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2006/5/25〜28

木曜の夜から日曜の夜までの72時間のほとんどの時間を酔っぱらい続けてしまった。
その間のあやしげな記憶には、楽しいこともたくさんあったし気持ちの悪い時間もあった。イルカが出てきたり嵐にあったり、いろんなことがあったような気がする。夢のように曖昧な箇所もあるが、現実に起こったことのはずなので、思い出して記述してみようと思う。

木曜夜は慌ただしく出発。仕事を済ませて支度して、飯作って食ってを同時にこなす。ギリギリになるのは毎度のことだが、今回ほど時間が無かったのは初めてだ。

で、竹芝に着いてみると他のメンバーがいない。出航間際だが、呑気に買い物へ行ったらしい。代わりに、昨年小笠原で知り合った四人組に出迎えられる。偶然だが彼らも同じ日程で御蔵島へ行くという。
小笠原で知り合った人たち同士からは、よくそんな噂を聞く。誰と誰が屋久島でばったりだとか、礼文で誰それを見かけたとか。それがついに僕のところにも回ってきたのだが、こんなオフシーズンの平日に、しかもキャパの少ない御蔵島で出くわすとは思わなかった。


木曜の夜は、東京湾の夜景もいつもより賑やかな気がする。

というわけで伊豆諸島航路恒例の、東京湾宴会クルーズも今回はたいへん賑やかなものになった。 ここ最近、自分でもちょっと旅行に行き過ぎなのではないかと思ってしまうが、この人たちに比べればそう特別出かけている訳ではない。この人たちと同類というのが安心できる状態かどうかは不明だが。


夜が明ければ黒潮の中。御蔵島初上陸。今日はまったく波が無く、ずっと東京湾にいるみたいだった。
桟橋に着いても、目の前は絶壁。排水が真上から流れ落ちている。

横の坂道を登り、絶壁の上が今日泊まるバンガローのある広場。大洋が見渡せ、三宅島を望み、芝生が広がり、あづま屋が建つ。風はない。今日は山の上のほうも良く見える。珍しいことらしい。
何とここちの良い場所だろう。東京から一晩、酒呑んで眠っているとこんな場所に着いてしまうのだから不思議なもんだ。イルカ見なくても、山歩かなくても、こんなところで文庫本読んで茶話していれば最高の休日ではないか。

とはいえ、山歩きにも行く。 御蔵島は非常にストイックに環境保護をやっているようで、海も山もガイドが必要なところが多い。
今回の旅行のお膳立てをしてくれた御蔵島の元住人(?)、MIZちゃんが手配してくれたのはSirius Nature Toure。最近独立したというさわやかなお兄さんにガイドされ、巨木を見に行った。

一時期は人が住んでいたこともある、南郷というところにあるシダジイまでのコース。 巨樹は何本もあるが、樹齢は良く分からないらしい。中心の幹は朽ちていき、周辺部は変幻自在に成長していくので、年輪を数えても良く分からず、推定200年から2000年と、人によって大きく違う。

「巨木:悠久の時間をかけて、静かに少しずつ少しずつ成長し、やがて人知の及ばないような存在になる」 っていうようなのは、ちょっと安易な考え方かもしれん。ここの木々から得られる印象は、もっとアクティブな感じだぞ。隙間があれば成長し、隣の木が邪魔ならば抱き潰し、中心が腐っても周囲に成長し、台風がくれば倒され、倒れてもまた日の光を求めて伸びていく。
にこにこぷんの長老の木というよりは、寄生獣だとかアメーバとかナウシカの森とか、おどろおどろしくてたくましく生きている、動的なものだ。成長もすごくはやそうで、どんどん姿を変えているのではなかろうか。

ここ1,2年で、伊豆諸島のほとんどの島に旅行しているが、どの島もだいぶ雰囲気が違うことに毎回驚かされる。その中でも御蔵島は、神々しさというか、奥底に何かを秘めているような魅力を感じる。

御蔵島の人口は数百人。イルカは百数頭、カツオドリは数10万〜数百万羽。樹齢数百年の巨木は500本ほど。 ミクラミヤマクワガタは何匹いるかは知らぬが、ニンゲンの何百倍もいるだろう。その他、数多の虫、魚、鳥、諸々。ニンゲンの生息域はほんの額ほどの集落、わずかに走る道路のみ。島の大部分は管轄外。
この島を歩いていると、ニンゲンは紛れもなく生物の一種なんだということを普通に感じる。あたりまえのことのはずだが、都会の人間の洪水の中にいるとそう感じるには難しい。

私は日本人だが、アメリカ人はアメリカ人で、イタリア人はイタリア人で、ナイジェリア人はナイジェリア人で、まぁそれなりに楽しくやっているのだろう。お互い関わりが無くても認めることは出来る。
それと同様、イルカはイルカで、トリはトリで、海ガメは海ガメで、カツオはカツオでそれなりに忙しく、たまに食ったり食われたりしながら生きている。あちらさんはあちらさんでよろしくやっているし、我々ニンゲンもがんばって生きていきましょうか。そんな安心感みたいな空気がある。

もしかしたら、ニンゲン以外のものの中には神様も含めて良いのかもしれない。御蔵島は神の島、寺はなく、集落は神主さんを中心とした社会らしい。
登山届け代わりになるような祠もある。入山時にはっぱを供え、下山時に回収するというものだが、我々は出すだけ出しておいて回収するのを忘れた。
そんな感じで、八百万の神々の世界が色濃く残っている。神の倉って書いても「みくら」って読めるもんな。


午後はイルカスイム。
今回の旅行計画を立ててくれたMIZちゃんは、過去数年間御蔵島のイルカ調査のボランティアをやっていたという。1日中イルカと泳ぎ、数を数え、個体識別をする調査を何十回も何百回もやってきた、いわばイルカウォッチングのエキスパート。あなどれない娘だ。そんな人と船に乗るのは非常に面白い。
得ている情報量がぜんぜん違う。我々は「あぁイルカがたくさんいる。すげー」と、あわあわ泳いでいる横で、「今威嚇してきた。機嫌悪いみたい」「赤ちゃんが一緒にいるからそれを守るためにおとりのイルカが一頭近寄ってくる」「親離れ間近の若者が遊んでくれる」だの、様々な解説をしてくれる。

実際にイルカはたくさんいる。ほとんどが沿岸から100m程度のあたりを回遊している。 MIZちゃんによると今日はなかなか機嫌が良いようで、本当に近くまで寄ってくる。触るなといわれているが、いるかとぶつかってしまいそうになるくらい。


うまく写真を撮るには、カメラの感度を高感度にしておくことに加え、平常心が必要。
ほとんど失敗した。.

後半戦になると、予想していたことだが、酔ってきた。海は穏やかだが、この睡眠不足の状態で、だいたい午前中の車の中でさえ少し酔ったのだから当然だ。
しかしこれは船酔いというよりは泳ぎ酔いだ。海に出ると体は大きく波に揺られる。船へ上がるのを待つ間が一番酔う。船に上がってしばらくすれば多少収まる。 その他、足ヒレ付け慣れていないものだから、予想よりも早く進む。潜ると、螺旋状に潜ってしまう。結果、自分の現在位置を見失う。海流に流される。体が冷える。いかにも酔いそうな状況だ。 泳ぎゲロという技をマスターし、まぁ一応最後まで脱落せずに泳いだ。

酒が進むにつれ、あたりが暗くなっていく。会話は進み、海の向こうの三宅島は闇に隠されていく。 けっこう理想的なキャンプ場の食事になった。

夕食の片付けを始めるころから雨が降り始め、その後はバンガローに場所を移し、しっとりと雨の降る中での宴会へ移行。


昨日の宵から降り始めた雨は、止む気配はない。静かに降りつづける、梅雨の雨。
早朝、そんな中を後発組の二人がやってきたので迎えに行き、朝ごはん。朝は皆食欲が無いのか、だいぶ作りすぎた。

今日もイルカ船に乗れる。昨日撮った写真に満足は行かなかったので、乗ってみたい気持ちもある。が、今日は天候が悪い。確実に酔う。昨日乗ったし、満足もしているので、居残り組に入ることにした。 昼寝して茶話をして、だらだらした後に、観光協会のビデオを見に行った。

御蔵島、ふれあい広場のバンガロー使用感。

・部屋はそれほど広くはないが清潔。棚や洋服かけがほんの少しあるだけで、何も無い。照明はあるので、ヘッドランプやランタンはなくても困らない。 荷物を整理すれば、7人が一同に会して食事を取ることは可能だった。天気が良いときは、屋外で食べたほうが快適。

・暖かいシャワーは100円で1分ちょい。途中で止められないから、一度にお金を入れると後悔する。体が冷えたときに、小銭が無いと辛い。100円玉を切らすな。

・電話やデジカメの充電は、観光協会でお願いしていた。昼間のみ。携帯電話は、ドコモは普通に入った。それ以外でも最近は入りつつあるらしい。

・調理道具は一通り借りられる。鍋、まな板、さいばし、フライパン等、無くて困るものは特に無かった。 食材も島の商店に一通り置いてあり、無くて困るものは特に無い。確かに生鮮食品は割高だが、調味料なんかも結構置いてある。 が、島で採れた海の幸は意外と手に入りにくいのかも知れない。お金で買うものではないのだろう。 自分で採るか、島の人と仲良くなって譲ってもらうか。


そして急転直下。
天気予報から見る限り、明日の船は着かないかもしれないから、月曜日休みを取れないならば今日の午後便で帰ったほうが良いとの情報が出回り、紆余曲折ののちに全員帰るということで落ち着く。 今日来た二人は日帰り御蔵ツアーになってしまうが、旅好きの彼らの経歴の中にそういうものが含まれるのも、話のネタになって良いのではないかと思う。また来れば良いのだから。

朝のだらだらから一変し、慌ただしく荷物をまとめ、夜逃げのように島をあとにする。 そこからは毎度恒例の、時間感覚から拒絶された二等船室での宴会。前も後ろも左も右も分からぬ中、過去も未来も混ざり合う中、大笑いしながら酒を呑みつづけた。

a diario de mi-chico:2006年05月 -

撮影日記


あわただしい帰宅になってしまったので、土産は買っていない。そんな我々に都合の良いことに、「島じまん」という伊豆諸島の紹介祭りが竹芝桟橋で開催されている。
やはり、大笑いしながら酒を呑みつづけた。

ボードウォークで円座を作り、港からのそよ風を受けながら、これまで行ってきた島、これから行きたい島の名産物、焼酎を呑む。 生演奏を聴きながら、これまでの旅の楽しかった思い出を再確認しあう。 今日の御蔵の海はきっと荒れているだろうが、東京湾のどんずまりは割と心地好い天気だ。

予想以上の混雑。
ふらふら歩いていると、どこかであったことのある人たちに声をかけられる。そんな意味では、子供のころの地元の祭に似た感覚だ。

よく当たるという噂の抽選会では、友人がイカを当てた。神津島産。

 

2006/5/31(水)

最近どうも疲労がたまる。一日中何だか眠いし、帰り道も足が重い。ノー残業デーでも、どっぷりと疲れている。
どうしたんだろう、と思って調べてみると、自転車の空気が両輪ともだいぶ抜けている。この疲労は体調不良や精神的なもの、或は働きすぎが原因というよりも、自転車の整備不良が原因だったのかもしれない。 それならば簡単に解決できる。空気を入れりゃ良いんだから。
しかしここからが長かった。

まず帰り道の河原で空気を入れる。そして空気入れを抜く際に、チューブの弁を破損する。あらら。
最寄りのジャスコ、ダイクマの自転車コーナーをはしごして、部品を物色。どちらにも求めていたものはないが、代替品でなんとかなりそうだ。 自転車のチューブの弁には3種類あって、ママチャリに使われているのは英式、これはその辺で売っている。僕の自転車は、スポーツサイクルによく用いられる仏式、空気入れもこのタイプのものしか持っていない。仏式のチューブがあれば交換すれば良いだけなので簡単だが、英式のものでも多分使えるだろう。空気入れは店で借りれば良い。 行ったり来たりして部品をそろえ、いざチューブを替えてみると穴が小さく入らない。しかたが無いんでリーマ買ってきて穴を広げ、ようやくチューブ交換し、2階の自転車売り場持っていって空気入れると抜けていく。こりゃどうしたことかパンクしたか、でも予備に買ったチューブと替えりゃ大丈夫だろ。1階に追い出されて今度は慎重に交換し、空気入れて今度はオッケー。さぁ乗るぞと思った刹那またパンクしている。あぁもう嫌だ。帰りたい。でも自転車ないと帰れない。店のおっさんはもう今日の修理は受け付けないし、頼むのもしゃくだ。もう8時、他の自転車屋も店じまいだ。あぁもう疲れた。もう嫌だ。
いや、たかがチューブ交換。何で失敗したのか。道具が無く、ちゃんとした手順でやらなかったからだ。ちゃんとセットされていないチューブは、容易にパンクする。今までもあっただろ。ならば、空気入れと再びチューブを買ってしまえ。ちゃんとやればなおせる。腹を据えて、今度は完璧。あぁようやく帰れる。

結局修理に3時間要した。またまた床屋に行き損ねた。部屋の片付けも延期。まぁノー残業デーだから直せたというように考えれば、幸運なのかもしれないが。

・日常の整備を怠らずに
・予備のチューブ一つで多大な手間から開放される。持っておけ
・入手の容易な部品で修理できるようにしておく

 

2006/6/1(木)

今年に入って、ずいぶんと効率の良い有給休暇の使い方をしている。

1月に1日、沖縄に2泊。
3月に2日、北海道に3泊。
5月に2日、小笠原に5泊と御蔵に夜行2泊(実際には夜行1泊)

休みを取らずに普通の週末で行ったのは、軽井沢、八丈島、草津、その他山登り。 あとは9連休をいつとって何するかだが、これはまだ決めていない。どうしようかな。

 

2006/6/2(金)

就業後、会社の同僚とレクレーション。
焼肉を食べた後に先輩の家でモノポリーをやった。

僕の誕生日という名目での集まりでの集まり。ハッピバーバースデー歌ってもらったのなんて随分と久しぶりだ。少なくても1年以上ぶりだ。下手すりゃ10年以上だ。

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