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2007/3/3(土)

ラム肉半額に香菜をいろいろまぶして焼いた。羊は安くて好きだ。何故こんなに安いのだろう。独特の風味が嫌いな人は嫌いなのだろうけど、特に安物の味ではないと思うのだけど、牛に比べてコストがそんなに違うのだろうか。

特に夜景の写真を撮る場合は、画像補正の能力が作品の出来にずいぶん影響してくるのではないかと思う。露出なんかほとんどカンで決めているだけなので、大きくずれることはあたりまえだし、通常の写真と同じように処理すると、カラーバランスがだいぶ崩れることも多い。そもそも、暗いところでは人間の目はそれほどちゃんと色を識別できないので、もとの色は何だ、というものがない。これが自然な色だ、というものは、多分無い。自然に見えるようにきれいに見えるように色々いじくってみるが、デジタルデータにしてしまえば色は操作できる。その操作の能力差はずいぶん変わってくると思う。


これがこうなる

今まで失敗写真に分類していたものの中にも、手間かけてトーンカーブいじくってみると、お悪くないじゃないかというようなものが結構ある。一枚一枚は寒い思いして結構苦労して撮ったものだから、たまには整理したほうが良いのだが、やっぱり時間はかかる。山へ登って写真撮るほどではないが。
僕の場合は、撮る時点から、あとで画像補正を行なうことを前提として撮っているので、フォトショップいじってやっと完成だといえばそう考えられるのでしかたがない。

こうの史代「夕凪の街・桜の国」

くり返し読んでも面白いマンガが好きだ。特に密度の高い短編が良い。
こうの史代の作品はまさしくこの基準に合致し、夕凪の街も何度も読んでいる。しかし、この作品を取りあげているサイトの作品解説を読んだとき、今まで流し読みしていた箇所にも色々なメッセージ、物語、感情の変化が描かれていることに僕は気付いていなかなかったことが判明した。

え、そうなの?と原作参照しながら読んでみる。
凄い。確かにそのとおり。このシーンはこのシーンと対比されていて、単なる脇役にしか見えないこの爺さんは実はこの人で… そういう見方で読み返すと、よりいっそう物語に深みが増してくる。この短いお話の中に、重厚的に様々なメッセージを込めている。もうほとんど無駄なコマがない。 それが実にさり気なく描かれている。

凄い!読み手にここまで求めている。
こんなの普通気付かないぞ。一コマ一コマ丁寧に、何度も何度もくり返し味わうように読み、考え、感じて欲しいのか。この作者は。

僕がこの作品を初めて読んだのは、週刊アクションに載っていたものをコンビニで立ち読みしたときだ。週刊アクションなんて、ほとんどはくだらないエロマンガしか載っていないのだが、その中で周囲の他のマンガとはまったく違う、静かに淡々とほのぼのと、暗く思いテーマを扱っている雰囲気にびっくりした。
しかしコンビニ立ち読み時ではさらっと読むだけなので、そこまで深く感じられない。一回読んだだけでわかった気になるのは良くないな。

この作品はわずか3話、ジャンプならば一月足らずで連載される量だが、サイトによると1年間かけて作られたらしい。だがなんとなくそれも納得できる。巻末の解説などを読むと、実に細かい設定まで考えてあるようだ。で、その色々な物語のごくわずかな部分を作品に描いている。さりげなく。

分量を増やして、その背後の物語をわかりやすく描くことは可能だろう。しかし、そうはしなかった。 明示されていない物語は、読者それぞれが想像し、考えて欲しいのだろう。ヒロシマの原爆とその後の50年を扱うには、確かにそれ以上の方法は無い。

この作品は映画化されるらしいが、これを映画にするのにはかなりの責任を伴う。これは語り継がれるべき名作だ。それに見合ったものを作って欲しい。

2007/3/4(日)

誕生日プレゼントに本のたぐいを送るのは、結構危険な作業だ。まったく興味の無いものもらっても迷惑だし、読んだことのある本を送るのもしらける。買う前に確認しておくのが大人の手法だろうが、そうするとワクワク感が減ってしまう気がする。
相手の好みでありながら、まだ知らないだろうなというようなもの、作品のレベルが高いもの、読む負担が小さいもの、読後感があるもの、僕が持っていないけど僕も読みたいもの。すべてを満たす作品は、そうたくさんあるわけじゃないし、こちらの意図どおりにいかない可能性だって高い。が、蛮勇を振るって、マンガの一つでもプレゼントすることを最近よく行なっている。

今回の目当ては石川雅之「もやしもん」。実質的に菌類が主役という不思議な学園マンガ。 現在小ブレイクしていて、本屋で平積みされていたりする。
現在4巻まで出ているのでこれを買おうと思い、新宿の本屋へ。しかしこれがそろわない!大型書店を3件はしごして、ようやく買いそろえることが出来たが、大丈夫なのか本屋さんの未来は。そんなにマイナーな本ではないのに、3件とも都内で指折りの大型書店なのに、この品ぞろえ。3軒はしごしている間に、アマゾンで頼めば届いてしまうのではないか?アマゾンの方が確実に見つかるし。
本は通販よりも本屋で買いたいと思っていたが、この状況ではちょっと考える必要がある。本屋でうろうろするのって結構好きなのだが。

お外でディナーを食べるのは久しぶりな気がする。家族で姉の誕生日を祝った。

2007/3/6(火)

傷んでいるセロリ入れたら、香りを支配された。サラダもスープも。このにおいの強さを、逆に何かに利用できないだろうか。

2007/3/7(水)

この冬の異常な暖冬、そして「不都合な真実」のヒット(本屋でさらっと立ち読みしただけだが)。環境保護に関する話題が、日常会話でものぼってくる。
この百年ほどの石油燃料の浪費はどう考えても間違っていることだし、その姿勢を省みる機会ができたのは良いことだ。

が、同時に一つ気になることがある。
安易な結論で簡単に納得して、思考を停止させてしまう人が多いのではなかろうか。
「この冬は全然雪が降らなかった。もう花が咲き始めた。異常だ。地球温暖化だ」
「昔は起こらなかったことが頻繁に起こる。人間は愚かだからだ。どうせいつか滅んでしまう。でも僕が生きている間くらい平気でしょ。しらねえや。」

温暖化は恐いが、人々の思考停止はもっと恐い。民族浄化、軍国主義、狂信的な宗教戦争、納豆さわぎ、政治に対する無関心。自分の頭で考えることを止めて、ふうぶんを鵜呑みにする姿勢。 ああ恐い。

自然は常に一定にあるものではなく、ダイナミックに変化するものだ。地球の自転による24時間の周期、月による29日の周期、公転運動による365日の周期。このあたりは分かりやすいが、多分もっと色々な様々な周期がある。それぞれの周期の公倍数でも出てくるだろうし、太陽の活動周期なんかもある
。 自然の変化も一定ではない。一つの変化に対して、ほとんどの場合その反対の変化も生じる。春が近づき、気温が上がる。すると気温差が生じて風が起こり、冷たい空気が混ざってくる。その混ざり合いの中で暖かい日と寒い日が交互にやってくる。 イワシの漁獲量が減る。するとやがてイワシを食料とする大型の魚が減り、天敵が減った結果またイワシが増える。 自然はカオス系であり、一時的に現れる周期もある。百年、千年、万年のスケールでは、地球の平均気温なんてそれぞれ結構変動しているのでは無いだろうか。

でも人間はそれほど利口ではないので、そんなに長期的な視点では考えられない。ニュースで流れる様々なデータの大部分は前日比、あるいは前年比。日常的には1年以上の間隔でものを考えることはない。大人になれば幼いころのことなどきれいに忘れる。人生長くても100年程度、それくらいではやっぱり山河は未来永劫不変なものに感じるだろう。

でも、大自然は確実に変化する。海岸線なんて、南極の氷が溶けなくても隆起、侵食、埋め立て等で、これまでも、これからも、変化しつづけている。
その変化に対応し、生き残っていくのが生物たちの使命だ。環境が変化すれば、 ある種は栄えてある種は滅びてきた。それが地球の歴史だ。温暖化だろうが氷河期だろうが、変化するのが当然なのだ。 その変化に対し、我々も対応して生き残らなければならない。それが生物の使命だ。

恐がり、嘆き、あるいは無関心になるだけの姿勢はそろそろ止めにして、その次のことを考えてみよう。
温暖化は進んでいる。多分それは確かなのだろう。それがどの程度人間の所行によるもので、どの程度火山その他の地球規模によるものなのかは分からない。でも変化するのなら、その変化に対応していかなければならない。

対応すべき問題は確実に、たくさん存在している。世界人口は爆発しており、破綻が避けられないように思える。中国人インド人の幾億人がアメリカナイズされていけば、エネルギーの消費量は何倍になるだろう。 どうしたら良いのかはわからない。でもそれぞれの問題を認識し、色々な風評はあらゆる視点で疑って、確認して、考えていかなければ変化には対応できない。
嘆くのもあきらめるのもやめにして、疑いと関心の視点を持って正しい方法を考え、行動につなげていかなければいけないのではないかと思う。

2007/3/8(木)

知らないうちに、こうの史代が新連載始めているではないか。あわてて週刊アクション立ち読みした。
「この世界の片隅に」どうやら戦争の話にするらしいが、相変わらず生活感にあふれたマンガを丁寧に描いている。だいぶ長編になるのだろうか。

2007/3/9(金)

リクルータ活動。 久しぶりにスーツきて、久しぶりに母校へ行った。
一日中、ファミレスでドリンクバー飲んでじゃがいもつまみながら、多くの学生に話をして、何度も何度も似たような話を繰り返して、大変疲れた。脳味噌のいつもは使わない部分をだいぶ使ったと思う。 普段はせいぜい一人ごというだけで、しゃべりっぱなしということはほとんどないからな。なるべく誠実に対応したいとは思うのだが、やっぱり疲れてくる。

また週末がやってきた。天気予報を見ながら迷ってしまう夜がやってきた。
明日は行楽日和らしいが、僕にとって重要な土曜夜の予報が悪い。
早置きして山行くのはやっぱり大変だし、悪天の中歩かなければいけない事態になるのも恐いが、家でパソコンやったのちに晴れた夜空を見上げるのも悔しいしなぁ。

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