山に登ったら泊まりたい、というのが僕の持論だ。わざわざ登ったのだから、夜景も朝日も楽しみたい。山の上の夜の非日常感を楽しみたい。
山で一夜を過ごすのは、テントよりも山小屋の方が楽だ。うちから最も気軽に行ける山小屋となると、やっぱり丹沢の鍋割山荘のあたりだろう。雰囲気も良い。ということで、鍋割山荘には何度も行っているし、友人を連れて行くにも便利なところだ。
登山道はいくつかあるが、今回も寄(やどりぎ)からのルートを選択。林道歩きないし、静かな雰囲気が気に入っている。
まさに春、といった陽気の里山の合間をゆっくりと登っていく。
登山口近くに「寄さくらまつり」という看板があったので寄ってみた。 樹齢150年だか200年だかという、枝垂桜があった。まだ咲いていないが。 巨大っていう感じはしないが、枝に勢いがある。公園的な染井吉野よりも、枝垂れ桜の孤高のあでやかさの方が好きだ。
途中にある櫟山でお昼ごはん。展望が開け、天下泰平な下々の町を見下ろしながら。鹿よけの柵をいくつか越えたらすぐに着く気でいたが、記憶よりも遠かったな。
残念ながら天気は下り坂。鮮やかな冬の空が終わって、霞の春。 まぁくずれるほどではないし、これはこれで良いか。
評判の鍋割山荘のごはん。鍋の季節は終わったようで、今夜はうなぎ。そして揚げたての天ぷら。天ぷらって量産が効かないから面倒臭そうだが、十数人の宿泊者の分は大したこともなく、名物の鍋焼きうどんの分を揚げるのが大変で2時間もかかるそうだ。
山小屋の仕事っていっても色々あるもんだ。自分の体重以上もある荷物を運んだり、大工仕事したり、テンと戦ったり、水場作ったり。
宿泊者は20人弱。今夜はわりと若者も多かった。
男の子とその父、若い二人、単独パパに、中高年団体。それに何つながりだかよく分からない我々3人。知らない人とも気軽に話せるこの食卓の雰囲気は良い。
今夜はご主人草野さんの息子さんも来ていた。まだ大学生で、最近草野さんに歩荷を仕込まれているらしい。何十kgも背負っていくのはきつそうだが、数字に挑戦して行くのは達成感があるのかもしれない。ずいぶん良い男なので、女性の方々は見に行くと良いのでは。
端的に言うと、今回の登山は行商登山だ。写真集かついで登っていって、同宿した人なんかに見せる。お世辞だかどうかは分からないが、けっこう皆喜んでくれる。草野さんにもほめてもらってうれしかった。
で、買ってくれる人もずいぶんとたくさんいた。身銭を切るのはお世辞じゃない訳だから、これは本当にありがたい。まぁ、一緒に酒を飲みながら対面販売をするというのは、断りにくい状況であるにせよ。
小屋を出て、1時間ほど歩いて塔ノ岳登頂。そしてビール。 北側の斜面には一部雪が残っていた。天気はあまりよろしくなく、頂上部は雲に巻かれ、ちらっと粉雪も。
端的に言うと、今回の登山は飲み会登山でもあった。;
島旅仲間とともにどこかへ出掛けると、たいがいその中の誰かが、旅先で出会った人に偶然再開することになっている。今回は誰に会うだろうねなどと話していたら、やっぱり本当に会ってしまうので笑ってしまう。
大倉尾根を下り、堀山の家のところで休憩中、やっぱり今回もまっちゃんが「おぉー、まさかこんなところで」とか何とか叫び出す。応じたおじさんは雲取山荘の大番頭、片岡さん。雲取山に登った時にいつもお世話になって、可愛がられているらしい。
奥多摩に居るはずの人が丹沢に居るのだから「まさかこんなところで」となるが、聞けば片岡さんは堀山の家に随分と出入りしているらしい。彼に招かれるまま、小屋で日本酒をいただく。今日の山登りでは、行動中ノンアルコールドリンクはとっていないぞ。
堀山の家、展望の面では1時間ほど登れば到着する花立山荘に一歩譲り、さらに30分も登れば到着する塔ノ岳頂上には二歩以上譲ると思う。そんなに良い立地条件ではないがよくにぎわっているなと思っていたが、雰囲気が良いんだろうな。
ご主人のヒゲさんはリベラルと言うか放任主義というか、「うちは何でもありのぐちゃぐちゃ小屋だから」というホスピタリティーをお持ちの方。こういうのを好きな人は集まって来るだろう。僕もそういうの好きだ。
ここでも、けっこう皆に写真集を買っていただいた。また来なくちゃな、という気になる。いかなきゃならんところがどんどん増えていく。
鶴巻温泉で入浴。山登りの途中で会った何人かの人達に遭遇、お話する。 今回はやたらいろんな人とお話をした登山だった。
昼ごはんは鶴巻温泉のさびれた商店街にある五島うどん屋さん。店主は愛想の無いおじさんだったが、もしかしたら五島にいたおじさんたちのように、一見恐そうでも実はすごく優しい人なのかも知れない。
そのまま東上線界隈まで移動。島旅仲間の企画した花見に参加。
今年の桜は一気に咲いたもんだから、枝先から根元までまさに満開状態、ゴージャスな感じである。
が、雨も降り出したことだし、ベランダからちら見する程度。まぁ、飲み会をやる名目として申し分ない。
いつもの面々と、久しぶりに会う人と、初めて会う人と。
今日は一日中飲みっぱなし。登山の疲れもあり、いろんなことがあったのでだいぶ訳分からなくなってきた。
山登りの話、旅行の話、中学生的な話などで盛り上がった覚えがある。
丹沢で買ってきた巨大な椎茸はおいしかった。
わっしーの手料理も多彩でそれぞれおいしかった。次回の達磨山計画に参加したら、戦力として数えておこう。
今日のごはん
○鍋割山 2007年2月
○蛭ヶ岳 2007年2月 ダイヤモンド富士
○鍋割山 2006年2月
○塔ノ岳 2005年12月
○鍋割山 2005年2月
○蛭ヶ岳 2005年1月
○鍋割山 2004年2月
○塔ノ岳 2002年2月
■鍋割山荘
■堀山の家
週末は遊びに行くし、水曜から金曜は出張している。従って自分の家にいる時間がほとんど無い。
洗濯、掃除する時間はおろか、作品作りに費やす時間も無いや。
久しぶりにホテル泊。
宇都宮は餃子の待だというが、ギョウザ以外のものを食べようとするとけっこう苦労する、という意味では確かにギョウザの待だ。
昨日行った店はけっこう気に入っているので毎週行っても良いが、毎日ギョウザというのも気分が出ない。夜までやっている店は、餃子屋か居酒屋のみ。
酒飲みたいわけじゃ無いから居酒屋もなんだかなぁと歩いていると、韓国料理屋があるので入る。酒や餃子よりも、ごはんが食べたい。
でも、「始めにお飲み物は?」とか聞かれると、ついつい生ビールなんか頼んでしまう。一人の外食で、毎回500円ビールに費やすのも無駄だなぁと思うものの、美味いことはうまい。
エンジニアには、才能と経験とどっちが重要なのだろう。
課題を与えられて、それを解決するためのアイデアを出す発想力、理論的に考える能力、これは経験なくても出せるし、経験を積んでもできない人はできないんじゃないかと思う。
そういう能力も大事なんだろうが、必要な能力の一部に過ぎないだろう。 やっぱり経験を積まないと気づかない問題ってたくさんあるし、本当に実現かどうか、やってみたことのある人じゃないと判断できない。何より、皆の方向性を統一させて右往左往せずに仕事を進めてくのって、経験積んでない人には難しい。
現在一緒に働いている人たちは、僕と同年代だったり、他の分野で経験を積んだ人達なので、皆能力も高そうだしそれはそれで楽しいのだが、不安はあった。 今日からしばらくベテランの方がアシストしてくれることになって、さすが頼りになるなぁ、という話。