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2006/4/7(金)

八丈島へ行くには、船ならば10時間半。夜10時半に出航して、翌朝9時過ぎに着く。遠いというよりは、この10時間半という時間を楽しみのために選択していると思う。

旅の開幕を、宴会で始めることができるのだ。そんなことができるのは船旅くらいではなかろうか。初対面同士の顔ぶれも混じるため、これは大変便利な始まり方だ。 仕事が終わった後にすぐさま島へ向かおうという行為も、非日常へはっきりと変わっていくのが良い。

いつものように、東京湾の夜景を見ながら毛布にくるまってビールを飲む。
東京湾はけっこう大きくて、外海に出るまで2時間以上かかるが、海岸線の街灯りが見えなくなるまで皆でしゃべっていた。

目を覚ましたら7時過ぎ。こりゃ三宅だけでなく、下手すりゃ御蔵も過ぎてる。着岸前のあの喧騒に目を覚まさずにいたのは初めてだ。確かに昨日の出航前はだいぶ疲労を感じていたが、こりゃ船がもっと早く着いていたら寝過ごすところだった。
ともあれ八丈までもう少し。

2006/4/8(土)

僕にとって3度目の八丈島。 新しい場所を探求するのも結構だが、知った場所を何度も再訪するのも良いものだ。季節も天気もメンバーも違うわけだし、そもそもまだ行っていない場所だって多い。新たな楽しみがあるはずだ。


大坂トンネルからの展望。
ガーデン荘のある中の郷へ行くには、ほぼ確実に通る。
八丈島に戻ってきたぞ。

お腹が空いているので、まずはごはんを食べに行こう。中田商店の裏メニュー、カレーライスを食べに行こう。 あそこのおばちゃんって渋々カレーだしてくれるんだよな、すごい親切なんだけど。などと話しながら入店。
注文すると、カレーは予約制なのでできません、とのこと。それならとりあえずソフトクリーム食うか。 でもやっぱり、お話しているうちにカレー作ってくれることになった。イベントをこなさないと注文できない。ちょっとドラクエっぽい。
ごはん炊くから1時間後にきなさいとのこと。散歩へ行こう。


裏見が滝の裏から。
宿のすぐそばだが、今まで行ったことはなかった。


足湯。港のそばに新しくできた。
なるほど。お昼ごはんができるまでに一番やりたいこと、それは足湯につかることだった。
風が強いのは惜しいが、大海原を望みながらぼーっとする。

海を眺め、釣りを見物してようやくお昼ごはん。
歩きまわった分だけ、さらにおいしくなっている。一緒に出してくれたセロリもとてもおいしかった。
夏は近い、という味。

さて。
腹が満ちて眠くもあるが、出かけることにしよう。
空模様は、予報よりもずっといい。風は強く、ときおりあやしげな雲も過ぎるが、基本的には晴れている。 毎度毎度、おそろしいほどの晴れ男っぷり。

海遊魚まつりというイベントが底土港の隣でやっている。 無料で刺し身を食べさせてくれるという、我々にとって嬉しいがその目的が不明なイベント。
皆で刺身の立ち食いやっている。 焼酎の飲み比べもできるが、残念ながら僕は運転手。

キョンのいる公園の芝生の上でごろんと昼寝。 途中フリージア畑を見たり。

名作を訪ねる旅。「人間になったみっちゃん」のヒロイン、牛のみっちゃんを探しに牧場へ。 だが残念ながら、営業は終了しているし、みっちゃんも見つからずじまい。肉になったか、本当に人間になったか、もしくはその両方か。

温泉から上がったら、あとは飯食って酒を飲めばいい。盛大な宴会が待っている。 今日も豪華なメニューだ。各種の魚はおろか、岩のりの島寿司も一つのアクセントになっておいしいぞ。

今まで僕が複数回旅行した場所に共通する点として、食事が楽しいということがある。魅力的なオーナー、面白そうな同宿者たちと一緒においしいごはんを食べられるようなところ。母島のユースホステルも、鍋割山荘もそうだったし、ここガーデン荘もそうだ。こういうところは、一人旅だろうが皆で来ようが関係なく、色々な話が聞けて楽しめる。
八丈島に3回も来たのはガーデン荘の魅力に負うところが大きいし、その魅力の最大の要素は宴会の楽しさである。僕なんかもう魔法にかかっちゃっているもんだから、おばちゃんが少しでも口をきこうものなら、内容を理解する前に、もうそれだけでおかしくなってしまう。

今日も酔っぱらって絵を見たり絵を描いたり短歌詠んでみたり、陽気でありながらも刺激的な宴だった。何時間続いたんだろ。

2006/4/9(日)

すごいぞ。すごく美しい朝だ。 空には雲一つないし今日は風もない。暖かい、春らしい、素晴らしい朝だ。

おみやげ用のラベル作りを手伝った。数年前にお客さんの誰かがデザインして、そのままになっていたとかいう原画を、パソコンに取り込んでプリントした。何だか旅先でこういうことをする機会が多いが、それを生業とする旅人になれないだろうか。

今日は八丈富士へ登る。泳げない時期に八丈島行っても、やることはたくさんある。
八丈富士は名前の通り、きれいな円錐状の富士山型の山。登るときはきつく単調な階段道を1時間近く登らねばならない。伊豆諸島の最高峰で、標高854.3m。

島嶼部の標高800mって高尾山あたりの同じ標高のところとは、全然雰囲気が違う。風が強く、植物相も展望も違う。里山ではなく、すぐに人間の管轄外の世界となる。
まっすぐ登るため、標高はどんどんあがる。飛んでるみたいだ。街は小さくなり、海は広がる。空も広がる。雲は無いが霞んでいる。広がった海と広がった空は遠くのほうで混じり合い、見分けがつかない。

上まで登りきると、また別の世界が唐突に展開する。 大きな噴火口の荒荒しい地形が、深い緑に覆われている。かつての莫大なエネルギーとその後に流れた時間の長さ、それを体言するとこういう景色になるのか。
左手に町と海と三原山、右手に噴火口を喪意ながらお鉢を4分の1周ほどまわれば山頂。足もとから遠くのほうへ広がっていく景観が気持ちいい。ふれあい牧場までは車でずいぶん登ったと思っていたが、それすらかなり下のほうに見える。

そのままお鉢を一周したくもあったが、時間の都合上それは中止する。 しかし噴火口の中、お鉢の内側にある神社へ行く時間はありそうだ。行ってみよう。

会話が止まる。時間が止まる。思考が止まる。
旅をしていると、不意にそういう領域に入り込んでしまうことがあるが、この神社もそういう領域だった。 深い樹林をくぐった先の神社の脇から、噴火口の深奥部の大きな大きな空間がのぞきこめる。

完全に人間の世界ではない。静かな森、高い木々、深い緑が円形劇場を作っている。お鉢の上では風がびゅうびゅう吹いていたが、この中は静寂の世界。小鳥の鳴き声がエコーしている。毎度毎度一つ覚えのように宮崎アニメで比喩してしまうが、ラピュタの天空の城の上の世界のようだ。
こういう場所の情景はなかなか写真では表現できないし、言葉で説明するのも難しい。いつもどおり、ただすげえって言うほかない。


下山後の牛乳。おいしい。

今日も海遊魚まつり。漁協のおばちゃんたちに魚のおろし方を教わった。僕のあやしげな料理法も少しは改善されるかもしれない。 一人ずつがいっぴき丸ごと、捌いたトビウオを食べる。

温泉はいったのち、ソフトクリーム食べながらガーデン荘へ戻ると、食堂は作業所となっていた。

今朝印刷したラベルが、すでに量産されて商品化され始めている! すごいぞおばちゃん仕事が早いぞ!
スローアイランドでもやるときはやる!70歳(?)でも仕事は早い! ガーデン荘は、何だかたくさんの不思議があるが、その秘密の一つというか新たなる不思議というか、そういうものにまた出くわしてしまった。

八丈島から帰るには、飛行機ならば1時間足らず。時間だけいえば、通勤圏と言ってよい程である。 夕方5時半発の最終便に乗って夕日を見ていれば、眠る暇もなく羽田に着いてしまう。
この気軽さと密度の濃さ。4度目に訪れる日も、そう遠くないだろう。

品川の飲み屋で反省会。金曜夜発の船旅、日曜の最終の飛行機を利用すれば、普通の週末で八丈島を楽しめることを実証できたのが今回の成果。

2006/4/12(水)

もう何度目かのおこげ料理。揚げたり炒めたり忙しいが、だいぶ手慣れてきた。ちょっと焦がしたが。

八丈島の旅行記完成一番乗り。さっさと書き上げないと、また週末がやってきて、書くことがたまってしまうからな。特に義務があるわけでもないが。
しかしまだ先月の登山記が完成していない。これも特に書く義務があるわけではないが、せっかく書いたのだから完成させたほうがいいよな。

2006/4/13(木)

せっかくエンジニアになったのだから、赤道儀くらい作ってみようかと構想する今日このごろ。
また週末だ。準備しなくては。

2006/4/14(金)

珍しく、というより初めてに近く、仕事帰りに飲みに誘われる。 配属が決って挨拶に来た新人をネタに、同僚の何人かと歓談。
もう三年も経つのか、大分の工場で働いていた時から。

早めに抜けて、実家へ帰る。いつ走っても不快な環状八号を北上。良いペースで漕いで、電車とたいして変わらない時間で着いた。

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