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2008/7/5(土)

母親の法事。
神楽坂の、高そうな老舗。泉鏡花愛用の、うおナントカっていうところ。 かます炙った刺し身と、かにの茶わん蒸しがおいしかった。日本酒は、先々週飲んだやつのほうがだいぶおいしかったな。

わが家は東京圏に出て何世代か経ち、これといって宗教も宗派もない。
葬式も無宗教だったり、なんとなく都合の良い寺の宗派に合わせて、という程度だ。
お墓も、父は立地条件だとかの条件で選んだのだと思うが、法事はその関係で、曹洞宗の寺に頼むことになる。

しかしなー。ずいぶん疑問の残る内容というか、あんまり満足感の高くない行事だぞ。
「葬式仏教」というのは蔑称だったと思うが、確かに現代仏教、あんまり頑張ってない(そのくせ儲けてる)感じがする。

僕はたぶん、仏教に対してそこそこ感心があるが、なんか法事とは全然関係がないんじゃないか、と思った。故人が敬虔な仏教徒なら分かるが、そういう訳ではなかったし。

お経に書かれていることも、ほんのちょっとは意味が分かるようになってきた。 その内容は、「今日も一生懸命仏教をがんばるぞ」「シャカムニ様ってスゲエ」「周りの人たちと仲良くしよう」みたいなことが書いてあるのだと思う。 そこに書いてある内容と、母親を弔うってことは、どんなつながりがあるんだろう。

まぁ、皆そうやってるし、そういう伝統っぽいことをやると落ち着きがある、というのは理解できる。歴史の浅い無宗教のセレモニーって、なんだかどこか落ち着かないというところはある。

でもなぁ。
皆せっかく貴重な時間を割いて集まってるのだし、お金だってそれなりにかかるのだから、この程度の話しかできない坊さんにお金をわたすより、どうせならもっと有意義な使い方ありそうだよな。

弔いっていうのは何をすればいいか。故人を知る人同士が思い出を語るなりして、旧交を温め直す、っていうのが役割だろう。 皆で酒飲んで飯食ってだべってれば良い訳だが、ただ普通に食ってるだけじゃ単なる宴会だ。何かしらセレモニー的なものは必要になってくる。 そのセレモニー的なものに慣習的に仏教が選ばれているが、その結果法事はつまらなくなり、努力もしないのに坊主大儲け状態になっている。
もっと他のやり方あると思う。

例えば母は鬱病で死んだから、その医療の現場で働く忙しい医者や看護士、研究者、カウンセラー等の待遇が少しでも良くなるようにお金を使えれば、すごく正しいように思う。

あるいは、母の教え子たちに声かけて、おいしいごはんを食べながら近況を報告してもらう。故人に縁のない坊さんにお布施渡すより、若者たちの胃袋に投じた方が有意義だ。まぁ、人集める気苦労が増えるが。

宗教は必要だと思う。
価値観の崩れかかってるような、現代人たちにとって、特に。(僕自身には既存の宗教は要らないが。)
それこそ、右見ても左見ても鬱病の人だらけっていう社会なんだから、もうちょっと宗教家には頑張ってほしいし、一般の人も考えた方が良い。

価値観が確立されていないと、容易に傲慢になったり、迷ったり、他人を妬んだりするようになると思う。
宗教って言うのは一つの価値観を与えるから、他人と比較する以外の価値観持たないでいるよりも、人間を謙虚にするという効能があるはずだ。

「ものみの塔」を一生懸命配ってるおばちゃんなんかは、存在としてはやや迷惑だが、街を行く平均的な人たちよりも上品で謙虚な印象を受ける。

この100年で地球環境は人間によって劇的に変えられたが、資本主義を押さえるような宗教があれば、結果はもうちょっと違ったものになったのかもしれない、とも思う。

さらに大袈裟に言ってしまうと、 高度成長期が終わって戦後以来の価値観は既に崩れ、これ以上の経済的繁栄を目指しても仕方の無い、どころか、単に環境の悪化を招き、将来の資産を食いつぶすだけになりかねないような時代だ。じゃあ次は何を目指せば楽しいのか。新しい価値観は何なのか。
僕が日々日記を綴っているのも、そんなようなもののヒントを出せないかな、と思ってるところもちょっとある。
その答えは出てきていないように思えるが、もしかしたら宗教はそんなものを考えるときに参考になるかもしれない。

法事が終わったあと、内容はちょっと違うかもしれないが、そのようなテーマで父と話した。


恵比須の写真美術館行ってきた。社員証見せれば無料になると聞いていたが、無料になるのは3階での展示のみ。
目当てにしてた世界の報道写真展、面白そうだった昆虫写真は見られず、アメリカの写真史、というものを見た。可も不可もなく。
「いまここにある風景」という報道映画の予告を流していて、興味を引かれた。久しぶりに映画見に行ってみようかな。

今週もやっぱり「○同居人の○彼女」の○の部分に「元」、「現」という字をいれて表せる人と会うことになる。
面倒みてるんだか、みられてるんだか。

メンバーを変えても、なんかまた宗教の話が出てきた。

2008/7/6(日)

夏はもうすぐそこまで、というような日曜日。せっかく休日出勤なので、カヤックで行こうかという構想はあった。
前回はカヤックで行くことを目的として会社に行ったが、今回は会社に行くことを目的として、交通手段としてカヤックを利用する。
が、割と寝坊したので、やっぱり普通にチャリで行くことにする。チャリなら30分ちょいだが、カヤックなら2時間くらいはかかっちゃいそうだし、チャリも気持ち良いからな。

今日はデートの予定もないので体調も良く、気分よく働けた。 誰もいない職場で適度に働いて、まだ明るいうちに自転車こいで帰る。週の半分くらいがこういう生活がなのが理想的だと思う。

同居人が作ってたハンバーグ食った。

最近は恒常的に同居人とすれ違い続け、ほとんど顔を合わせていない。 今週は珍しく家にいるなと思ったら、風邪を引いてたらしい。のちに彼のHPを見て知った。

ありゃ。そりゃ気の毒だ。早く帰って、精のつくもの作ってやれば良かったな。

7月になって、お待ちかねのマンガがいろいろ発売される。どれも楽しみだ。

武富 健治「鈴木先生5」


こうの史代「この世界の片隅に 中」


五十嵐大介「海獣の子供 3」


幸村 誠「ヴィンランド・サガ 6」 これはもう買った


石塚 真一「岳7」

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