現在の住居に移ってもうすぐ1年。ずっと家の中に居る夏の一日は初めてだ。
令暖房設備のまったくないこの部屋は、どの程度快適なのかということに関心が向かうが、けっこう涼しかった。戸を開けておけば風は通る。気象条件もあるかもしれないけど、とりあえず家の中でダラダラして、河原で昼寝して、ショウジョウバエのコロニーとなりつつあった風呂の掃除なんかをした。
夕食時になると、どこからともなく人数が集まる。いや現在4人暮らしをしているので不思議はないが、実感としては朝起きたときには一人っていうのは普通だ。
各自好き勝手に暮らして夕食時くらい一緒に居たり居なかったりというのが実状だが、理想の形とも言えるかもしれない。
今晩の夕食は4人。同居人A、同居人Aの恋人、同居人Bの恋人(居候)、それに僕。同居人Bは行方不明だが、週明けには帰ってくるだろう。皆おなじみのメンバーではあるが、4人集まるのは嬉しい。今日は休みだったし、それなりにちゃんとした料理を作ろう、という気持ちになる。
夏らしいといえば、冷たくするとか辛くして食欲刺激する、とかだろうか。
豚しゃぶは豆付きのもやしと、きゅうり、わかめ、トマトと野菜をたっぷり入れて、サラダ風に。XO醤に豆腐、胡麻油、酢、醤油なんかをまぜてソース作った。
茄子は挽肉、にんにくの芽とともに炒め、味噌やら肉まんカスやら唐辛子やら絡めて、混ぜる。
豚肉、もやしの茹で汁は、鶏肉、肉まんカス、長ネギなんかを入れればそのままスープだ。
結局は自分の食べたいものを作るだけなんだけど、今晩の料理も自分では納得できる出来だった。
おなじみのメンバーなので、いやもともとの性格もあるんだろうけど、やっぱり色々詰問される。グダグダ酒呑みながら。詰問というか、色々なミッションを提案される。
いや確かにいつまでも無視してちゃいけないんだろうし、心配してくれるのは有り難いし、ある意味僕も詰問されるのを楽しんでいるところはある。彼女の提案にはなるべく妥協しようとは思うが、相変わらず無茶な要求が多い。いや安田悠は絶対そういうことやらないだろ、っていうような妥協の線のはるか彼方を提示される。
安田悠の情報を一番詳細に知っているのは僕のはずだが、僕にも何が最適な解かっていうのは分からない。他の人間にはもっと分からないんじゃないかと思うが、案外そっちのほうがあっていたりするのだろうか。
とりあえず無理はしないと思うが。
今日も家でだらだら。同居人もずっと家にいるっていうのは珍しい。
写真編集作業は、やっぱりはかどらず。「今日のごはん」1週間分更新してようやくリアルタイムにおいついたくらい。最近ちょっと負荷かけすぎだろうか。いや、それなりの意義は感じているが、日記書いているうちに他のこと書けないっていうのも考え物だ。
毎日毎日、うちの良く働く居候は、バイト先から大量に料理を持ってくる。しばらくはそれを食べることになるだろう。
確かに、「今日のごはん」にもボーイミーツガール的要素があったほうが、読む人も面白いだろう。
でもなぁ。自分が30年続けてきたスタイルを変えたくもないしなぁ。
それが、恋は遠い日の花火でしかないとか、三十六計逃げるに如かずとか、そういうものであっても。
寝苦しい夜
母の夢を見た。
あ、今来ていたな、て感じの夢。
あれはそのまま衰弱していった場合の母なんじゃないかと思う。
祖母の家で、やせ細って判断力も衰えつつある母を抱きかかえ、
祖母が部屋中に飾った思い出の品々、母が小学生時代に作った工作なんかの話を聞いた。
母親っていうのは自分の子を愛しつづけるんだねぇ
夢の中ではおかあちゃんの手は暖かかった。
正確な日付は覚えていないが、そういえば母の誕生日は今時分だったはずだ。
おめでとう。
寝苦しい夜だったので寝つきが悪く、
久しぶりに寝坊してまさかの午前休。
まさかそんなオチが待っていたとは。
仕事納めだ。割と皆早めに帰宅する。
退社後は家族で会食。神楽坂のフランス料理屋さん。
メインも魚と肉と一皿ずつ、デザートなんか3皿くらい出てきた。さすがに高い金取るだけのことはある。 店の雰囲気も、神楽坂の大人びた空気で、好ましい感じだ。
おいしかったしそれなりに満足だが、僕の乏しい比較対照の中だと、一昨年のオザミトーキョーほどの驚きは無かったかな。今夜のうだるような熱帯夜っていう不利な条件はあるが、ちょっと味付けが濃くてのど渇くね、っていうのが姉弟の一致した意見。
おいしかったのはこの前菜。
ウニと、キャビアとムースっていうような濃厚な食材を、トマトソースやゼリーなんかと絡めてなるべくあっさり食べましょう、っていうコンセプト。ウニも、ずいぶんいいやつ使っている。
組み合わせの妙、濃厚なのにさっぱり。
神楽坂って言うと、理科大あったけっな、という程度の印象だったが、随分と大人びた、素敵なところだ。 理科大生なんてどーせ気の利かない理系のオタク学生ばかりなのに(偏見)、こんな洒落た街にいるのは生意気だ。 僕の大学もこのあたりで、このそばも良く通ったが、僕は気の利かない学生として、きちんと素通りしていたぞ。
途中、うちの居候のバイト先を発見。彼女もお洒落な都会生活からは遠い感じの娘だが、こんな街で働いていて生意気。 っていうよりはむしろ、こんな忙しそうな店でよくがんばるなぁ。