピュタのように大自然と奇妙に調和していくのだろうか。
2時間ほどで、雪渓の下に掘られた長いトンネルまで来ておにぎりを食べた。ヘッドライトを消すと本当に真っ暗になる、ドラクエのようなトンネル。雪渓の雪解け水が流れ、ひんやりとする。
晩餐は富山駅前で魚を食おう。とはいえ移動に時間かかるから、トロッコ降りたところで軽くおでんを引っかける。
汗をかいた後で、風呂に入る前で、昼飯は軽かったので、ビールうまし。
お薦めの一軒ということで入ったお店は、ちょうど何周年目かのお祝いということで、一品サービスしてくれた。 さすがに自慢するだけはあって、お刺し身が特においしかった。確かに黒潮系のおいしさとは違う種類のおいしさかもしれない。甘くて上品というのかな。濁りがない感じ。
河岸を変えて3次会。ワインもチーズもけっこう良いやつ。
うまかったが、ラストオーダーまで飲んでさすがに眠かった。
昨晩は「晴れそうだったら立山登りましょう。」と言って別れたが、さすがに寝坊すると思っていたのだが。
先週も2時まで飲んで6時前に起こされたが、前日も睡眠不足な上にトレッキングした今週の方が、さらに眠い。が、6時の針を指したころに、テキはずいぶんと張り切って駐車場まで迎えにきた。
ハイハイ起きてますよー行きましょうか。そういう態度をとってたつもりだが、ほとんど思考力はなく、ぼーっとしてたのが実情だと思う。
天気は、予報よりも悪い。雲はどんよりと低く、小雨がパラついてる。
昨夜はテント泊せず、下界で酒飲んでいて正解だった。
晴れた訳ではないが、そう荒れることも無いだろう。昨日みたいに、歩いているうちによくなるかもしれないし。
抜けるような青空の日なら、別山まで行って剣を仰いでやろうと思っていたが、立山のピークを一つ二つ踏んでおけば良いかな
車→ロープウェイ→バスと乗り継ぎ、立山登山の基地、室堂へ。
付近は牛乳風呂のように見通しが効かない。僕の頭の中のように眠たい景色だ。 あまり遠くない距離に、スキーヤーたちの歓声が聞こえるが、姿は見えない。さすがに日本海側の高峰、6月半ばでもけっこう積雪はある。
しかしこの娘、何でこんなに元気なんだ。眠くないのか。
「別山まで縦走しましょうか」なんて元気に言ってくる。2日間合計で8時間も眠っていないのに、7時間の縦走なんてやりたくないぞ。デートというよりは、特殊部隊の訓練になってしまう。
彼女だって条件はそんなに変わらないと思うのだが、恋する乙女は眠らなくても行動できるのだろうか。人知を越えている。
一の越を過ぎたあたりから、ちぎれる雲の合間に青空が見え始める。
確かに今回も、それなりに晴れ男。頂上が近づくと晴れるようになってるのかもしれない。
立山雄山、歴とした3000m峰なのにこんなに登りやすいとは。
ようやく体は覚めてきたかな、でも頭は半分くらい眠ったままだな。その程度の運動しかしていないのに山頂だ。なんか高尾山あたりを登るのと大して変わらないくらいだ。
立山頂上でコーヒーとサンドイッチ。
ようやく頭が覚めてきた。
今日は風もそれほど強くない。しばらくぼーっとする。
デートの手段として、登山というのはけっこう良いのでは、ということで意見の一致が見られた。 我々が山慣れてるから、というのがあるとしても、そうでない人にもお奨めできる。
会話する機会はけっこう多いし、話題にも事欠かない。黙っていても間がもつ。
一緒に行動している一体感は得られるし、仲良くなりたい相手なのかどうかを判断する機会も多いのではないかと思う。
お洒落しなくても、多少汗くさくても怒られないし、スバラシイ手段である。
下山して15時過ぎ。帰りの汽車まで、あと3、4時間ある。
寿司、温泉、ボルダリングのうち、2つならばできそうだ。
実はけっこう、ボルダリングをやってみたい。どうせ全然登れないのだろうが、先週あまりにもできなかったから、また挑戦したい。心得のある知人がいるのは良い機会だ。
知らなきゃこんなところ来れないよなというような、単なる倉庫にしか見えないクライミングジムに連れてってもらって、いくつかコツを教わる。
なるほど。先週よりも分かった気がする。
・体の姿勢、重心によって容易に登れたり、とても不可能に思えたりする。
重心が乗った手足は抜けないが、体勢が正しければ、高い支点にも軽々と腕が届く。
・腕の力は、あっと言う間に無くなる。気合と根性だけじゃどうにもならない。 根本的に筋力が足りていないとも思うが、やはり体の使い方を会得していないからだ。
確かにこの能力は、一般ルートを登っていく分には特に必要な能力ではないな。役立つことはあるかもしれないが、別の分野だ。
お、こういうことか、と感じられる瞬間も確かにあったのだが、あれどうするんだっけ?と迷ってしまって、考えているうちに力が持たなくなる。姿勢も大事だが、スピードも必要だ。
結局課題のルートはクリアできず。
なんかイメージができていない。もう少しで、自転車に乗れた時のようにスイスイいける気もするのだが。
登れてるのを見ると、けっこう簡単そうなんだけどなぁ。
回転寿司ってよくできたシステムだよなぁ。
カワハギ、アラ汁、トロ、アオリイカ、ミズダコ、アナゴなどがおいしかった。
なんだかここのところ、やたらと眠い。今日も遅刻ギリギリの時間に目が覚めた。 少し前は、仕事以外の作業も、もう少しいろいろできた気がするんだが。
出張先から戻り、家に着くのは22時くらいになるだろう。
帰ってご飯を作っても良いが、ラーメンが食べたくなったので外食。今週はほとんど自炊してないな。